英雄の条件のレビュー・感想・評価
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アメリカ海兵隊の目線から
しかし、取り上げてるキモになる部分が海兵隊の絆で固まっており、悪役は事務次官や政治家となっている。
撃ち殺された側が怨みに思い、さらに戦火が拡がる可能性もあるけれど、何しろ大使館に銃撃してくる民衆相手に手加減は出来ないだろうとは思う。
当時アメリカは世界の警察を標榜しており、他国へ入った海兵隊がトラブルを起こしたり見舞われたりしたのは想像に固くない。
大佐の罪を拭いとる事は出来たが、戦争行為とは殺し合いである。
裁判で無罪となったものの、それだけで済む筈もない。
どうしたらこんな世の中でなくなるのか?
未だに答えは見つからない。
交戦規定や武器の携帯など色々ルールはあるが始まれば殺し合いである。
良いも悪いもない。
一概に一緒とは言わないがヤクザ映画の類いでやくざやギャングがカッコいいとこ見せたりしているが、違法行為なしにヤクザやギャングたちがリッチな暮らしを出来る筈もないし何処かに迷惑かけてる人をカッコいいとは思わない…。
撃ち倒してもまた撃ち返してくるのが人の世。
話し合う必要がある
チルダース大佐(サミュエル・L・ジャクソン)率いる海兵隊は、イエメ...
チルダース大佐(サミュエル・L・ジャクソン)率いる海兵隊は、イエメンにある米大使館で起き群集デモから大使ファミリーを救出。暴動は収まらず暴徒と化した市民83人を殺してしまう。
軍法会議にかけられ勝ち目がない裁判をする。チルダースは1968年ベトナムで共に戦った以来の親友ホッジス元大佐(トミー・リー・ジョーンズ)に弁護を依頼する。
チルダースの命令が正当なものであったかの裁判。治安破壊、越権行為、83件の殺人。
証拠となる大使館襲撃の様子を映した監視カメラのビデオテープを政府が隠蔽したということ以外はおかしな事もなく全部が想定内。実話だから仕方ないかもしれないが凄く現実的な内容だった。ドラマ的かといえばストーリーを軍人同士の絆の方に置いていると感じた。
邦題は映画の内容に似つかわしくない。
詭弁
そもそも戦争に人道主義を持ち込むのは大矛盾なのだが平時の世論に合わせる詭弁としてまかり通っている。軍規では非武装の民間人か武器を持っていたかが論点となる、見せられるシーンも意図的で観客を翻弄するつくりである、さらに証拠の監視カメラテープが隠匿されているので被告の残虐性に言及するなど裁判の体を成さない。武器は残っていなくとも大使館の壁面を見れば凄まじい銃痕から状況は推察できよう。
正すべきは勝手な思い込みで証拠を確かめようともしなかった大統領補佐官の失態だろう、補佐官以外に国務省の誰もテープ内容を確認していないのも不自然だ。見てさえいれば武装攻撃であったことが証明されるのだから一軍人に責任転嫁する愚を犯さずとも釈明できる。もっともそれとアメリカの中東政策の是非は別物であるが。
都合が良ければ英雄として持ち上げられ不都合になれば殺人鬼と切り捨てられる軍人の悲哀を問う意味ではランボーとも通じるが古今東西、権力の根本構造は変わらないのだろう。
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