劇場公開日 2026年2月6日

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「救いがないと感じるのは観る者だけ」レクイエム・フォー・ドリーム regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 救いがないと感じるのは観る者だけ

2025年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

憧れのテレビ番組出演の為にダイエット薬を飲み続ける母、手っ取り早く金を稼ぐためにドラッグ売買に手を染めた息子とその恋人が、雪崩のように転落していく「鑑賞後に鬱になる映画」として悪名(?)高いダーレン・アロノフスキー作品。今回4Kリマスターとしてリバイバルされたの機に見直したが、ドラッグに憑りつかれる過程や、ヒップホップ・モンタージュと呼ばれる極端に短いショットの連打など、今年のマイベスト10に入れた『サブスタンス』とダブる点が改めて多い事に気づく。
デビュー作『π』から一貫して「妄想に憑りつかれて抜け出せなくなる者」を撮り続けるアロノフスキーだが、本作は後年の『マザー!』と並んで救いがない。とにかく登場人物がもれなく悲劇的顛末を向かえる…のだが、ラストで全員が胎児のように体を丸めるのは、妄想の中では何も考えずに幸せに浸っているという証であり、要は彼らにとってはハッピーエンドなのだ。
今ではロン毛とヒゲがトレードマークのジャレッド・レトの、短髪ヒゲなし顔は逆に新鮮。あと恋人役のジェニファー・コネリーのダウナー演技も注目(一部シーンでダブルを使っているけど)。

regency
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