「偏執狂の話かと思ったら」パフューム ある人殺しの物語 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
偏執狂の話かと思ったら
クリックして本文を読む
総合:55点
ストーリー: 55
キャスト: 60
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 70
天才と狂人は紙一重。あまりに究極を追求するあまりに、他人の命をはじめとしてあらゆるものの価値観がおざなりになる。自分の理想を追求するためには全てを犠牲にすることも厭わない偏執狂。そんな頭のねじのとんでしまった倒錯者の話かなと最初は思った。女の皮を剥いで集めていた「羊たちの沈黙」の、犯人側から見た映画なのかと思えた。
それはそれで主題としては良かったのだが、最後の展開は何なんだろう。そもそも香りは女から取り出したのだから、じゃあ香水なんかなくてもその女自身が集まれば同じことが出来たはず?でも実際にそんなことは起きない。それにそのような香水が、村に住んでいただけの普通の女たちから抽出できちゃうのかな。最後の展開がなければもうちょっと楽しめたのだが、香りに何でも出来る圧倒的な力があると言われても、到底納得など出来ないのでした。
どうせここまでやるのならそんな都合の良い魔法のような話ではなく、人の心の闇を中心に据えた倒錯的な方向に突っ走れば良かったのに。
コメントする