「好き嫌いはあるかもしれません」パフューム ある人殺しの物語 みどりがめさんの映画レビュー(感想・評価)
好き嫌いはあるかもしれません
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香水がキーワードということで、映像と音楽で香りを見事に想像させます。
○○の甘い香りにドキドキしたり、魚市場のシーンは非常に臭そうだったり。香水の調合が進むごとにオーケストラのパートが増えていく手法が非常に素晴らしいです。この劇中音楽は、ベルリンフィルが演奏しているそう。
主人公がある目的から連続殺人をするのですが、神出鬼没過ぎて恐ろしいです。女性側の視点のシーンはまるでジェイソンかなんか見ている気分に。
でもこの主人公、極悪殺人犯だというのにどうにも憎みきれない。動機があまりにも純粋だからでしょうか?まるで子供みたいで。主役のベン・ウィショーは怪演。ひょろりと伸びた首に小さい頭が載っていて、目を見開いてペタペタ歩く。その幼さも感じさせる一種異様な姿は、役柄そのものでした。
終盤の予測できない展開にハラハラさせられました。中盤あたりの想定範囲内のストーリーも、狙われた女性の父親(アラン・リックマン)に感情移入させることで、ハラハラ感を高めてきます。
ハンカチで弧を描き香水を群集に嗅がせるシーンがもっとも印象に残りました。群集がバタバタ倒れていく様子は笑っちゃうけれどしびれます。
そして最後に主人公の強烈な孤独を見ました。
突っ込もうと思えばいくらでもって感じではあるんですが、たまに笑いを堪えながらも引き込まれました。
好き嫌いはあるかもしれません。
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