劇場公開日 2001年7月14日

パール・ハーバー : 映画評論・批評

2001年7月2日更新

2001年7月14日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

微妙なテーマだが、ある意味で期待は裏切られず

いろいろと問題の多い映画ではある。

たとえばウリになっている親友同士のパイロットと看護婦が紡ぐ三角関係は、その心の綾を描いてないので説得力がない。日本軍の描き方なんて、21世紀だというのにいまだ<富士山芸者>スタイル。真珠湾攻撃という、微妙なテーマを扱っているとはいえ、その辺の配慮のなさには驚くほどだ。とはいえ、そういう意味ではブラッカイマー&ベイ映画らしく、ある意味期待を裏切っていない。

だが、だからといって見どころがないわけじゃない。メインとなる日本軍の真珠湾アタック・シーン、40分にもわたるこの場面が前代未聞の迫力なのだ。いまだかつて見たことのないゼロ戦の勇姿がデジタルの力でスクリーンいっぱいに再現され、もう興奮されっぱなし! ハイスピードで爆撃を描き、しかもいつものベイ映画とはちがいワンカットが長く、じっくり見せてくれるのだ。ディテールにもだわった描写も山積みで、そのかっこよさといったら!! こちらは、まさに21世紀仕様の映像なのである。

考えてみたら、ベイの前作「アルマゲドン」も最初のニューヨーク隕石落下シーンのみが光っていた。そういう意味ではこちらも期待を裏切ってない?

渡辺麻紀

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