「忘れてはいない」きみに読む物語 Qooさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れてはいない
療養施設にいる認知症の女性のもとに足繁く通う老紳士。彼はその女性にある物語を読み聞かせに来ていた。
それは、材木置場で働く青年ノアと、夏の間だけ都会から来ていた裕福な娘アリーとの出会いから始まる。
出会った2人はすぐさま恋に落ち、毎日のようにデートを重ね、毎日のように喧嘩もした。だが何よりも愛し合っていた。しかしアリーの両親はひと夏の遊びだと2人を認めず、無理矢理2人の仲を引き裂く。愛し合ってはいたが分不相応な恋だと突き付けられたノアは傷つき、大喧嘩の末 アリーのもとを後にする。
一方アリーの方は
、母親から突然家帰ることを告げられ、喧嘩を修復出来ないまま連れ戻されることに。
若い2人の話はまだまだ続くが、このストーリーはまさに老紳士ノアと認知症のアリーの人生を綴ったものだった。
時にアリーが思い出し、戻ってきてくれることがあると、それを希望に根気よく読み聞かせをするノア。子供たちや孫のことも忘れてしまったアリーは、周りの医師や子供達にも諦められていたが、ノアといる時に突然その時はやって来る。ふとこのストーリーは自分たち夫婦の物だと気づき、ノアと抱き合う。だが、ものの数分で、つい今さっきのことが分からなくなる。何故、なぜこの老紳士と抱き合っていたのかも分からなくなり、パニックになりスタッフたちに取り押さえられる。
根気よく読み聞かせ続けたノアは、やっとアリーが戻ってきたときの感動が、一瞬して凍りつく。それでも、何度でもアリーに逢いたかったのだろう。
若い2人のストーリーの続きになる。無理矢理引き裂かれたノアとアリーはそれぞれ別の人生を歩始めたが、あることをきっかけに再開する。時既に遅し 他の男性と婚約を果たしていたアリーだったが、ノアと離れられなかった。
アリーの母親はそれを諌め、アリーを連れ戻しに来たのかと思われたが、そのアリーの母親もまた、若かりし頃に諦めた恋があった。故に、アリーに正しい選択をするように言って立ち去る。夏に2人を無理矢理引き裂いたのは、アリーの人生を台無しにしたくないからこそだったのだが、アリーのノアを思う気持ちも十分過ぎるほど分かっていたのだと思うと本当に目頭が熱くなる。
そんな大恋愛を果たした2人の最期は、まさしく奇跡。涙がボトボトと落ちて、何度でも観たくなる作品。
映画館で3度ほど鑑賞したが、リピーター割引きがあったのを覚えている。
Qooさん、「激突」への共感&コメントありがとうございます。「激突」の感想文書かせるなんて素晴らしい学校ですね‼️
「きみに読む物語」もいい映画でした‼️同じくニック・カサヴェテス監督の「ミルドレッド」という作品も大好きなんですよね〜