誰も知らないのレビュー・感想・評価
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じゃあ
どうすればいいのか。。みんなで一緒に暮らすためには、、、「誰も知らない」のか、、環境が過酷な程、知恵はつくのか、、万引きする子は、進学していく。明には、思いやりや責任感がある、向上心もある、これはやむを得ず背負わされた結果なのか、、ときおり輝く子どもらしさ、子どもが、特に長男の明は、子どもでいられない、くたびれていくシャツ、伸びていく髪、アジアの他国を連想する、、お金をあげ、食べ物を渡せばいいのか、、全責任は母親だけにあると、いえるのか、、ずっと問いかけられ続けた。ショッキングな映像よりも、子どもの瑞々しさを印象的に映す作風からは、重たさ、だけではないものが伝わってくる。
子供としてみると
主人公とあまり大差のない年視点で見ると、
大分辛かったです。
母親が子供のこと大切ではあるけど邪魔だって思ってるのも兄妹の1番上だからこその辛さも、母親に縋ろうとするのも本当は味方してくれるはずの周りの大人も皆隠してるけど自分たち子供を邪魔者扱いしてるのもそれを長男長女がうっすら感じてるのも全部じわじわ伝わってきました。
思春期に入るとなんとなくわかってくることが表現されてて
ネグレクトとか虐待だけでは無く、思春期ならではの辛さ、心情の動き、全てにおいて本当に辛かったです。
それでも嫌いになれない、心の中では捨てきれないのが母親で、母親には自分勝手に動かれてるけどこの歳じゃそのことを否定するなんて相当大人びていない限りできないのを改めて感じて、辛いのも有りましたが共感しながら見ることでより面白い作品なんじゃないかなあって思いました。
現実だから
子供たちだけの生活
親のいない、子供たちだけの生活。子供の時に一度は夢見る自由な生活かもしれないが、外に出てはいけない大声を出してはいけないという制約の中ではどれほどの自由があったろうか。
洗濯や料理など兄や姉が担っている点は、大人になった私よりも自立した生活をしているだろう。
Youの演じるチャーミングな母親は友達や姉ちゃんとして関わるなら楽しそうと思わせるハッピーなやり取りだった。無責任で勝手な様子を柳楽優弥にお前だってそうだろと言うところ、全く持って間違っているところもなんだか愛おしく感じさせられた。
なぜ子供を隠すのか、なぜ子供を放って出ていってしまうのかがよく分からなかったけど、これを理解できれば私が認識できていない人たちのことがわかるのかな。こういう人たちがいたという事実を知って、この人たちを分かろうとした方が良いのかな。ただ同じ世界で生きているということを認識しながら自分のことをただやっていく、助けを求められればできる限りのことはやっていく傍観者でいいのだろうか。
柳楽優弥の万引きはしないところ、援交で稼いだお金を受け取らないところ、えらいなあと思った。死体遺棄だって悪いこととしてやっているわけではない。何が良くて何が悪いのかの線引きが法律ではなくて、自分の信念から作り出されたようなところが小6なのに素晴らしいと思った。
なるべく社会から見えないように関わらない生きているわけだけど、廃棄をくれるコンビニの兄ちゃん、野球に混ぜてくれた監督、いじめられていた高校生、少しの人とのちょっとした繋がりがあって、少しの優しさがたくましい生活に貢献していた。これからも兄弟仲良く暮らしていきたいという願いが、もう長く続かないだろうともどかしくなった。
今、映画だけを見ても真意は掴みにくいかもしれない
「怪物」「ベイビー・ブローカー」「万引き家族」が注目を集めた是枝監督の、2004年の作品。
最近になって配信で見た人は「なんだこれは」という印象を受けるかもしれない。
私は公開当時に劇場で見て(詳しい日付は忘れたので、このレビューの鑑賞日は適当な日付)、その前と後を知っているので、少しは今見ている人たちにも情報を共有できると思う。
知ってほしいのは、社会的に大きな話題となった事件を「ヒットする題材」ととらえて映画を撮ったのではなくて、是枝監督としてはあの事件の当事者となった子供たちに「君たちはそれでも存在して良いのだよ」と伝えたくて撮ったということ。これは監督自身がのちにコメントしている。
映画の前に事件が存在していて、それを映画に再構成したのだが、その目的は興行成績でも観客動員でもなく、あの事件の子供たちに「是」を伝えることだった。
だから、映画の視点は事件をとりまく社会や正義ではなく、子供と生活環境に向けられていた。子供たちに、君たちはこんな環境でも精一杯生きた、よくやったと言っている。
(この視点はのちの作品で子供から親子、家族というテーマに変遷し、最新作「怪物」ではまた子供に戻る)
エンディングで流れるタテタカコの曲「宝石」も、非常に印象に残る。
「誰もよせつけられない 異臭を放った宝石」が指し示すものは、主人公の少年の将来。
それも含めて、この映画では少年を、少年の過去と今と将来を肯定している。
これらの情報は映画単体では掴みにくいかもしれない。
当時の空気、そして是枝監督のコメントまで含めて、やっと真意がわかる。
作品としてそのようなスタンス(副次情報が無いと真意がわからない)が良いとは思わないが、もう世に出てしまった作品。
せめて、予習あるいは復習して、この作品の真意を読み取ってほしい。
タイトルなし
序盤の会話から飛行機は見に行くんだろうなと予想していたが、あんな形で見に行く事に成るとは思ってもいなかった。
なかなか胸糞悪い結末を迎える作品だったが、鑑賞後に元ネタとなった事件を調べてみると映画以上に胸糞悪く、映画が少しマイルドな方向に調整されている事が分かった。現実がどうだったのかは判らないが、育児放棄している母親が子供達の事を全く愛していない訳では無さそうだったのも意外。
本当はコンビニ店員や大家が異変を感じた時点で動くべきなんだろうが、そううまく行かないのもよく分かる。他所の家の事だからイザとなった時に動けばいいと、既にイザという時を迎えているにも関わらず先延ばしにしてしまう人が大半なのではないかと思う。
柳楽優弥さんが演技で賞を取っていたが、他の役者も負けず劣らずの素晴らしい演技、というかアドリブじゃないと出せない子供達の表情を作り出していたYOUさんの演技が見事だった。
胸を打つ!!
ほぼ20年近く前の映画ですが、迫るものが大きい。
「誰も知らない?」
多分みんな薄々知ってたと思う。
見て見ぬふりをする、
知ってても関わると面倒だから、見ないふりをする。
全く他人のことに無関心?
(大家の対応は、あり得ないのは置いておくとして・・・)
母親(YOU)がまったく返ってこなくなる。
約束のクリスマスも過ぎ、
クリスマスケーキが半額近くなるのを待って買う
12歳の長男・明(柳楽優弥)
妹2人と弟がいる。
お正月が来て、一人一人の名前を書いたお年玉を手渡す明。
そして春が来て桜が咲く。
お金が底をつき思い余って、現金書留の住所と名前から、
電話番号を聞いて電話する明。
「山本です・・・」と、同棲相手の名を名乗る母に、
思わず電話を切る明。
はじめはは渡された金を、
家賃、
電気代、
水道にガス、
と分けて振り込んでいた。
母が帰ってこないと明の中でケジメが付く。
そして電気が止められ、ガスが止められ、水道も止まる。
水は公園から汲む。
トイレも公園。
この映画のどこに、何に心を打たれるのか?
明の健気さ。
明の責任感。
家族愛。
実話にヒントを得たフィクションとのことですが、
普通は通報されるだろう、
しかしこれに近いことは今もある。
戸籍のない子、学校へ行かせてもらえない子供の数。
驚くほど多かった。
孤独死の中に餓死も含まれてると思います。
無知であること
ストーリーは大きな変化なく、救いがあるわけでもなく終わってしまいますが、
こんな現実があるということを知ることができました。
母親だけが悪者なわけではなく、様々な問題の結果なのかなと。
そしてこれらの問題は貧しさが原因ではないというのが皮肉的で辛いなと思いました。
母親はハイブランドのバッグを何個も持っていますし、長男はお金がなくても割高のコンビニで買い物、スーパーでも果物に手を出したり、、、と。
貧しさが招く不幸ではなく、無知であるが故の不幸なのかなと思いました。
また、中盤で母親がもう帰ってこないと悟った明が、
無邪気な兄弟たちを煩わしく思い冷たく接するシーンが何とも切なく、
いつの間にか母親と立場が同じになってしまっているのが複雑でした。
実際の事件がモチーフということで少し調べてみましたが、
母親のみが保護責任者遺棄致死の罪で逮捕されたとのこと。
早々に責任放棄した父親には何の処罰もないのかとモヤモヤしました。
日常的にいてくれる母親の必要性と ネグレクトに対する危険性を訴えかける作品
覗き見る映画
14歳の柳楽優弥さんが非常に良いお顔であった。ずっとお顔を眺めていた。柳楽さん含め子供たち全員が変に作っていないのも良い。
柳楽さん演じる明は最初はわりときちんとした子供という印象。勉強もするしお母さんの言い付けも守る。下の子の面倒も見る。しかし大して幸せそうではなくどこか儚げでもある。恐らく賢い子供で、現状が決して正常とは言えないと理解しているのだろうと感じさせるある種の高潔ささえある。
そこから状況が変わって欲に走り(所詮子供だから大した欲望ではないが)、その後事件が起こりラストまで、大きく表情が変わったりキャラクターが変わったりするわけではないが、服がボロボロになっていくにつれて彼の行動も「きちんとさ」を放棄していく。しかし儚さ高潔さは残したまま心の置き所が無いような様子でそこいにる。佇まいも非常に良い。親さえそばにいれば、お金さえあれば、彼はいつでもきちんとした彼に戻れるのだ。ドキュメンタリー風の映像の中にある彼や子供たちの表情の美しさはそこだけリアリティがなく、荒れた部屋の中でキラキラと笑う様子などはやや異様でもある。
YOUさんの、語尾に♡をつけてそうな舌足らずなしゃべり方もまた罪である。子供たちからしたら母親が完全にいい人に見えるもの。私が子供だったらお母さんがこんなんだったら大好き―!と思って騙されてしまうだろう。この方も恐らくそんなに作っていないように見える。
終始何もかもが大げさではなく、毎日その場その場で感情の揺れや思うことはあれどセンセーショナルに盛り立てることなく、静かに彼らの日常が過ぎていく。子供は成長し、大人は自らの安寧を守り、命あるものは死に、植物は成長する。それを間近で覗き見る映画であった。
子供たちが収入のない状況でどのように暮らしていくかという描写になる。終盤に悲惨なアクシデントがある。見ていてずっと胸が痛い映画だった。
動画配信で映画「誰も知らない」を見た。
劇場公開日:2004年8月7日
2004年製作/141分/日本
配給:シネカノン
柳楽優弥
北浦愛
木村飛影
清水萌々子
韓英恵
YOU
串田和美
岡元夕紀子
平泉成
加瀬亮
タテタカコ
木村祐一
遠藤憲一
寺島進
2004年の作品。
ずっと見たかったが、
製作から18年後にやっと見ることができた。
この話は実話がベースになっているという。
福島けい子(YOU)は奔放な女。
けい子と4人の子どもたちは都内のアパートで仲良く暮らしていた。
4人の父親はそれぞれ違うという。
4人は小学生だが学校には行っていない。
1か月間家を留守にしたけい子。
その間は子供だけの生活だった。
次に家を出たけい子だが家には戻らなかった。
数十万円有ったお金は底をつき、
電気ガス水道も止まった。
そこからは子供たちが収入のない状況でどのように暮らしていくかという描写になる。
水道やトイレは公園を利用した。
食べ物はコンビニで廃棄する食品をもらった。
終盤に悲惨なアクシデントがある。
見ていてずっと胸が痛い映画だった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
これが実話を基にしたフィクションであるという事実。 そんな重い題材...
不幸は人が決めるものではない
長尺とカメラワーク。そして、くすんだ畳の上の小さなゴミ、小さくなった黒の代わりの紫のクレヨン。個々の描写の細部に見受けられる人の生きている跡にドキュメンタリー作品を見ているかの様な錯覚を覚える。観賞後に『巣鴨置き去り事件』を元に製作されたと知り合点がいった。
事件を傍観する我々からしたら悲惨な状況下に置かれた子供達。しかし劇中繰り広げられる子供達の世界は、決して悲しさ溢れるものでは無く、純粋無垢で無邪気に描かれている。それ故にラストの伏線回収はより一層胸を締め付けられた。
しかしネグレクトの結果起きた惨事を凝視する以上に、生き生きとした子供達の余韻は強く、そこから感じるものは「幸か不幸かは他人が決めるものではなく、人はどのような状況下に置かれたとしてもその中での幸せや生きがいを見つけて生きることができる」と言う普遍的な真実だった。
子供たちの素のキラキラ感が眩いくらい切ない
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