誰も知らないのレビュー・感想・評価
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苦しい
母親に置き去りにされた4人の子ども達が、誰にも気付かれずアパートの一部屋で過ごす実際に起こった事件を題材としている作品。
幼い弟や妹たちの面倒を見ながら自分たちの今置かれている環境の中で楽しく生活が出来るようにと自分の知恵を駆使しながら頑張る長男に知らない間に感情移入して観てしまいました。
長期間家を開けていた母親が帰って来るとそこにはごく普通の幸せな家族の雰囲気が漂い、母親が家に帰って来なくなっても尚母親を愛している子ども達の姿がなんとも言えない程苦しい。
淡く美しい映像の中にどこか苦しさを覚える作品です。
数多くの作品を観ましたが、観賞後もしばらく長男の表情や眼差しが頭から離れないずっと心に残る作品で個人的には苦しくても何度も見たくなる作品でした。
作品のテンポとしてはゆっくりと進んでいくので早いテンポを好む方は気を付けた方がいいかも知れないです。
救いのない作品
母親の育児放棄にあった長男・長女・次男・次女の4人の兄弟姉妹の悲惨な生活を描く。
冒頭のモノレールのシーンと引っ越し時のシーンのスーツケースが何かを暗示しているようで、観始めてからすぐに気が滅入る。最終その暗示通りだった訳で救いはない。
YOU演じる母親は、どこかに障害があるのだろうか。何故、出生届も出さず、学校にも行かさず、そして何よりも自己中心的な行動で育児放棄をしたのか。理解に苦しむ。
本作では長男を中心とした4人の健気に生きようとする姿が描かれているが、着想を得た巣鴨の実際の事件はもっと荒んだ酷い生活だったようだ。時代という要因もあったとは思うが何とかすることは出来なかったのだろうか。
カメラは静かに
彼らの周りには沢山の人がいる。だけど、沢山の人は彼らのことを知らないようだ。まるで、ダンボールに入った捨て猫をスルーする様に。
小学校教員の友人が「誰も知らない」に出てくる様な子供達を実際に目の当たりにした話を思いだした。私もダンボールをスルーする大人なのだろうか。
誰を責めるわけでもなく、是枝監督のカメラは静かに静かに子供達を映しだす。その静かなカメラは、私達大人に「知らなかった」事実を教えてくれる。
私は「知らなかった」事実に対して、自戒を込めることはできるのだろうか。
柳楽優弥の天性の素質を是枝監督が開花させた日本映画界に残る作品だと思います。
是枝さんは、凄い
是枝監督は、人間を映す神だなと
思った。
あんなに人間らしい映画を
作るのは是枝監督が一番でしょう
実話を題材としたストーリーだから
見ていてとても胸が締め付けられた
あの、4人が住んでいた部屋の光景は
ずっと頭に焼き付いていると思う
それほど、衝撃な内容だ
親は無くとも夢は有る。
総合:94点
ストーリー:90点
キャスト:100点
演出:90点
ビジュアル:90点
音楽:100点
是枝作品を観るのは二作目。傑作。
この作品は1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材とした実話です。
子供たちだけのクリスマス、子供たちだけの年越し、「誰も知らない」生活がここには存在した。
数多くある中で落ちていく一つの鉢植えはこの子供たちを表しているのかなと感じた。
ただ、ラストでゆきちゃんはなぜ死ななきゃいけなかったんだろう。もっと別のラストは用意できなかったのだろうか。
演出、音楽、最高。
無題
お涙頂戴でもなく衝撃もなく、淡々と生活が進んでいくので安心した
途中でドキュメンタリーのようにも見えた
ただこの短い時間では、実際に彼らが体験した長い長い時間を感じるのはやはり難しかった
母親をあまり悪く描いていないが、それでも子供たちの表情とかで怒りが浮かんでくる
なぜ誰も助けてやれなかったんだろう
それは誰も知らなかったから
アキラは何度も何度も商店街を行き来した
人ごみの中を歩いて行った
その中で一人でも彼の現状を知っていたら必ず手を差し伸べていたと思う
それをこのタイトルは暗示してるのかなと思った
アキラ役の柳楽くんがとにかく凄くて
自然体で、凄く大人っぽくて、目つきも子供のものじゃない
兄弟の親しい感じも違和感なくてすごいなあと
是枝監督にはこういうテーマに向き合った作品を派手な役者を使わずに撮って欲しい
物語の内容がどうというよりも、その表現の仕方に圧倒されてしまった。...
物語の内容がどうというよりも、その表現の仕方に圧倒されてしまった。シーンが静かに静かに積み重ねられ、登場人物もあまり喋らない。なのに、人物たちの思いが伝わってくる。なんだか小説みたいだった。
凄まじい状況を描いているにもかかわらず、決して劇的ではない。劇的に描くことも出来るのに、そうしない。淡々と日々を描くことで、我々観客の心にじわじわと迫り来るものを感じさせる。恐怖、絶望、そして終極。
こんな時、大人の考えることできることなんて、全く彼らの役には立てないんだな、と思った。だから、彼らは誰にも知らせず、あのままの生活を守り続けたんだと思う。
柳楽優弥の魅力的
柳楽優弥主演。
ストーリーはとても、ショッキングです。
演技している、本人たちはきちんと内容を把握できてるのかと不安になるぐらい、みんな幼いです。
子どもに観せたいけど、観せたくない
セリフはアドリブらしいです。
何度でも観れるし観たいと思う
1988年に実際に起こった事件をモチーフにした作品
父親がみんな違う4人兄弟は,大好きな母親に見捨てられる
この子達はみんな,出生届が出されていないため学校に行けず
アパートの大家に長男以下の幼い兄弟の存在が知られると
追い出されてしまうため,ひたすら隠れて暮らす
実際に事件が発覚した時の事情調査で,このアパートの住人は子供たちの存在にまったく気がついていなかったという
この子たちは法的にも,社会的にも存在していなかった
この子たちのことを『誰も知らない』
柳楽優弥が賞をとったのはすごく納得ができる
けどほかの子たちの演技も柳楽くんと何ら変わらないんだよ
とっても自然
だから何度でも観れるし観たいと思う
是枝監督!
特別手の込んだ映画をというわけではなかったけど、頑張って生きる姿が強くなめらかに描かれていて見やすかったし、感動しました。
キャストはところどころに有名な方が組み込まれてました。遠藤憲一さん、平泉成さん、加瀬亮さんなど…。
そんな中、柳楽優弥さんは負けてなかった。
かっこよかったし、強かった。
あこがれるな…
@crimson
最初から最後まで重い
親に捨てられて子どもだけで生活していく日々を延々と描いた映画。
約束された悲劇をずっと眺め続ける苦しさ。重すぎます。
正直言って重すぎて面白くはないが、良い演技をする人が多く引き込まれる。
育児放棄に警鐘を鳴らす意義深い映画だと思う。
しかしバイトの人も、女子高生も、大家も、その他もろもろ
あんな状況の少年達を通報しないのは、優しさでもなんでもない。
金があろうがなかろうが、小学生が保護者の監護なしで
いっぱしの大人になれる可能性などゼロに等しい。
映画のための演出だと信じたい。
ところで、この映画を観て、誰も悪くない、という意見がネット上で
割りと普通に主張されている。
そういう意識が変わらない限り、悲劇は減らないと思う。
重苦しすぎる。
こんなに重々しい映画はダンサーインザダークとこの作品しかたった今は思いつかない。
映画として見てるだけなのに心が苦しくて苦しくて重くてどうしようもなくなった。
YOUの演技が物悲しさを引き立てていた。
こんな、悲しい事件、くそ。
ネグレクトを受けたことのある人なら分かる。こんな、悲しいこと、あっちゃいけない。
酷過ぎた。
まさかの妹の死。
オープニングと繋がったときの虚しさ。
よく、できた映画と思う。
柳楽優弥くんの演技とか、本当にすごいと思いました。
他の子役さんもリアルでした。
すごい作品だった。
悲しい事件でした。実話らしい。 子供らの演技?と子供目線がわかって...
悲しい事件でした。実話らしい。
子供らの演技?と子供目線がわかってないと伝わらない内容だったので、そのへん上手でした。入り込み過ぎてヒヤヒヤしました。なんか他人と思えない。
苦しい
柳楽優弥がすごすぎる。セリフは少ないけど、表情が何ともいえず心情を読みたくなる。引き込まれるし、なんて魅力的なんだろうかと。
他のキャストもすごい。もうそこにいるかのような、生々しい家族の姿。
圧巻です。
最後まで目が離せなくて苦しかった、、
主人公扮する柳楽くんが家族を必死に守っていく姿が痛々しい。
何が最善なのか、まだまだ発達過程にある子どもたちに、周囲の大人たちはどうするべきだったか?
柳楽くんと是枝監督の、すっかりファンになってしまった。
誰もが知るべき
半ドキュメンタリー的な作品作りをすることで知られる是枝監督。彼の真骨頂を見たような気がした。セリフではなく画面からビシビシ迫ってくる、捨てられた子供たちのリアル。水道が止められて公園に水を汲みに行くシーンはなんら後進国の子供たちと変わりがない。「格差社会」が流行語大賞上位にランクインしたのは2006年。この作品は2004年公開。是枝監督の慧眼にも驚かされた。いや、この作品のせいで皆が考える機会を持ったのかな。僕もその一人です。やられました。
少年少女っておそらく
少年少女っておそらくこんな感じなんだろうなと思った。
これほどまでに清々しく子供たちの持つ残酷性を描いた作品も他に見ない。
本当に清々しい。そしてこの清々しさは同時に日本映画が持っていたすがすがしさだ。
ワンカットワンカットにその日本映画のエキスというか雰囲気が入っている。それは、70年代にも50年代にも感じられる日本映画独特の空気感である。
そしてこの子供たちの世界はどの時代にもある子供の世界だ。
火垂るの墓にも出てくるこの感じ。
いかなる困難な場所でも子供たちはいつでも子供らしいのだというこの映画の基本は、まったく崩れるものではない。
時代は限られた時代を切り取ったものなのかもしれないが、この映画自体はものすごく普遍的な映画に仕上がっている。
ドライヴにも出てくるようなこの映画の雰囲気は、とても日本じみている。
是枝監督の映画は何本か見ているがその中でも秀逸。
大満足だ。
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