「悪地地形をひた走る幼なく拙い逃避行の物悲しさ」バッドランズ ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
悪地地形をひた走る幼なく拙い逃避行の物悲しさ
好きな映画は、キャストがはまってて絵が力強くて音楽が効いてる映画なので、そういう意味でもこの作品はかなり魅力的だと感じた。ジェームズ・ディーン似と言われるマーティン・シーンの甘いマスク、シシー・スペイセクのファニーフェイスが生きてた。精神的に(ホリーは肉体的にも)幼い二人の成り行き任せの逃避行がバッドランズ(悪地)を舞台に描かれる。
主にホリーの視点からみた出来事で、彼女のキットへの恋と失望が淡々と描かれる。彼女は彼女なりに現状を受けいれ妥協してゆく。冒頭からディティールがやや浮世離れしており音楽もその世界観に拍車をかける。幼さと拙さ、そしてどこか物悲しさが全体を通してあると思う。そこがいい。
ホリーのこの先が少し語られる。有頂天になった相手との逃避行を経たホリーは、口でどんな言葉を吐こうとも二度と誰も愛せないし楽しむことができない女になったと思う。
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