ナショナル・トレジャー : 映画評論・批評
2005年3月15日更新
2005年3月19日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー
インディ・ジョーンズ×「ダ・ヴィンチ・コード」なのだが
紀元前2000年のエジプトのファラオの昔から、人類の歴史の裏で“至高の権力”に受け継がれてきた伝説の秘宝。それが、アメリカ独立戦争中、忽然と消えてしまう。それから200年以上たった現在、この秘宝の行方を代々探してきたゲイツ家の子孫、天才歴史学者にして冒険家のベン・ゲイツが、ついに、秘宝の封印を解く暗号がアメリカ合衆国の根幹をなす歴史的文書・独立宣言書に隠されていることを発見する……。
というわけで、ニコラス・ケイジ扮するヒーローの名前がビル・ゲイツを連想させもするが、ともかく、現代版“インディ・ジョーンズ”の冒険に、ダン・ブラウンのベストセラー小説「ダ・ヴィンチ・コード」の謎解きの興趣をミックスさせたと巷で評判のこの作品、面白くならないはずがない……わけなのだが、アメリカの歴史的建造物を巡りながら、謎解きとアクションが繰り返されていくうちに、なんだが、ソコソコの出来のお宝探しゲームにつき合わされている感が強くなり、物語に感情移入できなくなる。冒険心をくすぐられないのだ。
よくも悪くも、ド派手さと浅薄さが混在する製作のジェリー・ブラッカイマーの興行師魂、今回は炸裂せず。残念!
(高橋良平)