「実は従兄弟だった、が嫌だ」猟奇的な彼女 Λibo.uryyy0さんの映画レビュー(感想・評価)
実は従兄弟だった、が嫌だ
韓国映画観るのはこれで2本目の初心者だが、韓国映画パラサイトが凄く面白かった為、他の韓国映画も観てみようと次はこれ選んだ。主人公が可愛いという理由のみで。前知識ゼロだが何となく面白そうな予感したが、別にそんなでもなかった。
恋愛系と予想はしてたが本当にそれのみで、恋愛日常的なのがだらだら続くから退屈極まりない。恋愛物あまり興味ないせいもあるが香港映画「恋する惑星」は恋愛にも関わらず大好きなので映像や雰囲気の問題もあるだろう。この映画はその点普通っぽいので特別惹かれるところなし(終盤以外は)。でも2人が付かず離れずみたいな状況なところは好きだ。
主演の女の子、よく見ると思ったほど可愛い顔でもなかったのがちょっと残念。パラサイトは全員可愛かったんだが。半地下一家の妹とか特に魅力凄かった。
本作はなんといっても序盤のゲロが嫌すぎる。しかも長い。邦画なら絶対あそこまで映さない気するんだが。汚すぎ。さすが韓国・・いやごめんなさい。あと他人の携帯でも鳴ったら出るのかとか、生きたまま埋める発想とか日本とはやっぱ感覚違う気が。ホテルのオンドル部屋とは何なのか気になるからオンドルを日本語訳して欲しかった。
準主役の男キョヌがライターの店聞かれて誤魔化す演技が超上手くてリアルで面白かった。パラサイトでも思ったがもしかして韓国人は演技上手い率高いのか。恐るべし韓国。相手の父も、聞く時の顔とか超面白くてツボった。そして主人公あんだけワガママ言うならもう少し美人がよかった。というか彼女はあんま演技上手くないな。そこそこ可愛いから別にいいけども。まあこれくらいで、他はとにかく退屈のみが押し寄せるため、他に何も考える事もなく超絶に飽きてたが、終盤で急に良くなるのだ。あきらめずに見続けて良かった。
相手のキョヌを向こう山に遠のかせて叫ぶ彼女の言葉には胸打たれる。キョヌには届くはずもないこのシーン凄く好きだ。それまでの自己中は奥深く心に秘めた悲痛の表れだったのかと思うと彼女の魅力も深みもここで一気に増して、終盤にしてようやく面白くなってきた。
でも不満なのは、2年後の木の下の場面で映画が終わらなかった事。ここでラストと感じたのに話がまだ続くからなんか違和感凄かった。
ラストで実は従兄弟だったという展開は幻滅だ。木の下で幕を閉じていれば儚さ漂う美しい物語で終わったのに、従兄弟設定で一気に通俗な話に戻った。儚く美しい映画が好きなのでテンション上がってたから残念。まあ冒頭でゲロ出てきた時点で残念だったから別にいいけど。
ラストは心暖まる感じだが唐突感ある。それまで伏線として従兄弟(もしくは関係者とか)を匂わせる描写あれば良かったんだが多分なかったと思うので(うろ覚え)、唐突な大逆転でハッピーエンドは安易さ感じてしまう。ズルさも感じる。『偶然とは努力した人に運命が与えてくれる橋』で逃げてる気もするし個人的に全然いい言葉とは感じない。結局努力なのかよと。
退屈続きの後にあの木の下で予想外にいい映画と思えたからガッカリ感凄くある。が演技が凄い良かった。なので次は続編らしい「僕の彼女を~」も一応見る予定。
2023/02 VOD