「革命家の若き爽やかな日々」モーターサイクル・ダイアリーズ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
革命家の若き爽やかな日々
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 65
2つの主題があるように思えた。
キューバ革命の指導者カストロですら手に余ったと伝わる過激な革命家ゲバラ。アルゼンチンの裕福な家庭に生まれたエリート医学生のゲバラは、本来資本主義の恩恵を受けたはず。その彼が、何故社会主義革命家になったのか。貧困・病気・差別。世の中の不条理を直接見て、後の彼の思想を形作り始めるきっかけとなる彼の体験を描く。
もう1つは旅。ゲバラの若き日を描いているが、特に最初はあまり政治的・思想的なことは描かれない。ただ若者が自分のいる世界から脱出して違う世界を見てみようという欲求を抑えきれないという、爽やかな青春ロードムービーである。
若さゆえの暴走や親元を離れた自由な爽快感。そして旅の楽しさだけでなく、だんだんと社会の歪に気がついていく心のゆらぎ。この2つの主題をバランスよくまとめていると思う。
実際のゲバラの姿が本当はどうだったのか知る由もないし、革命家として彼の活動が正しかったのか判断の分かれるところでもある。でも若き彼を描く映画として、重くなりすぎず正義とか悪とかに偏りすぎず面白かった。
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