「誇大妄想」モンスター(2003) 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
誇大妄想
2022年2月24日が悲しい日になりました。この作品を観ながら、ふと、プーチンのことが思い出されました。実在したアイリーン・ウォーノス(シャーリーズ・セロン)は、どう考えても不幸な境遇で、同情の余地もなくはないのですが、思考回路に大きな問題がありますよね。いつか有名な女優になるとか、弁護士になって大邸宅を建てるとか…。楽観的なのはいいけど、楽天家はいけないと何かの本で読んだことがありますが、そういうレベルを遙かに超えて、とても危険で、実際にモンスター化してしまいます。「自分は被害者」、「防衛のための攻撃」という身勝手な理屈で自己完結していて、相手を受け入れる余力が完全に欠失してしまっています。その結末は悲劇にならざるを得ないという物語は、とてもリアルで見応えがありました。
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