「マリックの真髄ここに極まる!」シン・レッド・ライン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
マリックの真髄ここに極まる!
テレンス・マリック20年振りの監督復帰作となった1998年の作品。
同時期に公開された「プライベート・ライアン」に観客も話題も持っていかれ、オスカーでも完敗。
しかししかし、非常に奥深い作品である。
背景となっているのは、第二次大戦下のガダルカナル島でのアメリカ軍と日本軍の激戦。
リアルで派手な戦場シーンとか兵士たちの友情とか愛国心とか、そんなありきたりな戦争映画ではない。
大自然の中で繰り広げられる争いを通じて、戦争の愚かさ、醜さ、人間の弱さ、狂気を浮き彫りにする。
それらと対比する大自然の何と美しい事!
余りにも残酷な神の仕打ちとしか言いようがない。
詩的な映像、美しい音楽、人間の存在と神への問いかけ…。
「ツリー・オブ・ライフ」にも通じるマリックの真髄。
「2001年宇宙の旅」がSF映画孤高の作品なら、「シン・レッド・ライン」は戦争映画孤高の作品。
久し振りに見ても新鮮さに溢れている。
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