メトロポリスのレビュー・感想・評価
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人類の未来は明るいのか、暗いのか、それは人の手に掛かっている。
戦争が終わってすぐのこと
手塚治虫はこの漫画を世に出した。
多くの人が傷ついた戦争を目の当たりにし
世界の未来を憂いたのかも知れない。
地球に暮らす全てのモノ達には必ず「心はある」
それが手塚の作品の根底に有るものだと思う。
ジュール・ヴェルヌやH・G・ウエルズ
彼らが考え見てきた人類の未来の姿を
手塚なりの手法で表現したメトロポリスは
悪にもある優しい心、善の普遍的な美しい心
それが随所に見られてとても心地いい。
さて、この映画。
すごく魅力的なキャラクターと世界を描いている。
ただ、誰がメインなのかが見えないのである。
選曲と効果音のバランスや、それに関わる演出、
また中途半端なシーン変わりがいくつか続いていた。
それを打ち消したのは作画の力
声優達の力なのだと強く感じた。
原作者の「心」
伝えたい「心」
それは存在した。
※
後世まで手塚の功績を伝えるどころか
これほどがっかりした映画も珍しい。手塚治虫の名作とは言え、初期の中編で、テーマ性をうまく抽出して見れば、古臭さも感じずにむしろ新鮮な驚きが期待できそうだったからだ。当時はテレビゲームの映像が飛躍的な進化を遂げ、映画に使われる特殊効果も含み、映像の進化は目を見張るものがあった。そんな時代に、あえて手塚をぶつけるミスマッチが、本当にクールに映ったのだ。
ところが、ソリッドな未来都市はやっぱり非現実的で、人が生活している生命感とか、躍動感みたいなものが感じられない。人工知能というか、人造生命というか、デジタルと、アナログの融合に、新しい可能性を見せてくれ、というような期待感が、音を立てて崩れていく。
そして、この頃から、なぜかパッケージソフトを手に入れただけで満足し、開封せずに未消費という現象が目立ち始める。レンタルビデオで、大量に借りてきて見ないまま返すとか、惰性で買い続けていたコミックの新刊を、読むこともなく、また同じ本を2冊買ってしまったりとか。
映画も、ご多分に漏れず封を切らないまま棚に眠っているDVDが部屋にたまっていった。時間の、やりくりが上手くいかない。そして、好奇心が追いついてこない。あれほど見たいと思っていた映画が、オープニングが始まったとたんに眠気に襲われる始末。だから、余計に、見終わった後の徒労感はひどかった。思えば、この時期、ジャパニメーションは本当に曲がり角を迎えていたのだ。
手塚イラストが極限の美しさで動くのよかったけど
2001年劇場公開時鑑賞。デフォルメされた手塚絵なのに、非常に美しい映像だったのが、1番印象に残ってる。ストーリーやキャラクターの印象は薄かったなあ。
手塚先生
2023年4月30日
映画 #メトロポリス (2001 年)鑑賞
#手塚治虫 の原作を #大友克洋 脚本、#りんたろう 監督で映画化したSFファンタジー・アニメーション
ロボットと人間が共生するメトロポリスを舞台にロボットと人間(労働者)の争いを描くが、裏で糸を引くのは・・・
共通の敵は権力と資本家か
面白そうにみえて全然面白くない!
面白そうにみえた。でもうーん(._.)
絵はいいのになあ。もったいない
ほんとはもっと長いのにカットされてこのクオリティなんでしょ?どれだけいらない部分があったのか(笑)
手塚治虫ごちそうさまでした。
作画の素晴らしさは95点、脚本がマイナス200点
冒頭から作画の緻密さ、エネルギッシュさで圧倒されて「何が起こるのだろう?」と期待させるが、その後の展開がご都合主義と登場人物の非合理的かつ非論理的な行動で頭を抱えるしか無い作品。
まずは主人公のケンイチの声がひどい。抑揚がなく、訴え掛けるものがない。脇を固めるベテラン声優が素晴らしい演技をしているだけに、ケンイチのひどさが際立ってしまう。ジャズ歌手らしいが、誰が選んだのか…
加えて、ヒロインのティマの性格付けがまるで空っぽで感情移入ができない。ティマを付け狙うロックは、なぜかあらゆる所にいてあらゆることが可能な万能人間なのに、これまたなぜか失敗する残念な男。レッド公だけは力強い演技と一貫した行動原理があり、印象に残る。
何より残念なのは、素晴らしい作画を使うのが、素晴らしくある必要が無い場面ばかりだということ。力を入れるシーンを間違えている。「技術すごいだろー」ぐらいの感覚でしか作ってないのだろう。
絵は素晴らしくきれいなのだが、不思議なくらい、訴えてくるものがない。これも脚本のひどさのなせるわざなのだろう。
手塚治虫トリビュート
革命・クーデターと反革命。秩序と野望が交錯する中で、ロボットだけが粗末にも人間によって惨殺される。ロボットの性質、ロボット三原則を踏まえていることがよくわかる。
手塚作品には必ず登場するヒゲオヤジやランプ。一番うれしかったのは『鉄腕アトム』にも登場するペロだ。ロックという存在も『火の鳥』に出てくるし、政界や軍部のキャラクターの相関がわかりやすい。人間描写がこのアニメだけでは薄っぺらで乏しいのだが、手塚漫画を知っているほど性格が理解できて、ストーリーさえどうでもよくなってくる(実際、手塚初期作品のためか、つまらないストーリーだと思います)。
はっきり言って、ストーリーからは何も得るものはなく、ただ単に故手塚治虫氏へトリビュート(特にキャラクターに対して)しただけのアニメなのであろう。しかも、背景画や音楽などは手塚作品らしくなく、FFのゲームのような感覚にも陥ってしまった。
音楽は全編通してジャジーでいい雰囲気なのだが、レイ・チャールズだけはいただけなかった。絵に関しては、中国の下請け会社にまかせてあるらしく、どことなく中国アニメっぽかったな(よく知らんけど・・・)。
以下、主なキャラクターの登場作品(公式サイトより)
ケンイチ 『鉄腕アトム』アトムの級友
ティマ 『火星博士』
ロック 『少年探偵ロック・ホーム』『来るべき未来』『バンパイヤ』『火の鳥』
レッド公 『メトロポリス』『鉄腕アトム』
ヒゲオヤジ(伴俊作) ほとんどの手塚作品
ランプ ほとんどの手塚作品
アトラス 『鉄腕アトム』アトラスの巻
ペロ 『鉄腕アトム』ホットドッグ兵団
ヒョウタンツギ・・・隠しキャラ(ドアのノブ)
人間とロボット
AIとの生き方を考えさせられる今、とてもタイムリーな話に感じられました。ロボットに感情は芽生えるのか。人間とロボットの境界線とはなにか。
人間とロボットが共に生きる世界の背景描写(特にスラム地域)が非常に美しく、とてもワクワクしました。またヒロインのティマがめちゃめちゃ綺麗に描かれていて、製作陣が力をいれたのだろうということがよくわかります。
日本アニメでは死に絶えた様式美の最後の残夢
シナリオについては特に言及しない。描いているテーマは別段独自性があるわけでもないし、ややご都合主義的に尺を詰めたように感じるところもある。真摯で普遍的でシナリオは、褒めるほどでもなければ貶すほどのものでもない。
そんなものはどうでもいい。どうでもいいのだ。
見よ、圧倒的な、素晴らしく、凄まじい才気に彩られた未来世界を!背景の美術センスはまさし筆舌に尽くしがたく、人々の活気に溢れる上層の街並み、スラムのゾワゾワしてしまいそうな多重居住スペース、小さなバー、巨大な空間を見渡せる裏道、下水道の果ての巨大な空孔部。わずか数秒しか使われないカットひとつひとつが鳥肌ものの美しさを秘めている。
それはピクシブあたりによく転がっている、表層だけをきれいに飾り付けた、既視感に塗れた偽物の架空の情景とは全くもって違う。全てに、そのモノと空間がそれまで経てきた時間や、匂いや、温度すらも感じられるような説得力に溢れている。
最近ちやほやされている新海誠の写真にパキパキのCGを盛ったような無臭の色彩の背景が「現実にありそうなのに、決してない作り物の世界」なのだとしたら、本作はその対極の「現実には決してありえないのに、まるで本当に存在するかのような世界」だと言える。
これは現在の日本のアニメーションがセル画とともに忘れてしまったセンスであり、技術だ。世界が見惚れたクールジャパンの最後の残夢こそがメトロポリスなのだろう。
・ティマとても可愛い
・小物のデザインにも一切手抜きがない。食べ物も美味そうだ
SF世界に絶妙に練りこまれたレトロ感も馴染んでいる。伝声管ステキ。20世紀初頭のような労働者の服も。
・ティマとケンイチのぶかぶかの労働者風の服が可愛い
・悲劇的な最後がなければ本作は締まらないだろう
最後までどこか助かって欲しいと思いながらも、こう帰結することはわかっていたしどこか望んでいた
・しかし原作とまったく違うやんコレ
映像、音楽、キャラクター
映像も音楽もキャラクターも脚本も作品自体のテーマも何もかも言うことなしの傑作映画です。
アニメとしてでも映画として一芸術として非常に優れていると思いますし、何より手塚作品としてちゃんと意志を受け継いでいるのではないでしょうか?
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