劇場公開日 2001年5月26日

「作画の素晴らしさは95点、脚本がマイナス200点」メトロポリス ムンタシルさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0作画の素晴らしさは95点、脚本がマイナス200点

2021年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

冒頭から作画の緻密さ、エネルギッシュさで圧倒されて「何が起こるのだろう?」と期待させるが、その後の展開がご都合主義と登場人物の非合理的かつ非論理的な行動で頭を抱えるしか無い作品。
まずは主人公のケンイチの声がひどい。抑揚がなく、訴え掛けるものがない。脇を固めるベテラン声優が素晴らしい演技をしているだけに、ケンイチのひどさが際立ってしまう。ジャズ歌手らしいが、誰が選んだのか…
加えて、ヒロインのティマの性格付けがまるで空っぽで感情移入ができない。ティマを付け狙うロックは、なぜかあらゆる所にいてあらゆることが可能な万能人間なのに、これまたなぜか失敗する残念な男。レッド公だけは力強い演技と一貫した行動原理があり、印象に残る。
何より残念なのは、素晴らしい作画を使うのが、素晴らしくある必要が無い場面ばかりだということ。力を入れるシーンを間違えている。「技術すごいだろー」ぐらいの感覚でしか作ってないのだろう。
絵は素晴らしくきれいなのだが、不思議なくらい、訴えてくるものがない。これも脚本のひどさのなせるわざなのだろう。

ムンタシル