殺人の追憶のレビュー・感想・評価
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いろいろと深いなぁって感じた
・当時の時代背景がとのような感じなのか、非常に分かりやすく描かれていて、ストーリーに入り込みやすかった
・決して正義とは言えない主人公だが、次第に感情移入していくように愛着わいてくる
・やはり皆さん言うように、ラストシーンは非常にインパクトあり、メッセージ性を感じた
・被害者遺族を思うと、やるせない気持ちでいっぱいな気持ちになった
悲しみの中に降る雨
アカデミー賞受賞作品「パラサイト 半地下の家族」同様
、雨の情景の撮り方が巧いと感じた。
3人で追跡するシーンの音楽と映像の迫力が凄い。
降り続く雨の中で、刑事が流す涙が印象的だった。
歌詞の内容は分かりませんが、エンドロールで使われていた曲の歌声が、被害者の女性達の心の声に聴こえ
涙が溢れた。
ソン・ガンホさんの味のある演技が光っていた。
韓国映画独特の絶妙な笑いの要素有り。
ソン・ガンホ演じるパク刑事の恋人役の女優さんが
魅力的。
何も考えずただただ期待を込めてスクリーンの前へ
最後のラストをどう捉えるか、また舞台となった当時の韓国の田舎の有り様を予備知識なく見るとどう思うかで評価が少し別れるかもしれない。ただ傑作である事に間違いなく最後のラストまでは間違いなく「パラサイト」を凌いだ出来。見る前には舞台となった年代をきっちり認識しておかないと、ラストの転調に付いて行けず戸惑う。どんなに抽象的に評してもラストが肝な処は変わらない。限りなく★5つだがラストの解釈に★0.5の含みをつけた。
パラサイトの監督だが、あんまりだった。
美女ばかりを狙い、連続狂気的殺人事件が起こり、捜査するもなかなか犯人の確証がないまま過ぎ去り、殺人が起こる雨の日にラジオにリクエストする男が怪しいものの、これまたDNAが一致せず未解決のまま。
【2019年になって服役中の男が犯人だと判明する】
典型的な刑事ものの韓国映画てかんじ。
とても良い映画
舞台は、80年代軍政下の韓国。暴力刑事を嘲笑うかのように次々と殺人事件が起き、犯人は決して捕まらない…。
映像はどこか暗く、この映画に出てくる人物もみんな鬱屈とした表情をしているのは、当時の人たちの心理を表しているよう…。
この映画のメッセージは、ラストシーンの台詞にあるのだろう。曰く、犯人は特別な誰かではなく、そこら辺にいる「普通の人」であったと…。つまり、それはあなたかも知れないし、私だったのかも知れない…。
刑事たちは、犯行の動機や連続性に意味を持たせようとするが、結局それが無駄だったのは、こじつけや一見理路整然とした証拠も、結局は、彼らの都合で出来上がったものだったからだ。
あの時代、なにが起こったとしても、それは"特別"でも不思議でもなく、その見えざるものに対する不安や恐れこそが、皆が抱えていた心情であり、いつ誰がそれを爆発させてもおかしくはなかったのかも知れない…。
ソン・ガンホ刑事
2003年公開。音楽岩代太郎。
130分。
1980年代後半に起こった韓国の連続殺人事件の捜査を追う。
DNA鑑定は、韓国ではまだ出来ず、アメリカまで証拠品を送って鑑定してもらうというエピソードがある。
捜査車両がエンストして、押してエンジンがけしたり、現場保存がなってなかったり、たいへんな時代。
取り調べで拷問が行われていたことは、当時からかなり問題になったらしい。
ある刑事が、被疑者から返り討ちを喰らい、結果的に脚を失ったり、被疑者が自殺したりと捜査は、難航を極める。連続殺人事件が起きていて、犯人は見つからず、犯人の証拠も上がらず、警察は殺伐としている。
その中に時折感じるユーモア。ソン・ガンホ刑事は、真面目ではあるが、人間が平凡すぎてこういうイカレた事件には不向きなのだ。
カンヌやアカデミー賞を受賞したパラサイトとは違う作風だが、名作だ。
デビッド・フィンチャーの「セブン」1995にも、どこか似ている気もするが、全体に間抜けというか、かなりのんびりしている。
ただ、その漠然とした景色の中に犯人がわからない恐怖はある。
犯人はお前か?
「パラサイト半地下の家族」でポン・ジュノ監督にハマり、事前知識はほぼ無い状態で鑑賞しました。ポン・ジュノ監督の出世作として度々名前を聞きますし、映画ファンとして知られるライムスター宇多丸さんもこの映画を「ほとんど完璧に近い映画」と大絶賛されていたので、期待値は非常に高かったです。
結論。ポン・ジュノ監督らしい醜くエグイ作品。観る人を選ぶが、ハマる人にはとことんハマる。正直私の好みとは外れる映画なので大絶賛とまではいきませんが、それでも一見の価値がある素晴らしい映画でした。
あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ソウル近郊の農村で、女性を狙った凄惨な連続殺人事件が発生した。地元の刑事であるパク刑事とソウル市警から派遣されてきたソ刑事が対立しながらも事件の真相を追い求める。
韓国で実際に起こった未解決事件である「華城(ファソン)連続殺人事件」を題材とした作品
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題材となった事件の真犯人は2019年に判明したらしいですが、この映画が公開された当時(2004年)にはまだ犯人が不明な状態であったため、この映画でも犯人は不明の状態でラストシーンを迎えます。
当時の社会情勢などのせいもあって思い通りの捜査ができずに犯人を取り逃し、パク刑事とソ刑事の二人が事件に振り回されどんどんと疲弊していくのが演技や演出から分かります。
映画冒頭では拷問のような取調べを行なって事件の犯人をでっちあげようとした粗雑なパク刑事と、冷静に事件を分析して捜査に当たっていたソ刑事が対比的に描かれます。しかし映画後半では一転、前半で冷静な性格だったはずのソ刑事が事件に振り回されてみるみる疲弊し、冒頭のパク刑事のように犯人のでっちあげを行おうとする描写がみられていきます。
このような登場人物の心境の変化が丁寧に描かれているため、観ている我々も犯人がなかなか尻尾を出さないことに対して歯がゆさを覚えます。
そして衝撃のラストシーン。一人目の犠牲者の発見現場で少女と会話した主演のソン・ガンホの顔のアップ。鳥肌が立つくらいに衝撃を受けたシーンです。ポン・ジュノ監督は「犯人がこの映画を観ると思って、ラストシーンでソン・ガンホと犯人が見つめあう構図にしたかった」と語っていましたが、これが本当に良かった。
犯人の顔を問われて「普通の人だった。」「どこにでもいる顔。」という少女の台詞も「犯人がどこにいてもおかしくない」という言葉に他ならず、非常に衝撃的でした。
【2020年9月追記】
どうやら、実際の事件の犯人も獄中の映画上映会でこの作品を鑑賞していたらしいですね。
ポン監督が犯人に仕掛けた「刑事役のソン・ガンホが犯人を見つめる構図」が思惑通りに機能しましたね。素晴らしい。
韓国映画らしいちゃらしいけど…。
正直に言って今一つの感想でした。連続殺人事件の中、重苦しい雰囲気に馬鹿馬鹿しいどこか茶番的な取り調べといった風刺的な場面を挟みクライマックスへ。ただ、今一つなのはテーマが弱い、前半は冤罪を風刺して取り上げ、後半はまだ捕まらない殺人犯への警告。私達の周りには捕まらずに多くの犯罪者がのざらしになっているという理不尽さを歌いあげているが最後の捻りはあるもの、見終わった後の虚無感や虚脱感も中途半端に感じた。こういったアンハッピーエンドの作品は多くあるがその中でもまあ、中の上位にしか思えない。韓国にしか解らない国全体が抱える闇を描いたのなら物足りなさを感じてしまいます。最新作のパラサイトはまだ観ていませんがあまり観たいとは思わない。多分、個人的に韓国映画は恋愛もの以外は合わないのだろう。なんとなく邦画の亜流的な出来にしか感じない。
事件は解決……。
上映当時は未解決事件として撮られたものですが、
2019年に犯人が特定されたようですね。解決と聞いても事件が事件だけに少しも安らぎませんが、、
う〜ん… なんでしょう… 警察の取調べ って、韓国も日本も大差無いのですかね…犯人を捕まえるより 事件を早く片付けたいだけ、何日も拘束して精神衰弱させて自白強要。とか、障がい者的立場の弱さにつけ込んだり。
昔だからと許される事ではないですし過去に日本の事件
でも思い当たる事例の多いこと…。
刑事達の焦りと振り回されて疲弊していくところなんて拘束された容疑者が精神をやられていくのと変わらないのだなぁと思ったり。
最初は笑えるシーンもあって農村のほのぼの感がありますが、段々とシリアスにヒリヒリしていき観ている側も疲れてくる一体感を感じました。
ラストのシーンは未だ捕まっていない犯人がこの作品を観る事を想定した犯人に向けた眼差しということだそうですね。
未解決事件として撮られていたものの、最後の容疑者の役者さんと実際の犯人の顔がとても近いのには驚きでした!
迷路に迷うように、徐々に夢中になっていくカンジ
連続殺人事件。それを追う地元刑事パク目線で話は進む、未解決事件。('19に真犯人逮捕。)
◉作中、たまに出てくる犯人。顔は一度も映らない、わかりそうでわからない。掴めそうで、掴めない事、パク刑事の落ちていく様が、この事件の迷宮入りを表していると思う。
◉しかし、この時代独特なのか、はちゃめちゃな暴力性。この時代に生まれなくて良かった。
◉空襲訓練が度々発令。(それを利用されて?犯行されたりする。)これは北からのミサイルに向けてなのかな?パラサイトでも言っていたが、金持ちはミサイル用の部屋があるらしい。当たり前だが、日本より北が身近な、当然な存在なのだろう。
ほんとうに無念なのは・・・
たしかに役者人の好演もあり、かなりリアルに描かれていて臨場感のあるポン・ジュノ監督の力量を感じる映画です。
しかしやはり凶悪犯には捕まってほしいし、警察には捕まえてほしい。バッドエンドが嫌いな人にはあまりオススメできない映画かもしれません。
捕まえられなかった刑事の無念さが映画では描かれていますが、それより被害者の遺族の無念さを思うと切なすぎる。
それに時代背景はよくわかりませんが、拷問による自白強要はけして許されないことだと思います。
韓国で実際にあった連続殺人事件
後で知ってことですが、ずいぶんと評価の高い韓国映画で、恥ずかしながら、
何の予備知識もなく、観賞しました。
また、これが実話に基づいた事件(華城{ファソン}連続殺人事件)であったことも知りませんでした。(つい最近になって、この事件の犯人が判明し、別事件で服役中らしいです)
2時間超えの映画で、どこにでもありそうな、稲穂が揺れる田舎で起こった殺人事件なのですが、アクションシーンがあるわけでもなく、刑事が晴れて犯人を検挙してラストにつながるという{かっこいい}ストーリーでもないのに、何故か、ぐいぐいと引っ張られてしまい、時間の長さを感じませんでした。何故なんだろう。生々しいリアルさがありました。
1986年といえば、日本で言えば昭和の後期ですが、感覚的にはもっともっと古い時代に思えてしまった。科学的根拠から捜査を進めたりはしない、直感型の田舎の刑事。DNA鑑定をアメリカに依頼しないと結果を知ることができない時代。陰うつな雨が降り、捜査している間にもまた、女性が殺されていく・・・気持ちの悪い感覚に飲み込まれながら、次は次はと付き合わされてしまいます。
ラストの少女の発言は思わず、背筋がゾっと寒くなりました。
刑事を止めて普通の仕事についた、あの刑事(ソン・ガンホ)、時効になってしまっただろう殺人事件だけど、再び刑事として立ち上がろうと思ってしまったのか・・・?
当時の韓国の住居(現在はどうか知らないけれど)、誰にでも開けられそうなガラス戸だったりで、普通に夜這い(死語か?)できそうな田舎の風景でした。
イケメンじゃないのに、何故か味のある存在感の大きい役者ソン・ガンホ、他の映画も観たくなりました。
犯人は誰なの!!
連続殺人事件、それも女性を見るも無残に殺されて
女性としてはこれほど心臓がバクバクして身が引き裂かれそうな
思いのシーンが幾度となく現れ観るに堪えなかった
その犯人を捜すべく刑事たちが奔走するのだが、拷問、自白の強要と
やることがまた恐ろしい
犯人を追うことによって、刑事の心理が追い詰められていく姿が
私も刑事と同調して身体も心もクタクタになった
またラスト穏やかな田園風景の中にまたまた恐怖のスパイスを
入れてくる監督には降参です!
とびきりの美味しいサスペンス料理でした
45点
昔の韓国の田舎はこうやったんかぁと
近代歴史を学んだだけで
最後あいつのDNA結果分かっちゃったし
コメディっぽいけどミステリーっぽいし
なんか見てられなかった
見たけどw
クチャクチャ咀嚼音はやっぱ無理やw
凄いんだけどさ。
ちょっと観る心持ち間違えた
犯人探しで見てた
まあ間違えじゃないけど
結局だれ犯人よ?ってなっちゃった
(ソ刑事とか疑ったりして)
そうじゃないんだね、この映画は
これがリアルなんだよね…
怖さの演出は素晴らしかった
韓国映画の良さが出てる
圧倒的骨太
アジョンやオールドボーイに通じる圧倒的なパワーを感じる。
実際にあった事件を題材にしたフィクションということなので取調べの描写は多少はオーバーなのかもと思うが、軍事政権下の時代背景を考えるとあながちホントなのかもしれない。
主に3人の刑事を中心に物語は進行。日本では考えられない捜査と現場にズカズカ入り込むメディアに嫌悪感を覚えながらラストは結末のない結末。
しかし、ラストの刑事のアップは観る者に様々な感情を抱かせる素晴らしい表情だったと思う。
どうしても邦画と比べてしまうが、全編を通した色合いと言いラストのアップシーンとか邦画には無い味があり魅入られてしまう。
タイトルの意味はラストシーン
容疑者が現れては犯人ではなく、被害者もいながら顔は見ていなくて、目撃者もいながら死んでしまう。
そして、結局犯人を捕まえられないまま、数年後に現場に戻った犯人を見た少女が、普通の顔だったと言うラストが印象的。
同時に、未解決事件の犯人が一般人と同じように暮らしている腹立たしさと怖さを感じる。
どこまで本当かは分からないが、容疑者を犯人と決めつけるかのような刑事の乱暴な取り調べは頂けない。
「殺人の追憶」は未来を苛む
本作の邦題が、「追憶」であって「記憶」ではない点を考えてみる。そうすると本作の核はラストシーンにあると思い至る。あのラストシーンから本当の物語が始まるのだ。
実際に起きた事件を元にしている猟奇的な殺人事件の、犯人の異常性とか、警察の暴力とか、ずさんな田舎警察の現場検証とか、それらは全て長い前置きに過ぎない。ある事件が起きるとそれに関係する人々や、報道如何によってはそれを見聞きした何の関係も無い人々の「記憶」に残る。よほど大きな事件でないかぎり、無関係者の「記憶」はあっという間に消える。しかし関係者には「追憶」となって心に残ってしまう。
この事件で「追憶」を持つ者は大きく分けて3人。まずは唯一生存している被害者女性。当然のことながらその恐怖は生々しく肉体に残り、彼女の「追憶」は「消したくても消せない記憶」であり、その「追憶」に一生怯え続けなければならない。次は本作ではついに姿を見せない真犯人。彼の「追憶」は正に「懐かしく偲ぶ記憶」だ。女性を暴行し殺害する時の快感や、愚かな警察をあざ笑う優越感など、事件から17年たって事件現場に足を運ぶほど、彼には楽しい記憶となっているはずだ。最後は犯人を検挙できなかった担当刑事。ガンホ演じる地元のパク刑事と、サンギョン演じるソウル市警から派遣されたソ刑事。アプローチの全く違う2人は何かにつけ反発しあうが、犯人を憎む気持ちは同じだろう。もしかすると真面目なソ刑事の感情の方がパク刑事より少し熱いかもしれない、そして犯人を逮捕できなかったという「後悔という追憶」も。
しかし、前述の通り本作の核がラストシーンにあるのなら、事件後辞職し、17年後には2人の子供を持つセールスマンとなっているパク刑事の「追憶」が本作のテーマだ。事件後、平穏な毎日を送っている彼にとってこの事件の「追憶」は心の片隅に追いやられている。しかしふとしたはずみで思い出す「追憶」に日々苛まれている。だから事件現場を通りがかると、つい車を降りて死体のあった排水溝を覗き込んでしまう。それは犯人の「追憶」と表裏一対となるものだ。
だが、彼が背負う「追憶」は、単なる過去の事件に対する苦々しい記憶ではない。現場に戻ってきた犯人と思われる男を目撃した少女の存在が、「過去(追憶)」を「現在」に変えてしまったのだ。少女ははっきり男を見たと言っている。今は刑事ではないパクは今後どのような行動をとればいいだろうか(もしかしたら時効を過ぎているのかもしれない)?もう刑事ではないが市民の義務として、或いは自分の中にある「殺人の追憶」を消すために、犯人を追いつめるべきか?それとも自分にはもう関係のないことと、「殺人の追憶」を「追憶」のまま胸にしまったままにするか・・・。
いずれにせよ、元刑事の胸に刻まれた「殺人の追憶」が、彼の今後の人生を左右することに間違いはない。鬼才ジュノ監督が描きたかったのは事件そのものの異常性ではなく、1つの事件に関わった者の悲劇は事件が終わっても一生続く、ということなのだ。
犯人は?
ずっと見たくて探しててやっとみれました!
ほんとにあった殺人事件を元にしてることもあってリアルでこわい。
原作では犯人がわかるんですけど映画はわからないってとこもよかった。
原作とはまた違ったよさがありました。
最後の表情
最後の場面は、はっとした。
事件から数年後、刑事をやめた主人公がふと一番はじめの事件現場に立ち寄る。
そこで少女が現れ、以前にも主人公と同じように事件現場を見ていた人がいた、と。
どんな人かと尋ねるが、少女はふつうのどこにでもいる人と答えるだけ。
それを聞いた主人公は悔しいような、驚いたような、何とも言えない絶妙な表情を見せる。
全体的に暴力がひどい。
人間の感情がむき出しで描かれていて、怖さを感じた。
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