殺人の追憶のレビュー・感想・評価
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この映画の功績は、映画史上最高のものであることを説明します
まず、事実に基づくのだけど、映画ではDNA鑑定してるけど、実際はこの段階でしてなくて、映画が科学的な手法を誘発してDNAによって犯人が見つかった。
それと、警察は拷問で何十人も殺して、えん罪で何十人も投獄して、犯人は野放しで殺し放題だが、この事件を含めて、韓国警察のやり方を劇的に変える風潮をもたらしたのがこの映画だということ。
よく、これだけの政府側の闇を事実を映画にして、監督は殺されなかったと、そう感じている欧米の映画人も多いと聞きます。
また、映画の手法として、二人の刑事を英雄風に仕立てることで、あるいは、ナイキの靴をナイスの靴で代用するようなお笑いを含めながら、本当の事実である拷問とか、無茶苦茶な捜査手法を、世界に知らしめることに成功したこと、普通に描くと公開できないからね。
顔について表現が多いけど、いかに主観的か、ということを言いたいわけ。
最後の、普通の顔、というのは、子供やたいていの人にとっては、顔は何らかの決定的な判断材料にならないという象徴的な示し方だよね、愕然とした。
印象に残ったのは、あの冷静な刑事が、DNAで無罪と分かってるのに殺そうとしたこと、韓国警察って、そうなんだよね、恐ろしいね。
今日も誰かがヒッソリと
映画学校の教材に充当
80年代の韓国。よく知らないが、激動期であったと思う。不人情で、旧弊で、権柄づくで、澱んでいる。ペパーミントキャンディの空気感。陰気な時代の陰惨な事件。暗い。暗いけれど惹かれる。ぐいぐいからめ取られる。恐怖映画と言っていい。迫真だった。
ソは未開地にさした光明のような人物だが、構造として良心を牽引するのはパクだと思う。
──人はいいが単純。恫喝で物事を丸め込む。横着をルーティンとする韓国映画によくでてくる武闘派の私服である。そのキャラクターを呑むと、観る者はそこから動けない。だから、たいていの映画が動かない。ところが市警から派遣されたインテリ、ソの執念に感化され──おれたちはたしかに無為なことをしていた、と改心する。映画のキャラクターが動かないことを知っているとき、パクの改心はほとんどパラダイムシフトである。パクが素直になることで、映画に良心と理知がそなわる。──からだ。
今日多くの邦画にここを目指した痕跡を見つける。が、気配を模倣しただけでは殺人の追憶にはならない。
側溝を覗く。通りすがりの子供の述懐。そのときソンガンホの顔。時を経てよみがえった諸々。それらが怒濤のようにこっちへ飛んでくる。
ずっと韓国映画は鯨とりだけだった。比較する必要はないが、そもそも比較する対象がなかった。90年の終わり頃から数年でコンテンツを底上げした。いつのまにか邦画は後塵を拝した。比較は無用なのは知っているが、ぜんぜん負けたと思った映画だった。
ほぼ教科書だと思う。
ポン・ジュノ監督の映画監督としての力量と、一貫した批判性を十分に理解することができる作品。
本作は1986年に韓国の農村地帯で発生した、実際の連続殺人事件を基にしています。事件の途中経過を切り出して物語化しているため、観客の視点は警察側にほぼ固定されています。そのため、ソン・ガンホ演じる刑事と同様、観客も犯人に翻弄される焦燥感を味わうことになります。この、どこに出口があるのか分からない緊張感を、トンネルの内部や夜道を映し出した映像が視覚的に強化しています。
事件がどのような経過を辿ったのかは諸々の解説が示すとおりです。犯人の狡猾さが警察を翻弄したのは確かですが、本作では警察の捜査方法に大きな問題があったのではないか、という疑問を投げかけています。当時の韓国は軍事政権下としては比較的治安が良かったようですが、事件発生の三年前には大韓航空機撃墜事件が発生するなど、軍事的緊張が続いていました。そのため警察力を国防関係に転用するなどの人員不足が生じており、それが現場の捜査不徹底に繋がったようです。さらに軍事政権の影響からか、当時の警察は自白重視、拷問黙認の捜査手法がまかり通っており、むしろ事件の究明を遠ざける場合もあったようです。
こうした韓国の暗部を描き出す姿勢はもちろん『パラサイト』に至るまで一貫しており、ポン・ジュノ監督の作家としての揺るぎなさを思い知る一作でした。
文句なしに韓国映画史上のベストの一本だろう
実話 華城連続殺人事件
うーん。。。
多分観る人からみたら最高の映画なのかな?
全体評価が高かったから期待して、お金を払ってまで借りてみたけど、途中寝ちゃったしw
個人的に見終わった後に考えさせられる映画はきっと自分の好きな映画じゃないんだと思う。
だから低評価。
冒頭から、ちゃんと未解決事件って言ってるから、きっと犯人は誰かわからず終わるのかなと
思ってたけど、見終わった後はあんまりスッキリしなかった。
ただ、人間の葛藤とか不安、苛立ちそうゆうネガティブな部分はよくちゃんと描写されてて
よかったと思う。
人って、環境であーも180度変わってしまうのかなって。
あーでもやっぱりあそこまで犯人の手とか暗闇での顔見せてたからやっぱり犯人はこいつだ!
で終わって欲しかったなー。
私も一応〝普通の顔〟だと、あの少女は言ってくれるかな?
軍事政権下、ということは歴史的な一般論からすると、まぁ、人権はお上次第。ということは地方の官憲の倫理観に清廉潔白を求めるのは、そもそもお門違いなんだろうな、という前提を飲み込みながら見てるうちに、この世界観にいつの間にか慣らされてくる。
アカデミー賞という結果を知っているので、後付けの理屈じゃないの?
と言われれば否定はしません。
世界に認められるモノには、村上春樹さんの小説と同じように、作品の中で感じるある種の共鳴する部分が(自分の母国とは歴史も文化も伝統も違うのに)何だか自分にも分かる、と思わされる要素があります。
この映画の世界に、もし自分がいたとしたら、誰の役割で、どのように振る舞っていただろう、そう思うことがそれほど不自然ではない、そんな不思議な引き込まれ方を経験できるということは、たぶん世界に通じる普遍性の現れなのだと思います。
〝普通の顔〟……この言葉にゾクッとした人はみんな虜になってしまいます。
深い感銘
日常に潜む「普通の人」
面白い!
凄い!
何回も、観てます❗
ポンジュノ祭
面白かった!
なぜポンジュノはこんなにも重い実際の事件をクライムムービーの名作として見事に成立させることが出来たのか。その構成力に舌を巻いた。
筋書き、刑事達のキャラ、犯人像だけを味わう映画ではない。監督は、自分が生きている同時代のあの頃の韓国の田舎村を描きながら、それがいつしか遠い過去になることを察知しながら映像を綴っている。
何が事件を迷宮入りさせたのか。地方の旧態依然とした警察署のずさんさは、韓国社会そのものの混乱、暗黒の時代の反映だ。未解決事件を通して私たちもあの頃を「追憶」しているのだと感じた。
それでいて、ギャグ漫画みたいな飛び蹴りとか、面白い刑事たちの掛け合いに笑ってるうちに、警察の非道な行為に観客自身もいつしか共犯者になっていく。
そうして全てをラストのソンガンホの無言の表情に集約させた。
映画の世界から現実の世界へと目線が移る。
事件は終わっちゃいねえ。現在進行形だ。平凡な顔のテメーはまんまと社会に紛れて映画館でこれを観てんだろ。今、どこにいる!!
今まで信じていた物を信じられなくなる過程
徒労感と倦怠感
やっとスクリーンで見れました
垢のように染み付いた心の汚れ
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