殺人の追憶のレビュー・感想・評価
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凶悪事件をこの監督独特のタッチで描く
凶悪事件がテーマの割に、コメディタッチの展開なので、やや違和感を感じた。結局犯人は捕まらないという事は、冒頭に未解決事件との説明でわかっていたことではあるが、やはりちょっと消化不良気味だった。ただ、最後の少女との会話で、犯人がまだ生きていて、数日前にここに来ていたと分かる点に、犯人逮捕の手掛かりになりそうな予感に救われた。
タイトルなし(ネタバレ)
あ、こ、こういう作品なんだ。知らなかった。てっきり犯人逮捕まで描かれるものだと思っていた。
ラストで女の子が犯人と思われる人物の顔を見ており、「普通の人」と言う。事件を解決するストーリーではないんだと思ったが、「え、もしかして冒頭の強かん犯!?」と勝手に思ってしまった(未解決事件だったことをそもそも知らなかったので…)。
そして割と最近になって収監されている人が自白したとの記事を見て、方向的にはというか、この映画が伏線みたいになって現実とリンクしてしまい唖然とした。現実の犯人(と思われる人)は義妹への強かん殺人等で収監されているし。
勝手になんとなく繋がっただけなんだけど、うまく言えないけど、ポン・ジュノ監督すごくないですか…
安定した映像美が魅力的
あくまでノーブルなパク・ヘイルとソン・ガンホの充血した目。
個人的には。
告発系なのね。
見たいみたいと思いつつはや数年だった本作ですが、特集上映がかかったので観てきました。2021年の初映画館です。
ポンジュノ監督作で名作らしいとの事前情報しかなく見たので、若干面食らいました。
あの暴力的で偏見に満ちた捜査なによ、吐き気する…
女が完全に性的客体、吐き気する…
10000%ホモソーシャル社会、吐き気する…
と思って見ていました。
例の如く人の名前と顔が一致しないし(わたしの問題やけど)、カラーなのにくすんだ色彩が、老の眼が近づいている今年40さいにはなかなか目になじまずだったのですが。
捜査官、捜査環境への告発として機能していると思えた頃からはまりました。
そして、ちょいちょい入ってくる笑いも好きでした。
犯人が誰か映画内ではわからないまま終わる予感が漂った頃から(DNA不一致の発覚)描きたいものが見えてきた感があり、より興奮しました。
思い込みというか、見たいようにストーリーを勝手に作ってしまうのよね、のめり込めばのめり込むほど。客観的事実と主観的憶測を混ぜないことが、すごく難しいってこと、を描いてるのかなぁと解釈しました。
あと、2003年の子供のセリフね、普通の顔だったってやつ。
ゾッとしましたよ…真実味が感じられて。
さらに、わたくし、アメリカのドラマ・クリミナルマインドが大好きでね、BAUの人がやりそうな捜査を妄想しながら見ました。
うーん…
自分は結末が、つまりは犯人がしっかり分かって終わりたかった。普通の顔、つまりどこにでもいる人間が、あんな酷い殺人事件を起こしておきながら、生活しているってことを監督は言いたかったのか。それとも、伏線を回収できず、自分が気付けなかっただけなのか。ソン・ガンホら田舎の警察は尚更、ソウルから来た刑事も含めて操作方法が杜撰だし、容疑者と思わしき人達への取り調べは酷い。一番怪しんだ容疑者に対しても、ラジオにリクエストしていたというだけで怪しみ、自分の会話した女子が殺されたからと言って、更なる証拠無しに感情的に追い詰めるのが少し共感できなかった。ソン・ガンホは何を演じても上手い。他の方のレビューを参考にこの映画を解読したいと思う。
いいね
実際にあった事件をモデルにして作られた映画。当時の韓国警察に非難の声が当てられていて、よそから見ていてとても興味深かった。
歌、雨などのミスリード、占い師に頼るという暴挙、犯人を止められず(現実では模倣犯すら出たらしい)当時の捜査の混迷具合がよく伝わってきた。
当時韓国ではDNA鑑定できなかったというのも初めて知った。
真犯人を捕まえられず、しっぽを掴んだと思ったらどれもこれも違う。
都会から来たやり手の若手刑事と地元の壮年刑事のコンビを通して描かれるサスペンスでとても渋い。
救えなかった命を過度にドラマチックに描かず、淡々と場面を進めていく展開は少し単調だけど面白い。犯人を唯一はっきりと見た目撃者の死に方は、ええ…となったけど。
生き残った被害者、遭遇したかもしれないトイレの向こうの影を見た人物、どれも最後まで犯人の影は捉えられるものの逮捕には至らなかった。
最後の遺体の捨てられた溝を覗き込む、引退した主人公が犯人の顔を聞いたときの「どこにでもいる普通の顔」っていう答えが無情でいい。
今もどこかで連続殺人の犯人が生きているという痛烈なメッセージがとても印象的だった。
良いサスペンス映画だった。
超濃密な映画体験
【1980年代の韓国の片田舎で起きた連続殺人事件解決に取り組む”杜撰な”刑事達の捜査を描く苦いテイストの作品。】
ー1986年10月 韓国の片田舎、テリョン村で、連続女性殺人事件が起こる。被害者の女性”ヒョンスク”は田圃の脇の”側溝”で発見される・・。-
・地元警察の”パク刑事”(ソン・ガンホ)は恋人ソリュンからの情報で、知的障がい者の焼き肉屋の息子グァンホを犯人と決めつけ、手荒い取り調べをしていく。
・だが、ソウルから来た”ソ刑事”は、その方法に疑問を持ち、真犯人は別にいると考えて・・。
◆序盤は、コミカル要素も含ませながら、当時の韓国の田舎の粗い捜査方法を描く。
だが、雨の降る夜、新たな犠牲者が出てしまい・・。
雨の夜になると、”憂鬱な手紙”のリクエストがラジオ局に”テリョン村の寂しき男”から届く。そして、そのたびに起こる女性殺人事件。
韓国報道機関からは、杜撰で、拷問による”パク刑事”や、直ぐに被疑者に対して飛び蹴りをしてしまう”ヨング刑事”達への捜査方法への批判が高まる。
◆そんな中、”パク・ヒョングン”という村の中にある工場の事務員 ー穏やかな表情。柔らかい手を持つ ー への疑惑が急速に持ち上がり・・。”ソ刑事”は彼こそが、真犯人であると思い、追及していくが・・。
・DNA鑑定が自国内で出来ず、米国に依頼せざるを得ない状況や、”パク刑事”達の操作方法を批判していた”ソ刑事”も、”パク・ヒョングン”が真犯人に違いない・・、と”決めつけ”拳銃の銃口を付きつけ、そして発砲しながら、追い込んで行く姿・・。
◆時は流れ、2003年。
パクは刑事を辞め、サラリーマンとして生活をしている。ソリュンとの間に子供が二人いる、安定した生活をしている。
が、ある日、”あの”側溝”の脇を通りかかり、車を止め、中を覗き込む。そこに通りかかった女の子からの”この間も、男の人が同じ事をしていたよ・・”と言う言葉。
”どんな顔だった!”と聞くパクに対する答えは ”普通の顔をしていたよ・・”
- 絶句する、パクの表情・・。-
<多くの被害者のみならず、韓国の田舎の刑事達の人生を変えた、連続殺人事件の犯人は、杜撰な捜査の結果見つからず、
”20数年後も”普通”に韓国のどこかで暮らしている・・”
と言うラストが、この映画にモチーフになった事件の当時の捜査陣たち及び韓国社会への強烈な皮肉と批判を現した作品。
現代日本でも、過去の杜撰な捜査による犯人にさせられた人々が次々に無罪判決を勝ち取っている事実からも、決して隣国だけではない問題である、という認識を新たにした作品でもある。>
韓国映画の怖しさ
DVDで見た。
農村でおこる連続殺人、実際の事件を元にできたというストーリーだ。実際の事件は知らない。
でも、この映画でまず驚くのは韓国の警察のとんでもない捜査方法だ。昔の日本もあったのだろうな。とにかく強引に自白させる、そして証拠も捏造して手柄をたてて出世しようとするのだ。ひどいんだよねー(笑)
エリート刑事がやってきて段々に気持ちが通じ始める。
雨の日にある曲のリクエストがあると事件がおきる、
そのリクエストを出した人を見つけ出す。
目撃者を探りあてたのに電車に轢かれて死んでしまう、そうして操作は迷宮に入っていく。
その後、刑事を辞めて事業を始めた男が事件現場に久しぶりに訪れた。そこで衝撃のことを何気ない会話で知るのだ。犯人はまだこの村で生きてるんだ。ここで映画が終わる。あ、終わってしまうのかぁ。怖いなぁ、またおこるかもしれないんだね。
事件の残酷さと警察への憤り
今まで気になりながらも見逃して来た映画、やっと観れた😅実際の未解決事件で、残忍な手口に犯人への怒りは勿論、警察のずさんな捜査や容疑者に対する取り調べの酷さに驚き。フィクションとして大袈裟に表現したのかとも思ったが、、、。
観終わった後にこの事件のことを検索してみた。犯人は特定されていた。この連続殺人で10人を殺害した後結婚し、1994年に義理の妹に対する殺人で無期懲役で服役中との事。服役中に自白し、過去14人を殺している。検察関係者、警察官も9人が違法捜査で検察に引き渡された。映画の中で捜査のいい加減さや取り調べ中の強引さも事実に近いということか。酷い。死体発見現場でも野次馬から被害者を隠していないのも事実なんだろうか?だとしたら、被害者がとても気の毒だ。亡くなっているとはいえそんな扱い方は酷い。
映画のラスト、女の子の話を聞いた主人公がカメラ目線なのは、監督が犯人がこの映画を観ているとしたら、、、との意図があったらしいけど、公開された頃犯人は刑務所の中だった。
重い映画だけど、高評価なのは納得の良作❗️
ポン・ジュノとは知らずに、、、
韓国映画にハマる切っ掛けになった作品
じとっとした映像、追い詰められるもどかしさ
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