「【戦争に翻弄される美しき女性を陰ながら思う少年の姿。モニカ・ベルッチの笑顔無きモンロー・ウォークが印象的な作品。ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、少年の淡い初恋と成長を描いた作品でもある。】」マレーナ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【戦争に翻弄される美しき女性を陰ながら思う少年の姿。モニカ・ベルッチの笑顔無きモンロー・ウォークが印象的な作品。ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、少年の淡い初恋と成長を描いた作品でもある。】
ー 第二次世界大戦初頭のイタリア・シチリアの小さな村。
美しい女性・マレーナは、その美貌ゆえに男の関心と女の妬みを一身に受けていた・・。
そんなある日、彼女の元に夫ニノが東アフリカで戦死したという連絡が入り・・。-
◆感想
・序盤は、モニカ・ベルッチ演じるマレーナの笑顔無きモンロー・ウォークが物凄く素敵である。
そして、コミカル要素も盛り込みながら物語は続く。
- 雛にも稀な超絶美女が歩いていたら、レナート少年でなくっても夢中になるだろう。
劇中でも、男と言う男は、皆彼女を見ている・・。
レナート少年は夜にコッソリとマレーナの家を覗き見している・・。こらこら・・。
だが、町の大人たちは、彼女のあらぬ噂をしている・・。
レナート少年は、教会で”マレーナを町の人達から守って!”と祈るのである。-
・中盤、マレーナの夫が戦死した連絡が入る。彼女は、中尉や歯医者と姦通したとして、裁判に掛けられるが、彼女の毅然とした態度は揺るがない。
- 彼女の弁護をした禿げた男の、裁判後のマレーナに対する愚かしき行為。-
・後半、ムッソリーニ率いるイタリアは敗色濃厚。父は空爆により死亡。
マレーナは美しきロングヘアを自ら切り、ショートヘアの赤毛で煽情的な服を着て街中を闊歩する。そして、ドイツ軍駐留の建物に入る・・。それを忌々し気に見ている町の人々・・。
だが、連合軍に降伏したイタリア。マレーナは広場で女性達から酷いリンチを受ける。
- 哀し気な眼で遠くから見ているレナート少年の表情が切ない。彼は何も出来ないが、教会で怒りをぶつける・・。-
・彼女は顔を隠すように町を離れる。そこに死んだ筈の夫ニノが片腕を失いながらも戻って来る。
彼は、妻を探すが・・。町の人達は冷たい。
- レナート少年だけが、密かに彼に手紙を届ける。そこには真実が記されていた・・。-
<レナート少年が、一途に美しきマレーナを想う気持ちが切ない。戦争により人生を翻弄されたマレーナをモニカ・ベルッチが、正に体当たりで好演している。
ラスト、町に夫と戻ってきたマレーナ。市に来た町の女性達が、一点してマレーネに優しくする姿と、レナート少年がマレーナが落としたオレンジを拾って上げるシーン。
そして、彼女の後姿を見ながら彼が言った言葉。
”お幸せに、マレーナさん・・。”
ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、戦争に翻弄される美しき女性と、彼女を只管に思う少年の初恋と成長を描いた作品。>
読書量でいえば、俺は社会人になってから年数冊になりましたw
だから、このサイトでも「原作未読」という言葉はよく使われますが、俺なんてほぼ原作なんて読まないし・・・
てなことで、このマレーナ。
映画館で観たわけじゃないのに、すっごい迫力ありまして。特に戦闘機が上空を飛ぶところ。記憶に残る映画になりました。