「同性愛者を理解していく過程」メゾン・ド・ヒミコ 佐ぶさんの映画レビュー(感想・評価)
同性愛者を理解していく過程
同性愛者への差別って、同性に襲われる恐怖や相方を同性に奪われたら嫌だろうなという想像が主な原因で故に存在を認めたくないという感情が湧く。実際には好みが有って同性なら誰にでも手を出すわけじゃないし、同性愛者=略奪愛を志向している訳でもないので、ほぼ思い込みによる差別と言える。ほぼって書いたのは、実際問題同性愛者は少数しかいないので、ノンケへの開拓精神は旺盛であるのは事実だから。
同性愛者への差別の多くは家族から始まる。身内に同性愛者がいるなんて恥ずかしい。友人に同僚にからかわれるから嫌。友人や同僚に同性愛者は特別なことじゃない差別するな、と言えない。だって自分でも認めてないから。
本作でもサオリは、父に対し同性愛者に成り下がってと表現した。まさに同性愛者は↓にある存在と思っている。そんな事を言われても父は動じない、もう長年言われ続けて慣れている貫禄。そこから次第にサオリが変化して、同性愛者を理解していく様が嬉しい。ああ、父は娘の理解を得てから旅立てた。
でも、並行して描かれたオダギリと柴崎コウの関係はもうちょっと濃くても良かったかなと思う。物足りなかった。
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