「期待しすぎたのだろうか、頭の中に残ったのは「ピキピキピッキー」だけだった。」メゾン・ド・ヒミコ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
期待しすぎたのだろうか、頭の中に残ったのは「ピキピキピッキー」だけだった。
これが「ポキポキポッキー」だったらお菓子のCMになっちゃうし、「コトコトコットン」だとファミレドシドレミファになってしまいます。そんなこんなでルビィ(歌澤寅右衛門)に最も親近感を抱いていたのに、途中から山崎さん(青山吉良)への想いへと変わり、最終的には中学生の少年に熱いエールを送ってしまう自分がいました。ヒミコ(田中泯)や春彦(オダギリジョー)の演技がとてもよかったのに、彼らに感情移入できず、ちょっと冷めた目で観てしまいました。
ゲイの映画はかなり観ているような気もするのですが、海外の作品に比べると、ひたむきな愛が足りないように思えたのです。特に春彦は死期が迫ってるヒミコへの愛情を残しつつ、若き欲望のためか次の愛人を探す。ヒミコにしてもパトロンと春彦を巧みに利用する。純愛よりも性愛がベースとなっており、日本のオカマバーやニューハーフショーに代表されるファッションとしてのホモセクシャルが強く印象に残りました。
それにしても野菜がいっぱい出てきました。スイカやトマトを投げるシーン、ナスとキュウリの性的イメージのあるところ。大学のゲイサークルの名前が“ナッツ”だったのも面白い。
【2005年10月映画館にて】
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