ロスト・イン・トランスレーションのレビュー・感想・評価
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期待してた割には・・・・・
恋人には救われない(また恋人が作り出す)孤独は存在する。将来の不安や絶望は恋人には話せない。
なのに、ひととき一緒にそのものを共有できた人に救われることがある。そういう人には話せる。
深い仲ほどいいわけじゃない。
けれど、「ヴァージン・スーサイズ」で期待し過ぎていたのかあっけなかった、というのが正直な感想だ。
しかし、夜の新宿や東京の景色は日本独特のチープさをよく映し出されていて、良かった。
最近、夜の新宿や歌舞伎町に行くことがあるのだが、あれも立派な文化なのだと思う。
「いい映画風」なだけ・・・
ホテル・ぱんつ
ソフィア・コッポラ監督といえばまずこれ、という一本。
アカデミー脚本賞も取ってるし。
監督はおそらく私小説に近い感覚で自分の体験を映画にしたのだろう。外国に行った時に感じる疎外感や異邦人感。東京に来る外国人なら皆感じる部分を率直に描いたのが評価されたのではないかな。
しかし“東京は変な所だ”っていうのを滞在者の視線のみで語られる映画なわけでその辺は複雑な心理も。
そんなのは置いといてビル・マーレイの疲れてくたびれた感じやスカーレット・ヨハンソンのパンツ姿のリアルさ、なんとも言えないエロさを楽しめばいいのかもしれない。
二人の心の邂逅はさほど共感しなかったけど、楽曲選びのセンスの良さには脱帽。その点だけでも映画史に残るといってもいいぐらいです。
ファザコン映画の傑作
別にS.コッポラのお父さんが有名監督だからとか、そういう理由ではなく、本作、ストーリー的にファザコン映画だと思う。
本作の主役マーレイとスカヨハは、年齢的にも、関係性からいっても(性的な相手はそれぞれ他にいる)、疑似父娘のように見える。
各々の伴侶は仕事や家事に追われ、マーレイやスカヨハの孤独に気づいてくれない。
真に孤独を分かり合えるのは、夫婦ではなく、(疑似)父娘の関係性においてのみ。
この臆面のないファザコンっぷり、面白いなあと思う。
(S.コッポラの『SOMEWHERE』でも、父の孤独を理解できるのは元妻や愛人ではなく実の娘だ。)
—
同時代の監督さんたち、PTAやW.アンダーソンも、別の角度から、ある種のファザコン映画を撮り続けていると思うのだけど、S.コッポラのストレートさも、興味深いなあと思う。
スカーレット・ヨハンソンの控えめな存在感
外国人から見たTokyoという街の描き方は興味深かったし、ボブとシャーロットが、海外に行けば多くの人が感じるであろう「自分は“外国人”なんだ」という認識を抱いたことを予想させるように、不安とか孤独とか「意気投合」して感じる安心感とかは伝わってきた。けれど、それらから何を観客に伝えたかったのか私にはわからなかった。
主人公たちとは馴染まない、日本また東京という環境だから余計にふたりの気持ちが通じ合うのが照らし出される。でもそれって当たり前といえば当たり前のことのような。。。
ソフィアコッポラを見直す
これ僕は傑作だと思っています。
ソフィアコッポラって親父の七光りじゃん!だなんて思っていましたが、先日somewhereを鑑賞し、そしてこれを見てはっきりしました。
ソフィアコッポラの作る映画は素晴らしい!
起伏があまりなく、人によっては睡眠効果が抜群でつまらん!となるかもしれません。
しかし僕は
日常を切り取ったかのようなプロット
おしゃれな映像
センスよくて心地よいサウンド
見ていて気持ちいいー!!
個人的に最後のセリフは、いつかは分からないが、一年ぐらいを置いた(とにかくある程度の期間が大事)東京での再会を約束したのではと思っています。
だってあの一言で二人とも、若干救われたような笑顔は見せないでしょー!
実はこれ見るの2回目です。
一回目は10代半ばのころで、つまんねー!という感想を抱きました。。。
しかし歳を経るとみかたも変わったようです。
おそらく自分は、現実にあり得そうな、そんな映画が好きなんだと思います。
演出も控えめで、カメラが優しく日常を見守るようなね!
違うかもだけど、自分はそれをジャドアパトー関連に感じてます。(コメディーじゃんwww)
「無計画の〜」
「40歳からの〜」だったりね!
とにかくこれからはコッポラさんの作品はチェックするようにします。
ソフィア・コッポラを位置づけた佳作
相互理解の難しさ
冒頭から画面の隅々まで多い尽くす"東京"という奇妙な街の放つ疎外感。
まるで街そのものが生き物で全てを拒絶するかのよう。
孤独や疎外感をテーマにしたこの作品は東京でなければ撮れないそんな思いさえ持たせる。
相互理解の難しさ、メキシコの名監督イニャリトゥにも通ずるこの現代社会にとって不偏のテーマをソフィアは鮮やかに描ききる。 徹底的に人の温かさを廃した演出は冷酷だからこそたった1人の人間と繋がり合うことをより美しく温かいものにする。
同じ空気
トータルの空気感で観る映画
「ロスト・イン・トランスレーション」
直訳すると“翻訳漏れ”でしょうか?
言葉の通じない日本の地を訪れたアメリカ人たちが感じる孤独感や疎外感を描きつつ
正しい相互理解の難しさを繊細なタッチで描いた作品です。
お決まりの海外から見た間違った日本の描写が満載と噂で聞いてましたが
観終わった感想としては思ったより全然ちゃんとしてました。
題名は分かりませんが、だいぶ昔にTVで観たショーン・コネリー主演のハリウッド映画で
とにかく日本の描写がとんでもないのがあって、子供心に腹が立ったのをよく覚えていますが、
あの当時と比べれば日本のイメージも少しは正しく伝わってきてますね。
まぁ相変わらずな部分もまだまだ多く、特に鼻につくシーンも2,3見受けられますが…
海外から見た日本はきっとああなんでしょう。悲しいですが。
この作品を観るに当たって、ある意味で残念なのは自分が日本人だということ。
この作品。劇中に多く出てくる日本語にあえて字幕を付けずに“分からない言葉”として描いています。
またゲームセンターやパチンコ、カラオケ、TVの深夜番組、ネオン看板の街並みなどなど
海外から見たら変わって見えるであろう独特の文化の描写も多用しており、
それが全て理解できてしまう日本人には製作者の意図した空気が一番伝わりにくい。
意識して客観的に観ないとただの誇張された日本にしか映らないかも知れません。
ストーリー展開ものっぺりと平坦に進んで行くので空気感がダメな人はダメだと思います。
それでも色々ひっくるめて日本人としての見方をしてみるのも面白い。
“マシュー南”とか“ミニスカポリス”とかの日本人が観てもバカなTV番組。
変な通訳、マッサージのおばさん、CMプロデューサーなどなどアクの強い登場人物。
チョイ役出演のNIGO、藤原ヒロシなどなど…
海外の人には全く分からない突っ込みポイントも満載です。
個人的には好きな部類ではないですが、東京や京都の風景は綺麗に撮ってましたし
静かにゆったり流れる時間とか、この監督が好きな人はハマリそうですね。
※他サイトより転載(投稿日:2008/03/21)
異国にいる不安感を見事に描いた作品。
アカデミー最優秀脚本賞の他、数々の賞を受賞した作品です。
ウィスキーのCM撮影のために来日した映画俳優のボブ・ハリス。
写真家の夫の仕事に同行してきたシャーロット。
2人は、それぞれに慣れない異国にいる不安と孤独感で
眠れない夜を過ごしていました。
ひょんな事から2人は心を通わせるようになります。
お互い同じ不安、同じ孤独感を共有する人間として・・・。
東京を舞台にした、ちょっと可笑しくて、
ちょっと切なくて、そして、淡くて繊細なラブストーリーです。
主演の2人の演技が素晴らしくて、
異国での不安感、孤独感が凄く伝わってきます。
東京を舞台にしているだけに、見慣れた風景が沢山
出てくるんですけど、日本に住んでいて、
見慣れているはずなのに物語が進むうちに、知らない国を
主人公と一緒に彷徨っているような不思議な感覚になりました。
淡々としているんですけど、見終わった後も心にじんわりと
残る作品ですね。
映画館を出て、家に帰る途中、
バスの車窓からの見慣れた景色が
まるで異国の景色のように感じました。
技あり
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