「ココロの自由、東京漂流記」ロスト・イン・トランスレーション 青樹礼門さんの映画レビュー(感想・評価)
ココロの自由、東京漂流記
20年ぶりに見たら、なんと洗練された作品であったか。
人物の仕草や表情に、粋なセンスを感じる。
あのコメディスターのビルマーレイが、めちゃくちゃダンディであり、
ときおり、ランニングマシンでジタバタするあたりはやっぱり笑ってしまう。
ジャームッシュやウェスアンダーソンが重用しだした契機になった作品だろうか。
この作品が、なんとも、心地よいのは、ひとりぼっち時間の静寂と、他者といる喧騒をきちんと描き分けされているあたりだ。
人物が、何を見て、何を感じているか、ていねいに、デリケートにスケッチしている。
寄り添うように、景色や音楽が、音響が存在して。
もう!ちゃんと見事に、こちらは同調してしまい、
ラストには、ああ、明日からまたいつもの暮らしに戻るのだ、と感無量になるのでありました。
脚本すごい、侘び寂び俳句の域だよなあ。無駄なし!
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