劇場公開日 2004年4月17日

「【”異国の地、東京で眠れない二人”ハリウッドスターだが、ミドルエイジクライシスに直面している男と、写真家の若き妻との交流をドキュメンタリータッチで描いた作品。醸し出す風合が、とても良い作品でもある。】」ロスト・イン・トランスレーション NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”異国の地、東京で眠れない二人”ハリウッドスターだが、ミドルエイジクライシスに直面している男と、写真家の若き妻との交流をドキュメンタリータッチで描いた作品。醸し出す風合が、とても良い作品でもある。】

2021年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

知的

幸せ

萌える

ー ウイスキーのコマーシャル撮影のために来日したハリウッドスターのボブ(ビル・マーレイ)と、フォトグラファーの夫の仕事に伴って来日した若妻のシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)。
  同じホテルで偶然出会い、打ち解けたふたりは、見知らぬ土地東京で時間を共有するうちに、いつしか惹かれ合っていく・・。ー

◆感想
 ・今作をBSで観たのは、何年前であっただろうか。
 センスの良い映画だな・・、と思った事を覚えている。

 ・改めて観賞すると、ハリウッド映画にありがちな、コテコテの”それは日本ではないよ!”と言う感は全くなく、”本当にハリウッドスターが東京に初めて来て、慣れない土地の中で眠れない日々を過ごす様をドキュメンタリー作品として描いたのではないか・・”と思ってしまう程、東京の中の異邦人の二人、ボブとシャーロットが異文化に触れ、イロイロと戸惑う様が極、自然に描かれている。

 ・カメラワークも印象的で、忙しい夫ジョンが仕事に行った後、独りホテルの窓の縁に座り、東京の街並みを見下ろすシャーロットの寂しげな姿を切り取ったショットや、コマーシャル撮影の際のカメラマンからの矢継ぎ早のリクエストに言葉が分からず、戸惑うボブの姿。
 そして、遠き米国に居る妻からの、一方的な電話や届け物(カーペットのサンプル・・)に、ミドルエイジクライシスを実感するボブの姿。

 ・そんな中、ボブとシャーロットはホテルのバーで出会い、お互いの孤独を癒すかの如く、言葉を交わし、夜の東京の街に出掛けて行く。
 カラオケでボブが”これ、難しいんだよな・・”と呟きながらタドタドシク歌う、”ロキシー・ミュージック””の”More than this”(やや意味深・・。)や背景で流れる、はっぴーえんどの”風をあつめて”(エンドロールでも流れる。)も印象的である。

 ・シャーロットが一人訪れる、京都の南禅寺、平安神宮のショットも作品のアクセントとして、良い。

<異国の地東京で夫々の孤独感を抱えながら、恋未満の、ハリウッド大スターと、結婚2年目の若き女性が交流する姿をドキュメンタリータッチで描いた作品。
 醸し出す風合が、とても良い作品でもある。>

NOBU
マサシさんのコメント
2024年3月26日

ドイツ人の演出家よりも良いと思います。僕は。

マサシ