「alone in confusion」ロスト・イン・トランスレーション everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
alone in confusion
普段から日本の変な所に目をつぶって溶け込んで来たので、西洋目線でまじまじと描かれると心苦しくなります。また、自分らを基準とする西洋人の上から目線もイラっとします。しかし東京文化を、茶化し過ぎず、美化もせず、ただ「違う」のだと、ありのままを映しているほうかなと思いました。Bill Murrayのリアクションで、笑いに変えてくれて救われます。
滞在ホテルの部屋の散らかり具合が、CharlotteとBobの心の有り様のようでした。大学卒業して結婚したは良いけど夫は仕事に夢中で孤独なCharlotte。家族との距離を感じ、仕事も下降気味、映画ではなく、ギャラの良さだけで日本のCMに出演しているハリウッド俳優のBob。これから先の人生どうしたらいいか分からない、と悩む2人が、これまたグチャグチャした都心で彷徨います。
大都会には、遊ぶ所、時間を潰す所が沢山あります。しかし何をしても孤独は埋まるのではなく、忘れるだけなのです。混沌の中でも、人の孤独を癒すのは人でしかない、ということでしょうか。
日本の商品を国内で宣伝するのに、わざわざハリウッドスターを使う日本企業。黒髪を脱色して街を闊歩するギャル達。似合いもしない?格好をするロックンローラー達。何故バーのミュージシャンやスポーツインストラクターが外国人なのか。西洋への強烈な憧れから、アイデンティティを失い、このグチャグチャに混雑した風景同様、日本人も血迷っているように見えるのでしょうか。しかし外国人が思うほど、迷ってはいないのですよ。取り入れて発展させるのが上手いのです。古都へ行けば、日本にしかない静寂と伝統は残っています。(今や京都も年中混雑してますが。)
都心の風景、と言っても建築物や看板ですが、結構変わったな、と思いました。
Scarlett Johansson、ピンクのウィッグが似合い過ぎ(o^^o)。