劇場公開日 2005年3月5日

「原作の圧倒的な素晴らしさを半分も生かせていない」ローレライ てつさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作の圧倒的な素晴らしさを半分も生かせていない

2024年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

原作は私のこれまでの読書歴でマイベストワンと言える程の名作中の名作ですが、本作(映画版)は、そのストーリーを何とか2時間超の尺に収めるために無理やり感が半端ない仕上がりとなっています。
原作の福井晴敏著「終戦のローレライ」は多くの人にお勧めしたい大傑作ですが、映画を先に見てしまうと読む気が失せる人が多数かと思います。
かといって、原作をまずは読めと言っても、福井氏の本は文章が少々くどいのが欠点であり、終戦のローレライにおいてもそのくどさから序盤を読み進めるのは難儀でしょうから、私が勧めるのはこの話の下地(現代版)と言える「亡国のイージス」の小説からです。
この話は衝撃的な描写で幕を開けますが、私も亡国のイージスのショッキングな書き出しにはまって福井文学の魅力に取りつかれた一人です。
原作の良さである程度は魅せてくれる映画にはなっていますが、やや中途半端です。

てつ