「家族の愛と絆の物語」リトル・ダンサー pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の愛と絆の物語
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序盤からチラチラと匂わせるように繰り返される剣呑な描写。
やがてそれが労働争議(炭鉱ストライキ)だとわかる。その労働争議が本作の大きな構成要素になっており、バレエとの対比にもなっているのだと理解する。
物語は、構成要素を対比させることによってダイナミズムが生まれるのですね(ああ、父親の葛藤に胸が締めつけられる)。
終盤の、バレエ学校から届いた通知を確認するシーンが印象的。演出もジェイミー・ベルの演技もうまいなぁ。
ビリーがバスで旅立つシーンもいい。そして成長した彼が踊るラストシーンに感涙。
作品のトーンも重すぎず、軽すぎずで、バランスがうまくとれていたと思う。
本作には「かくあるべし」――〇〇はこうあるべきである、というとらわれ――をぶっ飛ばせ! というメッセージが込められていると感じましたが、しかし、お父さん、ビリーに才能がなかったら、やっぱり「そんなもんやめちまえ!」と言ったんだろうなぁ。そう考えると、複雑な気持ちになります。
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