「宙を翔ぶ鳥のように、舞い、踊る。」リトル・ダンサー Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
宙を翔ぶ鳥のように、舞い、踊る。
「グラディエーター」でも書いたとおり、
配信で映画を観ない私にとっては20年振りでも未見の作品のデジタルリマスター版の公開はありがたいのである。
10月30日(水)
新宿ピカデリーで23年間見逃し初見の「リトルダンサー」を。
サッチャー政権下の1984年、イギリスは不況である。
賃上げ要求でストライキ中の炭鉱労働者の父親と兄。母は亡くなっている。認知症が始まっている祖母の面倒を11歳のビリーがみている。ビリーは母の残したピアノを時々弾いている。
父から50ペンス貰って父が使っていたグローブでボクシングの練習に通っているが、ビリーはあまり気乗りしていない。ボクシングの練習場の隣で少女たちがバレエのレッスンをしている。
少女たちの動きに興味を持つビリー。
それに気付いたバレエの女教師ウィルキンソンは自分のトゥシューズを貸してビリーにバレエを教えてくれる。
(あれ、これは「ぼくのお日さま」と同じパターンか?リスペクト?)
父からの50ペンスはボクシングからバレエのコーチ料になる。
ウィルキンソンは、練習を続けて行く中でビリーの才能に気付く。
ビリーは、亡くなる前に母が18歳になったら読めと渡された手紙をウィルキンソンに見せる。11歳だけどもう空で言える程内容を覚えている。
(ビリーは母親の事が大好きだった事が判る。母も踊りが好きだった。祖母もバレエダンサーになりたかった。僕は…。)
ストは長期化し、クリスマスの頃、父は母が残したピアノを壊して薪にしてしまう。
ビリーはウィルキンソンの指導のもと上達して行き、踊り出すとビリーのエネルギーの発露となる。
ボクシングでなくバレエの練習をしている事がバレてしまう。「男がバレエ!?」父も兄も理解を示さないが、父の前で一心不乱に踊るビリーに父は何も言わない。
ウィルキンソンのビリーをロイヤルバレエ学校にと言う思いと、ビリーの踊りを観た父はスト破りで働き始める。金を稼いでビリーをロイヤルバレエ学校に行かせるために。
スト破りをした父と長男は衝突するが、ストライキは解除され、また一緒に働くようになる。
ビリーは父に連れられてロイヤルバレエ学校のオーディションを受ける。
(審査員の様子が「フラッシュダンス」のオーディションを思いださせる)
最初は固くなって上手く踊れないが、エンジンがかかり始めると審査員の目を引く動きを見せる。しかし、思うように踊れなかったビリーは控室に戻ると別の少年を殴ってしまう。暴力沙汰を起こして万事休す。
最後の面接、踊っている時の気分を聞かれたビリーは「無になります。宙を翔ぶんです。電気のように。」
結果通知が郵送されて来る。隣室で一人開封するビリー。合格だった。家族が喜ぶ。
ビリーはロイヤルバレエ学校に旅立つ。
ビリーの舞台を観に行く父と兄。時間の経過が表示されない(私の見落とし?)が、歩みが遅くなった父を長男が、急かす。
そして、舞台では父と兄が観に来た事を告げられた25歳になったビリーが宙を翔び、舞う所で映画は終わる。
(クレジットではアダム・クーパー…ビリー(25)と表示される。アダム・クーパーは世界的なバレエダンサーだそうだ。)
ビリーの背中を押す、いい味を出していたバレエのウィルキンソン先生を演じたジュリー・ウォルターズがアカデミー賞助演女優賞に、監督も監督賞にノミネートされた。
11歳の少年の頑張りは70ジジイの心にも刺さりましたぞ。
一度書いたレビューを保存し忘れて書き直した。いよいよボケジジイの領域か。レビューは想いが熱いうちに書かないとダメだな。
私も保存忘れ消えてしまったこと何度かあります。
気がつき、ため息〜。
そしてそこからのひと踏ん張りは精神的に大変ですよねー。
何はともあれ胸打つ作品がようやく観れてよかったです😌