グッバイ、レーニン!のレビュー・感想・評価
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なんかいい
優しさに満ち溢れ
母のため、息子は奮闘する。
観てから数日たつのであまり覚えてないがベルリンの壁が壊された時のあ...
発想の勝利
舞台は冷戦時の東ドイツ。西ドイツに亡命した夫を追うことができず、子供二人と東ドイツに残った女は、息子がデモに参加して憲兵に捕まったところを目撃したショックから意識をなくし長期入院。その間にベルリンの壁が崩れ、東西ドイツが統一。再びショックを受けると死ぬと医師に宣告されている母を家に引き取った息子は、部屋の中を昔のままにし、テレビもビデオを駆使して古い情報を流すなど、現状を知られないよう奮闘。やがて、窓の外にコカ・コーラの横断幕を見つけた母。次第に色々なことが母に漏れていくが、最後まで息子は軟着陸を目指し、母も息子に付き合い、幸せそうに息を引き取る。
一夜にして生きていく環境が変わる様を、家族のドラマを通じて丁寧に面白く、そして切なく描いている。
息子の恋人役の女優が印象に残る。
消え行く祖国にさよならを
総合60点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
今までの社会が崩壊して価値観が全く変わってしまった混乱の中で、母親のために努力をする息子を軽快に描く。
ずっと西側世界に生きていると、さっさと古い体制は葬り去って姉のように切り替えちゃえばいいのにとしか思わないのだが、実際にこのようなことに直面するとそう簡単にもいかないのだろう。信じていたものが消え去って今までの自分の価値観が否定された中で、果たして祖国に対してどう接していいかわからない主人公が、母親のためといいつつも結局は自分の価値観や愛国心をもがきながら探す行動になっている。これは彼が悪戦苦闘しながら、母親に対して、同時に祖国にさよならを言う心の準備を整えるまでの儀式なのだ。
悪くはないけれど、こじんまりとした話だし引き込まれたわけではなかった。しかし自分がそれを間近に体験したドイツ人だったらまた違った意識をもっただろう。例えば、鬼畜米英・天皇万歳と教えられた日本人が、突然戦争後に反対のことを言われたら混乱するものだ。そんなときは自分で考えて自分なりの答えを見つける必要がある。そんな彼の葛藤を暖かく見つめている。
これは観るべきの映画。
誠実だけどおかしくて、抱きしめたくなる
もっと描きたした方が分かりやすいのに・・・と思う部分が少しあったけど、まあこの映画はあくまでも“アレックス”という人物を描こうとしていたから、必要ないと言えば必要ないか。
誠実だけれど滑稽で、まっすぐだけれどそれはどこか歪曲している。そんなアレックスという人物像を、東西ドイツ統一という出来事への彼のかかわり方を通して、見る者に捉えさせる。最後に、彼は自分がそれまで救ってきたと思っていた人に救われる。このラストも、良い。
静かに押し寄せる感情
たまたま深夜にやっていたのをテレビで見た
コメディと銘打ってはいたが、あまりコメディぽくはない
しかし、東ドイツ社会主義者が、眠っている間に壁崩壊し、息子達がショックを与えないようにと東ドイツがまだある、といううそをつくために、家の内装を変え、服装を変え、出身地を変え、母を家から出さないように努力し、テレビは自主制作したニュースを見せる。
一歩間違えば、重苦しくなりかねない題材をさわやかに描いている。
東ドイツの頃がよかった、社会主義がよかった、というものではなく、ただ、昔懐かしい社会主義に思いをはせる、わびさび的な何かが感じられる作品。
母親のせりふの「すばらしいわ」が心に沁みる…。
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