「「エーミールと探偵たち」(2001年に製作されたドイツの映画) の...」グッバイ、レーニン! lilacさんの映画レビュー(感想・評価)
「エーミールと探偵たち」(2001年に製作されたドイツの映画) の...
「エーミールと探偵たち」(2001年に製作されたドイツの映画)
のラストシーンと合わせて見てみると面白い。
全くバラバラのように見えていた子供たちが突然群れになって
行動しだす。
その時になって初めて自分が追われていたことに気がつく悪役の男。
それはフィクションでもパラノイアでもなんでもなく、
国民の90人に一人が秘密警察の関係者で、
通りを歩いている人や自分の友人さえもそうかもしれないと思いながら生きてきた東ドイツの人にとっては、
たいして異常なことでもない。
秘密警察には
各国民個人の行動習慣や人間関係、ビン詰めにされた体臭サンプルまで保管されており、
そうしたデーターベースや心理テクニックを基に、
ある個人がある個人に対して特定の行動をするように仕向けることも可能だった。
この「グッバイ・レーニン」は、
国家が個人の視聴覚の外延と呼べるものを事実上全てハイ・ジャックすること可能だった時代から、
NGOや企業、テロ組織などがそうした能力を引き継ぐ時代へと移行していく、
まさにその瞬間の様子が克明に表されていると思う。
東ドイツの秘密警察(STASI)は解体されたが、
その手法を引き継いだ組織は北朝鮮と
日本(にある朝鮮総連)に現在存在している。
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