「BUSHIDOとは運命(さだめ)に死ぬと見つけたり」ラスト サムライ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
BUSHIDOとは運命(さだめ)に死ぬと見つけたり
DVDで2回目の鑑賞(字幕)。
「日曜洋画劇場」で観て以来の再鑑賞です。ところどころのシーンは見覚えがあったもののストーリーは全然記憶に無かったので、新鮮な気持ちで観ました。
ハリウッド映画で、ここまで日本を忠実に近い形で描いた作品は本作くらいじゃないかなと思いました。合戦のシーンなんて、日本映画のそれと錯覚しそうになりました。
中盤の絵に描いたような忍者軍団にはさすがに白けさせられましたが、監督が敢えてそうしたらしいので、従来の描写へのオマージュと捉えれば許容出来る範囲かなぁ、と…
変わりゆく時代に抗い、その生き様を歴史に刻みつけようとするかのように命懸けで戦った侍たちの燃やした命が熱い!
最後の瞬間まで武士であろうとする勝元に感化されたネイサン・オールグレン。ふたりの間に芽生えた友情が尊い!
いずれ滅びる運命ならば、信じるもののために戦うまで。
旧来のものを否定しようとする流れに立ち向かった彼らの姿は、本当に美しいものは何か、時代が変わっても決して失ってはならないものは何かと云うことを教えてくれました。
滅びの美学ここに極まれり。
[余談]
5万回斬られた男こと福本清三氏がハリウッドの大作映画に出演していることに感動!―幾度となく斬られたり撃たれたりして来た氏ですが、その労が報われた瞬間のような気がして目頭が熱くなりました。日本が世界に誇る斬られ役!―トム・クルーズと同じ画面に収まっていることのすごさよ!
寡黙な侍の役で、オールグレンの見張り役を務めていましたが、最終決戦において敵に撃たれそうになっているオールグレンに気づいて、「アルグレンさん!」と言いながら駆け寄り、彼を庇って撃たれてしまいました。その死に様はさすが年季が入っていて、素晴らしいものでした。名人芸がハリウッド大作に刻まれたのかと思うと、これまた感無量でした。
※修正(2024/05/13)