劇場公開日 1986年4月12日

死霊のえじきのレビュー・感想・評価

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3.5ゾンビを応援してしまう映画

2025年5月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

驚く

まさか自分の人生においてゾンビを応援する日が来ようとは思わなかった。

ジョージ・A・ロメロのゾンビ三部作(話が繋がっているわけではない)と世に言われている作品群の三作目であるが、本作は一作目の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)と二作目の『ゾンビ』(1978)とは決定的に違う部分がある。

何が違うのかと言うと、前二作ではゾンビというのは人間を襲う忌まわしいモンスターでしかなかったのであるが、本作ではゾンビに過去の記憶や感情らしきものが残っているということが描かれ、劇中でゾンビとの共生が模索されるのである。

爆発的にゾンビが増殖し、人間の数とゾンビの数が逆転してしまった近未来。
主人公の女性科学者サラは数人の仲間と共に地下施設に立てこもり、どこかで生き延びているはずの生存者を探す日々を送っている。

地下施設には横暴で差別的な軍人グループもいて実質的な支配権は彼らが握っている。

施設内にはサラの他にも二人の科学者がいてゾンビ化現象の謎を解明するため研究を続けているのだが、そのうちの一人ローガン博士は生捕り(?)にしてきたゾンビの中に比較的おとなしい個体を見つけてバブという名前をつけ、ゾンビを飼い慣らすという大胆な実験を始めるのだ。

バブは生前軍人だったらしく、施設内の軍人グループを見ると敬礼したり、弾丸を抜いた銃を渡すとたどたどしい手つきで撃とうとしたりもする。
さらには、常に身近に接していてエサ(博士がどこかから入手した人肉であり、このことが終盤物語が大きく動くきっかけとなる)を与えてくれるローガン博士に対しては襲いかかるような捕食行動を取らなくなるのだ。

過去の記憶が残っていて感情らしきものが芽生えた存在。
それってゾンビなの?ってこちらとしては戸惑ってしまうのだが(笑)、とにかくこのバブというゾンビがすごく可愛くて憎めないヤツなのである。

ヘッドフォンから流れてくる音楽に目を剥いて驚いたり、本を渡すと必死でページをめくろうとしたりして幼児のようなあどけなさがあるのだ。描写としてはゾンビと言うよりはフランケンシュタインの怪物に近い。
実際、バブを飼い慣らそうとするローガン博士は軍人たちからフランケン博士と揶揄されていたりする。

このようにゾンビを人間性の残る存在として描く一方で、人間たちの方は互いにいがみ合い常に揉めている脆い存在として描いている。
特にロメロは地下施設を牛耳る軍人グループを、白人以外の人種を見下し、武力で他人を制圧しようとする横暴で横柄な連中として批判的に描いている。

ロメロは前二作においてもアメリカの白人社会に対してどこか醒めた視点を持っていたが、本作においてもそれは顕著である。
物語の終盤、ゾンビ集団と軍人グループが戦うことになるのだが、観ている我々は思わずゾンビたちの方を応援したくなってしまうのだ。

軍人グループの冷酷非道な独裁者ローズ大尉とバブが一対一で対峙する!
負けるな、バブ!対決の行方や如何に!?

前二作においてゾンビは人間たちの浅ましさや愚かさをあぶり出すような存在だった。
それは本作でも同じなのであるが、前二作では人類の敵でしかなかったゾンビが、本作において初めて共生の可能性が示されたのである。

「敵をやっつける」より「敵を理解し、敵と共生する」方がテーマとしては深いのである。深いのであるが、「敵を理解し、敵と共生する」のがどんなに難しいことなのかは、今も世界各地で起こっている戦争や紛争が容易に解決しないことからもわかる。

そういう深いテーマ、複雑なテーマを選んでしまったために本作は娯楽作品としての明快さや面白さに今ひとつ欠けるきらいはある。
だが映画としての面白さを犠牲にしてでもロメロはゾンビを単純な人類の敵としては描きたくなかったのである。

ロメロの映画作家としての覚悟を我々は受け入れるべきなのだろう。

娯楽作品としては今ひとつ、などと言ってしまったが、本作には前二作をはるかに超えるレベルの唖然とするようなゴア描写が満載であり、ロメロのホラー監督としてのとんがった感性はいささかも鈍っていない。

どうかゾンビに興味がおありの方(笑)は、ジョージ・A・ロメロが世に放ったゾンビ・サーガ三部作を通してご覧いただきたい。
三部作を通して観ることで、互いにいがみ合う愚かな人間たちを見つめるロメロの冷徹な視点と、「恐ろしい敵だと思っていた相手のことを理解し共生の道を探る」という深いテーマが初めて見えてくるだろう。ただし、とんでもないゴア描写付きだけど(笑)。

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盟吉津堂

4.0数えきれないの位に何度も観たフェイバリット映画。しかしローズは怒り...

2025年3月26日
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数えきれないの位に何度も観たフェイバリット映画。しかしローズは怒り過ぎ!
演じたジョセフ・ピラト-は『ゾンビ』(1978)にも出ていた。

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ナイン・わんわん

4.5ゾンビという哲学

2025年1月22日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

ロメロのゾンビ3部作の3作目。本作において、ゾンビはもはや恐怖を煽る舞台装置を超えた哲学となった…。

ロメロのゾンビ映画特有の、人間同士の諍いが非常に荒々しく描かれています。あまりの胸糞悪さに少々嫌気がさすほど。暴君然とした大尉に、マッドサイエンティストといった濃いキャラクター達が内輪揉めを繰り広げます。ラスト、大量のゾンビの襲撃によりカタルシスは得られますが、それまでは結構しんどかったです。

ゴア描写の過激さは過去一と言える程。特殊メイクはトム・サヴィーニ。「ゾンビ」「クリープショー」等、他のロメロ作品でも素晴らしい仕事っぷりを発揮している彼ですが、本作における思い切ったゴア描写とアイデアの数々は、SFXの限界への挑戦状を叩きつけているかのようです。

本作におけるゾンビは、グロテスクな容姿や暴力、感染といった恐ろしさだけでなく、人間の醜さを暴き出す抽象的な存在として描かれております。「生ける屍」という一つの概念を投じることで物語が動き出す。これはロメロの発明に間違いないかと思いますが、本作においてはその点をとことん突き詰め、倫理を問い、議論を起こさせる哲学にまで昇華させています。

ゾンビは人類に対する罰なのだろうか?何をもって死と生を判断するのか?「人」たらしめているものとは一体何なのか?その多くに答えを見いだせずにいるからこそ、ゾンビ映画は面白いし、今後も作られ続けるのだろうと思います。

最後に、wikiに興味深い一文がありましたので転載します。

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7年前に制作された前作『ゾンビ』に引き続き、ダリオ・アルジェントと共同で制作する予定であったが、ヨーロッパの通貨に対して米ドルが高騰したため、アルジェント側からの協力が得られなくなった。単独で資金を調達することになったロメロは脚本を大幅に変更し、規模を縮小して本作を製作した。

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なるほど。多分本当にやりたかったのは後に製作された「ランド・オブ・ザ・デッド」のような作品だったのでしょう。しかし、規模を縮小したからこそ出来た演出、脚本は非常に優れたもので、私はこれで良かったんじゃないかなと思っとります。

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吹雪まんじゅう

3.5「そうだ、スプラッターを観よう」いの一番で思いついたのがコレ。

2024年2月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

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野球十兵衛、

1.5うーん・・・

2023年2月19日
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当時観ていたら面白く感じたかもしれないが今観てしまうと・・・

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aaaaaaaa

5.0劇場で鑑賞する奇跡

2022年7月3日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

まさか、この作品が劇場で鑑賞する日が来るとは、夢にも思わなかった。今日は好日だ。評価をするなど、もはやおこがましいほどの三部作の完結編である。

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shanti

2.0クズ共の集まり

2021年5月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

カルト級b級
兵士もB級なら、科学者もB級

見どころ?エキストラゾンビの表情くらい。

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ho

4.0まさか映画館で観ることができる日が来るとは!

2020年12月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館
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kossy

4.5はじめにゾンビありきでゾンビの方が人間より多い。ゾンビ映画の中でも...

2020年8月31日
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はじめにゾンビありきでゾンビの方が人間より多い。ゾンビ映画の中でもストーリーが行き着くところ迄いっちゃったみたいな感じで、ゾンビ倒すじゃなくて捕獲して地下基地で飼い慣らす研究とか。最初から良い、脚本が凄いと思う。ラストは好きじゃなかったが総合的にかなり良かった。

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collectible

4.0正統派として清く正しく残酷スプラッターかつ考えさせられる作品です♪

2020年7月1日
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鑑賞方法:映画館

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松王○

4.0お気に入りの1本!

2020年5月14日
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楽しい

怖い

興奮

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映画は生き甲斐

3.5バブが可愛い

2020年2月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

ゾンビが蔓延する世界。軍人と共にシェルター内でゾンビの研究を続けるサラたちだったが、やがて軍人たちとの間に険悪な雰囲気が流れ始め…。
スペシャルエディションを鑑賞。損壊描写の造形が見事な作品で、ゾンビでありながら愛くるしいバブの存在など見所がとにかく多かった。

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shotgun

3.0敬礼するゾンビ

2019年12月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

たしかにエグい演出てんこ盛り。
当時観たときは恐かったのだが、今観ると「慣れって恐い」と思える。
ぐちゃぐちゃのゴア演出も普通に感じる様になってしまった。
軍事施設でゾンビの研究とか、当時は考えたほうだと思う。
それだけで飛び抜けた作品にはならないが、昨今のゾンビ映画に劣るほどダメ映画ではないのでちょい古い作品を嗜みたい人は観てもらいたい。

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うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)

4.0いくら何でもあの軍人たちは無いですよね(笑) それはさておき、その...

2019年8月11日
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いくら何でもあの軍人たちは無いですよね(笑)

それはさておき、その後のゾンビ映画に影響を与えたのが納得出来る作品でした。

今観ても特殊メイクは迫力ありますし、ラストのバブは格好良かったですよね。

それにしてもスペイン人の彼の行動は謎でした。

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刺繍屋

5.0いや、邦題やめてー!!

2018年4月6日
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邦題のせいで手に取らなかったり、勘違いしてみてしまう人がいる気がする。
うーん。そこだけ。
そして、やはり黒人は賢いし強い。

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cinemagaski

3.5オブザ・デッドシリーズ完結編。 前作のアクション中心の話から、今度...

2017年4月18日
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オブザ・デッドシリーズ完結編。
前作のアクション中心の話から、今度はドラマメインのストーリー。ロメロ監督は1人でゾンビ映画で出来ること全てやってしまってるんじゃないかってくらい、毎回色々試してる。ゾンビに撃たれて死ぬ演出なんて、何本か撮って一周回らないと出ないアイディア。
オープニングの、荒廃した街からゾンビがわさわさ出てきてのタイトル表記が最高にカッコいい。
ロメロ監督で一貫しているのは、アメリカホラー映画なのに、ギャーギャーうるさくないところ。静けさに怖さを見出すジャパニーズホラーとはまた違った感じで、唯一無二の空気感を出してるのが凄い。

エレベーターでゾンビが綺麗に整列して降りてくる所は爆笑。

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NORIDAR

4.0シュール

2016年5月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

ゾンビ映画は角度を変えれば、いくらでも作れるな。

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dragonmizuho

3.5ゾンビ映画の系譜

2016年2月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

残念な邦題(原題はDay Of The Dead)ですが、ジョージ・A・ロメロ監督のリビングデッドシリーズの三部作の完結編。(さらに新三部作がある。)
道具を使うゾンビと人間の食い殺され方が印象的。
軍人、科学者、酔っぱらい、黒人、女性、ゾンビ
知性がないのは誰なのか?
70点。

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neonrg

3.5ゾンビ三部作完結!

2014年7月25日
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ナリ
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