劇場公開日 2005年10月22日

「タイトルが好き」私の頭の中の消しゴム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5タイトルが好き

2020年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 韓国で一番高い山はペクトゥサン(白頭山、2744m)と言っていたけど、実は中国と北朝鮮の国境に位置している。言いかえれば「朝鮮半島で一番高い山」なのだ。これも南北統一への夢の表れなのだろうか。

 調べてみると、北朝鮮側ではこの山の標高を2750mと言ってるらしい。そして、中国では長白山と呼ぶらしい。南北分裂前には当然国内最高峰のこの山に、郷愁の思いをよせて中国側から登山する韓国人も増えているらしい。などと調べているうちに、バイクでのひったくりが韓国でも問題になってるんじゃないかという点や、その犯人に車のドアをぶつけて転倒させたことの事故責任についての疑問は吹っ飛んでしまいました。本来ならば車が悪いのだが、犯人を捕まえる目的だとすれば事故責任がなくなるのか・・・果たして日韓の違いは?と序盤にこんなことを考えていると、映画にのめり込めなくなるので注意しましょう。

 この年公開された映画は記憶に関する内容が目立ちます。中でも『きみに読む物語』『いつか読書する日』のアルツハイマーものには満点をつけましたが、この映画は老人の認知症ではなく、若年性アルツハイマーを扱っています。今までも、日本においては老人の“ボケ”を扱った映画は多かったのですが、ここのところ若年性アルツハイマーも激増しているらしく、今後も映画において描かれていくであろうと思われます。2012年で、日本でも約460万人の認知症患者。そのうち数パーセントは若年性アルツハイマーらしいのです。気をつけなきゃと思っても、はっきりした原因は解明されていませんので、EPAを多く含む魚を食べるとか、趣味を持ち続けるとか、ちょっとした心がけを守っていくしかないようです。

 さて、この映画は日本のドラマ「Pure Soul~君が僕を忘れても~」が原作らしいのですが、どこまで忠実にリメイクしてあるのかオリジナルが未見なのでわかりません。ただ、実際に認知症患者が身近にいる者からすれば、納得いかないところが多いのです。健忘症がアルツハイマーに直結するのではないということ、徘徊の症状まで出るのなら文字を綺麗に書けるハズがないこと、匂いは絶対にわからないこと等々。さらに、右脳の働きはしっかりしているので、相手の喜怒哀楽に対して直観が働くのです。こうした疑問点はあったものの、夫チョン・ウソンを包丁で傷つけてしまったり、かつての恋人を現在の恋人だと勘違いしてしまうところでは、思いっきり感情移入させていただきました・・・

 ソン・イェジンがめまいを起こしてしまうところや、記憶がなくなるところなどの細かい演技や演出は良かったし、チョン・ウソンの怒りが爆発するシーンは良かったです。冒頭ではケバいイェジンも見られ、彼女の七変化も楽しめます。翌年の邦画で『明日の記憶』のほうがリアルで好きです!

【2005年10月映画館(試写会)にて】

kossy
グレシャムの法則さんのコメント
2020年12月10日

引ったくりとは言え、空中回転してる時、ヘルメットなかったし、死んじゃったらまずいのでは⁈
とまでは、私も心配しました。立ち上がったあとも脳震盪症状があったので、意外と気になりました😁

その後はもう、物語の中に浸り切ったので、涙、涙、涙……でした。

グレシャムの法則