劇場公開日 2001年2月10日

「黒沢清のクリシェを愉しむ作品」回路 たけはちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0黒沢清のクリシェを愉しむ作品

2025年2月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

久しぶりに観た。昔、映画館で観たときとは異なる印象でした。
初めて観たときは、黒沢清にしては稚拙な画作りではないか?という疑問があったが、いま観ると全くそんな事は気にならない。なにより「幽霊」がそこに居るのだ。この存在感は傑作「降霊」に匹敵する。また、植物関連の会社の様相はこれもカルト的な快作「カリスマ」を彷彿とさせる。どうやら黒沢清にとって、植物、幽霊、廃工場、さらに挙げるならビニールカーテンは、切り離せないクリシェのようなものかもしれない。
いま観ると全てが新しい。ラストの「世界の終わり」は最近作「Cloud」と通じるまさに回路のようなものだ。

たけはち