劇場公開日 2001年2月10日

「最も黒沢清な一本。」回路 きねまっきいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0最も黒沢清な一本。

2021年2月9日
iPhoneアプリから投稿

再何度見たろう。
最も黒沢清な一本。
当時の劇場は序盤の赤服幽霊の動きに暗く慄いた。
この書式を家族夫婦猟奇仏蘭西ものに乗せるトライで好調な数年を経てこの王道に戻れ。
死後の世界を全く肯定しない冷徹な清々しさで一周回って肯定してるかもと思わす。
そして小雪の代表作。

観る程に怖い。
黒沢清の趣向の異様と物語の異様が
最も濃密に結実した到達点。
加藤晴彦の根底の陽性が
全編の巨大な禍々しさとバランスする
極々微量の可笑しみ。
壁の沁み、歩いて来る赤い服の女、
など(映画なのに)
見てはいけない物を見てしまった感。
ゾンビの系譜とするも可。
また観る。

きねまっきい