「民族統一への強い思いが空回り?」JSA KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
民族統一への強い思いが空回り?
ミステリータッチのストーリー展開のため、
最後まで観入ることは出来た。
しかし、リアリティの欠如感が最後まで
尾を引いた。
民族の分断を強いられた中で、
その統一への希望を4人の集まりに集約
させたのだとは思う。
しかし、この設定そのものが現実感を
失していたのが違和感の始まりだった。
真相と思える各エピソードとして、
スヒョクの踏んだ地雷を、
彼がちょっと足を緩めたらもろとも死ぬはずの本来は命懸けの除去作業を
あたかも危険なんか無いかのように
行うギョンピル。
真相と言えるか不明だが、
ソンシクが正気を逸して
何故かウジンの遺体に連射する。
ウジンを殺されながらも
何故か冷静なギョンピル、
他のエピソードも含め、彼は不自然に理想的な人物として描かれる。
また、テーマを深刻化させたいためか、
最後にスヒョクを自責の念で自殺させたり、
何かとストーリー展開上の強引さを
感じてしまう。
制作者側の民族統一への思いが空回り
したかのような、ストーリーを都合良く
繋ぐための作為的要素が多過ぎて、
リアリティを欠いてしまったような印象を
持ったまま私は観賞を終えてしまった。
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