犬神家の一族のレビュー・感想・評価
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ストーリーをよく理解するためには「よく、聞く、事」だ!
製作発表時点から、なぜ今更セルフリメイクを?という疑問をずっと抱き続けていたのですが、このリメイク作品を観終わった今、その疑問がますます強くなるだけでした。もしかすると、最も自分の気に入ってる作品をもう一度作って遺作にしようとする意図があったのか、毎回豪華キャストを用いて横溝正史作品を日本国民に年末恒例の作品として楽しんでもらおうという意図があったのか、さては富司純子の親子競演を話題にしたかったのか、それとも岩井俊二監督作品の『市川昆物語』に対するお礼のつもりで製作したのか・・・ひょっとすると野村芳太郎監督の『八つ墓村』をトヨエツでリメイクしたのが不満だったから、再起をかけただけなのかもしれない。
キャスティングは賛否両論なのでしょうが、オリジナル『犬神家の一族』(1976)でも神官役だった大滝秀治やシリーズ通しての警察署長加藤武の存在は嬉しいことだし、草笛光子が役を換えての出演にも驚かされました。島田陽子が松島菜々子、あおい輝彦が尾上菊之助と、顔立ちはかなり似ている俳優を使っているのは、演技はともかくなかなかのキャスティングでしたし、とにかく松島菜々子が台詞が少なかったので一安心でした。
犬神家は犬神製薬として財をなした家であるけど、等々力警部が最初に飲んでいた薬は犬神家の薬だったのか、それとも遺産相続にひっかけて洒落のつもりで胃散を飲んでいたのかははっきりわからない。もしかするとキクゾーラーメンを食べて消化不良になっていただけかもしれません。遺産相続はいったい誰の元へ!などと考えていると、ロート製薬キャシロンのCMに出ていた石坂浩二を思い出し、胃散はやっぱり金田一の元へ行くんだという妄想にも陥ってしまいます。歴代金田一耕介役には誰が一番似合っているのかというアンケートでもこの胃散効果もあってか、石坂浩二に落ち着くのかもしれませんが、渥美清だってパンシロンのCMに出ていることだし、意見が分かれることになるのでしょう。ちなみに他の金田一は胃薬CMに縁がありません・・・
意外な副産物であるスケキヨマスクやスケキヨ人形が人気あるようですが、オリジナル『犬神家の一族』が公開された当時といえば、新田たつおのコミック「ガクエン遊び人」に凶暴な助清くんが登場するほど、助清ブームともなりました。怖いイメージを植え付けて、物語の中にはラブストーリーも隠されているなんてのは効果的ですが、そんなに何度も見てしまうほどの映画じゃないのになぁ・・・今作でもそれほど強調されてなかったし。
初めての「犬神家の一族」体験記
金田一耕助シリーズ(石坂浩二版)第6作。
通常スクリーンで鑑賞。
原作は鑑賞当時未読(※現在は既読)。
1976年の同名作品を市川崑監督がセルフリメイク。当時と同じ脚本を使用し、金田一耕助役を再び石坂浩二が務めたことで話題になりました。加藤武や大滝秀治がオリジナル版と同役で出演しており、今となっては嬉しいことこの上ない。
「今となっては」と言いますのも、本作が初めて触れた市川崑監督の金田一物で、初めて観た「犬神家の一族」だったからです。ちなみに初めて観た金田一物は稲垣吾郎主演の「八つ墓村」であり、私のミステリー好きの原体験になりました。
当時知っていた「犬神家の一族」の知識と云えば、白いマスクを被っている佐清や湖面から突き出している足くらい。もちろん犯人も知らないまっさらな頭で、今は無き奈良県庁近くの映画館「シネマデプト友楽」に祖父と観に行きました。
陰惨な連続殺人を解明するために奔走する名探偵・金田一耕助。天からの使者のように犬神家の人間関係にするりと入り込んで肉薄し、事件に秘められた情念を炙り出していく…
石坂浩二の飄々とした演技が、原作での金田一耕助のどこか掴みどころの無い人物像を見事に表現していて、「これが今に続く金田一像の原点なのか」ととても感慨深かったです。
それまで経験したことの無かった鮮やかなビジュアルの数々にショックを受けると同時に、陰惨極まる事件の裏に秘められた哀しい愛の物語の行方から目を離せなくなりました。
真相の切なさに強く胸が締めつけられると共に、これが「日本映画史上最高のミステリー」の称号の所以かと、当時中学1年生だった私は痛烈に実感させられたのでした。
その後オリジナル版を鑑賞し、本作より名作度が高いと思いました。フィルムの粒子の粗さが独特の味わいを与えて一層不気味さを演出していたし、横溝作品が持っている独特の雰囲気を損なわず、上手く表現されていると感じました。
市川監督のような巨匠でもリメイクはオリジナルに勝てないのか、と…。それでも挑戦のスピリットは尊敬に値する。
セルフリメイクが多い印象ですが、自ら築いた山を越えてさらに高みを目指そうとする職人気質に感服しました。
※修正(2024/03/13)
死体は二度見するくらいだった。
映画の出来がひどかったです
映画の出来がひどかったです。 大げさな演技と不自然な会話が延々と続きました。 謎解きの部分も劣悪でした。 覆面をかぶった人がいて、 中身がすり替わっていました。 覆面をかぶっていたら、 すり替わっていると考えるのが自然です。 なんのひねりもなく、 ありがちで単調なトリックでした。 犬神家の一族は有名な話なので、 もう少し面白いないようだと思っていたので残念でした。
リメイクの意味なし
文字通りの完全リメイク
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