劇場公開日 2006年12月16日

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「ストーリーをよく理解するためには「よく、聞く、事」だ!」犬神家の一族 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ストーリーをよく理解するためには「よく、聞く、事」だ!

2019年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 製作発表時点から、なぜ今更セルフリメイクを?という疑問をずっと抱き続けていたのですが、このリメイク作品を観終わった今、その疑問がますます強くなるだけでした。もしかすると、最も自分の気に入ってる作品をもう一度作って遺作にしようとする意図があったのか、毎回豪華キャストを用いて横溝正史作品を日本国民に年末恒例の作品として楽しんでもらおうという意図があったのか、さては富司純子の親子競演を話題にしたかったのか、それとも岩井俊二監督作品の『市川昆物語』に対するお礼のつもりで製作したのか・・・ひょっとすると野村芳太郎監督の『八つ墓村』をトヨエツでリメイクしたのが不満だったから、再起をかけただけなのかもしれない。

 キャスティングは賛否両論なのでしょうが、オリジナル『犬神家の一族』(1976)でも神官役だった大滝秀治やシリーズ通しての警察署長加藤武の存在は嬉しいことだし、草笛光子が役を換えての出演にも驚かされました。島田陽子が松島菜々子、あおい輝彦が尾上菊之助と、顔立ちはかなり似ている俳優を使っているのは、演技はともかくなかなかのキャスティングでしたし、とにかく松島菜々子が台詞が少なかったので一安心でした。

 犬神家は犬神製薬として財をなした家であるけど、等々力警部が最初に飲んでいた薬は犬神家の薬だったのか、それとも遺産相続にひっかけて洒落のつもりで胃散を飲んでいたのかははっきりわからない。もしかするとキクゾーラーメンを食べて消化不良になっていただけかもしれません。遺産相続はいったい誰の元へ!などと考えていると、ロート製薬キャシロンのCMに出ていた石坂浩二を思い出し、胃散はやっぱり金田一の元へ行くんだという妄想にも陥ってしまいます。歴代金田一耕介役には誰が一番似合っているのかというアンケートでもこの胃散効果もあってか、石坂浩二に落ち着くのかもしれませんが、渥美清だってパンシロンのCMに出ていることだし、意見が分かれることになるのでしょう。ちなみに他の金田一は胃薬CMに縁がありません・・・

 意外な副産物であるスケキヨマスクやスケキヨ人形が人気あるようですが、オリジナル『犬神家の一族』が公開された当時といえば、新田たつおのコミック「ガクエン遊び人」に凶暴な助清くんが登場するほど、助清ブームともなりました。怖いイメージを植え付けて、物語の中にはラブストーリーも隠されているなんてのは効果的ですが、そんなに何度も見てしまうほどの映画じゃないのになぁ・・・今作でもそれほど強調されてなかったし。

kossy
YOUさんのコメント
2022年12月31日

リメイク版「本陣殺人事件」は台本(初稿)まで
できていました。1部が原作で2部がオリジナルの構成で共同監督は岩井監督でした。
原作重視の市川監督からすると収まりが悪かったんでしょうね。
前作の八つ墓村もホントは石坂金田一を使いたかったらしいので、いろんな思いを込めてセルフリメイクしたのかと思います。

YOU
kossyさんのコメント
2022年12月30日

YOUさん、詳細なコメントありがとうございます。
色んな経緯があったんですね~ためになります。
本陣殺人事件は75年に映画化されてたんですね。田村高廣の金田一耕助も見てみたいです。

kossy
YOUさんのコメント
2022年12月30日

市川監督、当初は金田一のデビュー事件「本陣殺人事件」を、という企画がありました。
二部作で共同監督というのが気に食わなかったのか途中で頓挫。で単独この作品を手掛けました。
さらにまだ映画化されていない作品にも意欲を示していたようですが、2年後の2008年お亡くなりになってしまいました。
存命なら先の「本陣〜」を見直したかもしれないし、他の作品が見られたかと思うと残念でなりません。

YOU