「バードマン」終身犯 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
バードマン
ジョン・フランケンハイマーの手腕が光る
ドキュメンタリータッチの映画で
それが誤解を招くが
(俳優のメンツもよい)
この映画はフィクション扱いされている
(ランカスターも色々、口をはさんだ模様)
物語の主人公は実在の有名な犯罪者
ロバート・ストラウドで刑務所内で看守も刺殺
絞首刑になるところを母親の上訴で免れ
54年間投獄され42年間独房で過ごす
終身刑が確定した後
レブンワースの連邦刑務所の独房に移され
雀の巣を見つけた処から数奇な運命が始まる
2冊の本を書き、鳥の病理学に貢献したとされ
アルカトラズに移されてからは
アメリカの刑罰制度の歴史についての本も書いている
1946年の刑務所内反乱の終結にも一役
それらにより更生したと捉え
釈放を求める運動も起こるが
トルーマン元大統領(民主党)も支援は拒否
サイコパスと考察する人もいる
1918年の絞首刑宣告後には
母親がウィルソン大統領の妻に訴え
延命に成功したことが描かれている
大統領は重病だと説明していて
これが事実ならば大統領夫人の役割について疑問が残る
(大統領は1919年に脳梗塞を起こし、その事実は秘匿されていた)
(数奇な運命の始まりはこの辺からかしらん?)
調べてみると、ストラウドは人間の可能性と闇の深さを同時に感じさせる人物のようだった
作家性がある、ということも複雑さに拍車をかけている
雀やカナリヤを熱心に飼育し研究する姿に
外部の人々が簡単にほだされてしまう、ということも理解し世論誘導する
ストラウドについてはテレビドラマなどでも触れられているようなので、機会があれば観てみたい
フランケンハイマー監督の映画ももっと観てみたい、と思った
フィクションと知った今でも
強権的な母親による母子密着の弊害とか
(今はなき)アルカトラズの存在とかは気になってしまう
彼を生んだお母さん(セルマ・リッター)が怖い
共感ありがとうございます。本当に怖いと思いました、でも、なんか違うと感じました。エデンの東とかと比べても、自虐的にマザコンにならずに。
原爆の噺が出て来た時は鳥肌がたちました。アルカトラズって日本列島の事だ。と思いました。すみません長くなりました。