「ショーン・ペンとダコタ・ファニングの演技が、凄すぎる!!」I am Sam アイ・アム・サム 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ショーン・ペンとダコタ・ファニングの演技が、凄すぎる!!
2001年(アメリカ)監督は女性でジェシー・ネルソン。
7歳の知能しかないサム(ショーン・ペン)が、サムより賢い7歳の娘ルーシー
(ダコタ・ファニング)を養育出来るかが、問われる映画です。
冒頭、ショッキングでした。
7年前。病院に駆けつけたサム。生まれたのは女の子。
ルーシー・ダイヤモンドと名付けられます。
その翌日、ホームレスだった母親は姿をくらますのだ!!
この時点で、福祉関係者はサムからルーシーを取り上げると、
思いませんか?
どうやって生後間もない赤ちゃんを男手ひとつで育てるんですか?
お金はどうするの?
家賃、光熱費、ミルク代、オムツ、おむつカバー、下着に着替えの洋服や・・・
洗濯、炊事・・・サムの食事などなど。
赤ちゃんって信じられない位、お金がかかるんです。
サムのスターバックスのアルバイトで足りるわけないもの。
アパートの隣人・アニーおばさん(ダイアン・ウィースト)が助けてくれた?
それは「赤ちゃんは二時間おきにお腹が空くのよ」と教えてくれた。
(ダイアンの引きこもりのピアニストも名演でしたが、母親代わりに奮闘したとは思えない)
7歳の知能だから、サムを超えた知能の娘を育てられないって??
新生児の方がよっぽど育てられないでしょ!!
清潔で神経質の極み・・・みたいなダコタ・ファニング。
普通こんな清潔に育たないですよ、この環境で。
ちょっとした警察沙汰に巻き込まれたサムは、リタの親としてふさわしいか?
問われて裁判になります・・・法廷ものですよ、皆さん大好きな!
敏腕弁護士のリタ(ミシェル・ファィファー)が、サムの親権争いの無料弁護を引き受けてくれます。
ミシェル・ファィファーのキャラクターがまたまた魅力的。
息子ウィリーの愛し方を、サムより分からない才媛です。
この映画は配役がとても良い。
サムの友達は本物のダウン症の青年やら、知的障がい者の方々が演じているのも
素敵です。
(ここだけはリアルですね)
ショーン・ペンは顔中の筋肉をすべて緩めたのかしら?
今にもヨダレが垂れてきそう!!
全身で「アイアムサム・・中身は7歳!!」と、主張している。
7歳なら、いや7歳で、もっと知的な瞳の少年は幾らでもいるから、この演技は
かなりやりすぎ。風刺漫画を見てるみたいだ。
ショーン・ペンが真顔になった瞬間が一瞬ある・・・それはリタから夫の背広を借りて、
ピシッの着込み鏡をのぞいたその一瞬・・知的でかっこいいショーン・ペンがいた。
名作との評判は届いてましたが、なぜ今に至るまで、観ることを
ためらっていたのか?
一言で言えば「勘」です。
映画の宣伝ポスターを見た私は、この映画を観たいとは思わなかった。
「嘘」とか「イミテーション」の匂いがした。
その勘は当たった!
(障がい者の性とかは、上手にオブラートで隠されている)
いいお話だけど、それ以上ではない。
口当たりの良いラムネ菓子・・主食にはならない・・そんな映画だった。