劇場公開日 2006年9月26日

「福島万歳!!」フラガール 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0福島万歳!!

2013年8月31日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館、DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

2006年の日本映画の賞と話題を総ナメした感動エンターテイメント。
個人的にも、2006年のベストは今作か「嫌われ松子の一生」か大いに悩んだ。(悩んで悩んで、僅かな差で斬新な「松子」を選んだ)

僕はこの映画が無条件で好き。
何故なら、我が福島を舞台にこんなに魅力的な作品を作ってくれたから。
福島は都道府県の中でも目立つ県ではなく(悲)、今となっちゃ原発事故で変なイメージがついてしまったが(泣)、これほど福島の魅力を伝えてくれた作品はそうそう無い。

地元なので常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)には何度か行った事がある。
この娯楽施設にこんな秘話があったとは。

炭鉱の田舎町にハワイを体験出来る施設を作る。
突拍子もないアイデアだが、最初から無理と決め付けるのは心外。
いつだって大胆なアイデアが現状を良き方向へと導く。

映画は、ベタと言ったらベタだが、それを最大限に上手く活かしきっている。
要所要所に見せ場を設け、盛り上げ方、笑いと泣きのメリハリの付け方、最後まで飽きさせない作り。
いい映画のお手本。

この映画の一番の話題は、蒼井優。
田舎娘を巧みに演じ、ラストのソロのフラダンスは見事の一言で、何の異論も無い。
でも、蒼井優と同じくらいに松雪泰子も素晴らしい。
しなやかなダンスはうっとりするほどで、男風呂に殴り込むシーンはブラボー!
気の強い中にほんの一瞬弱さも見せ、「優しくされるのに慣れてない」の台詞は特筆モノ。
この年、「嫌われ松子の一生」の中谷美紀が居なかったら、主演女優賞は独占だったろう。
富司純子も豊川悦司も岸部一徳もしずちゃんも徳永えりも、皆、好演!

公開時も今も支持されている人気作だが、それ故、アンチな意見も多い。
話がベタ過ぎという意見がある。だったら、苦悩と葛藤の複雑なドラマが見たかったのだろうか?
フラガールの事しか描いていないという意見がある。フラガールをメインにした事で、華のある映画に仕上がった。
史実に忠実ではないという意見がある。元々史実に忠実に映画化した訳ではなく、それなら何かのドキュメント番組を見ればいい。

映画の公開から数年後、福島は未曽有の大震災に見舞われた。
復興の今こそ、この映画を見直す価値はある。
復興と娯楽施設の開設…一見何の接点も無いが、希望と夢を追う姿に違いは無い。

もう何度も見ているが面白い。
何度見ても面白い。

近大
KENZO一級建築士事務所さんのコメント
2021年11月4日

「嫌われ松子の一生」は未見。とても観たくなりました!

KENZO一級建築士事務所
としぱぱさんのコメント
2014年6月17日

近大さん
コメントありがとうございます。
よく私のつたないレビューを見ていただいて感謝です。
さてこの作品見る前のイメージとかなり違ってました。
見る前はふんわりしたほのぼのムービーかと思いきや
実はかなり昔の私が生まれた頃の話だったんですぬ。
しかもある意味スポ根ムービー(笑)
魅力溢れる蒼井優と素晴らしい演技の松雪泰子。
非常に楽しめました。

しかし近大さん、5点満点ですか!
溢れ出る故郷愛が感じられる熱いレビューですね。

実は松雪泰子さんは私の隣町出身です。
小さい頃から美人で有名な電気屋さんのお嬢さん
だったそうですよ。

としぱぱ