「一人でも多くの人に届けたい珠玉の1本」フラガール ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
一人でも多くの人に届けたい珠玉の1本
のっけから偉そうなことを言ってしまうが、いやぁ、蒼井優はいい女優になった。「リリイ・シュシュのすべて」の頃は、のっぺりとした印象で、正直、どこがいいのか分からなかったが、本作では主演の松雪泰子を食うほどの熱演と可憐さを見せ、見事に映画を背負っている(助演では富司純子が最高!)。
作品自体の話に戻ると「フラガール」には、イイ映画だけが持つ心地よいリズムと“イイ匂い”がある。観客を飽きさせることなく、いくつもの起伏を作って進むストーリーは見事だし、昨今流行りがちな安易であざとい泣きの演出を排除しているのにも好感が持てる。ともかく心の底から泣き、涙した後に笑える傑作だ。もし、劇場で見逃した人には、ぜひDVDを急いで借りに行ってほしい。
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