「噛み締める、託された想い」男たちの大和 YAMATO しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
噛み締める、託された想い
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レンタルDVDで2回目の鑑賞。
原作、ノベライズ共に未読。
松山ケンイチ演じる年少兵を通して戦争の悲惨さを描き、感情移入を容易にしているところが本作の良さだと思いました。
前途有望な若者を死地に送り込み、愛する者のために命を賭して戦わざるを得なくさせた戦争と云う状況が本当に憎い。
それぞれの想いが胸に迫る。大切な者を守りたい一心で戦艦大和に乗り組んだ彼らの姿に涙を禁じ得ませんでした。
高畑淳子演じる母親が息子におはぎを食べさせようとするシーン、明日戦場へと赴く我が子に心をこめた料理を食べさせてやりたいと云う母心に胸を締めつけられました。
送り際の「体に気をつけてな」「死んだらいけんよ」に涙が止まりませんでした。愛する子を戦地に送る心痛や如何ばかりか。二度と世の母親にこんな想いをさせてはならない。
生き残った松山ケンイチは「何故お前だけ帰って来た」と罵詈雑言を浴びせられてしまう。生き残った意味とは。命を懸けて貫こうとした想いを次に託すためかもしれないな、と…
今、私たちが生きていること。その根底には様々な人々の想いの積み重ねがあると感じました。平和の礎となった命の重みを今一度噛み締め、その意味を考えなければならない。
[余談]
多くの人々を飲み込んで海底深く沈んだ大和。まるで墓標のように海底に身を横たえている。壮絶な戦闘の痕を生々しく残し、痛烈なメッセージを発信し続けているように感じます。
※修正(2024/04/24)
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