「ヘドウィグ 魂を歌に込めて」ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘドウィグ 魂を歌に込めて
良かった!
普段、好んでみる感じの作品ではなかったけれど、冒頭のステージシーンから惹き込まれた。魂を歌詞とメロディーに乗せるロックの嵐。晒す感じ、個人的、リアリティーあるから心掴まれるのだろう。
生がベルリンの壁崩壊を挟む激動の世代、渡米もあり 、場所も人も流動的、幸せな時間は常に儚くて、パンチの音楽とは裏腹な人生を駆け抜けてきたのだろう。
彼は切り刻まれたツギハギの体を沢山のデコレーションで覆っていた。でも、ラスト救われる。彼は薄汚れた街の薄暗い曲がり角が怖くなくなったから。
受け入れられる前には自爆が必要だった。欲していた愛、貰うことに飢えていた彼の心に灯火をくれたのはかつての彼を裏切ったロックスター。ヘドウィグは与える愛の安らぎ歓びを初めて感じられたのかもしれない。
派手で自我や個性を押し出すファションや化粧も似合っていたけれど、渇いていた思いが満たされた時、かつらを捨て、ありのままの自分を肯定して、外の世界に新たに歩き出せたのだろうと思った。
愛の起源、哲学的。アニメーションもストーリーにマッチしていた♫
どの曲も良かったが “深夜のラジオ”泣けてくる。
多分、また観たくなる作品。
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