劇場公開日 2016年12月17日

「セカチューを見たいと思ってたのに、ヤクチューを見てしまった。」シド・アンド・ナンシー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5セカチューを見たいと思ってたのに、ヤクチューを見てしまった。

2020年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 『(500)日のサマー』にも使われていたシド・アンド・ナンシーネタ。
「私たちシド・アンド・ナンシーみたいね」
「僕はナイフで刺したりしないよ」
「私がシドよ」
と、つい映画の内容を知りたくなってしまいました。

 パンクは当初から好きではなかったため全く触れずに過ごしてきましたが、多分反体制的な歌詞を聞き取れなかったからです。その点ではラップやヒップホップも同じだし、ボブ・ディランにしても何言ってるのかさっぱりわからないから避けてきました。この映画を観ても、歌の歌詞はほとんど字幕になっていなくて、唯一「マイ・ウェイ」だけが字幕化されていました。

 セックス・ピストルズのベーシストであるシド・ビシャス。ナンシーという恋人が出来てから、いつも一緒にいて、バンド活動にも支障をきたすことになっていく。ヘロインを中心にヤク漬け、ジャンキーとなってしまい、ステージでも破壊的な演奏を繰り返す。この役柄を若きゲイリー・オールドマンが乗り移ったのではないかと思うくらいに迫真の演技で魅せてくれる。ピョンピョン飛び跳ねる様子は結構面白いぞ!

 アメリカに渡ってからは堕ちるとこまで堕ちた感じになったシドとナンシー。しかし、ナンシーは仕事を取ってきてくれるし、ある程度心の支えにもなってくれる。他のバンドメンバーは先に帰国してしまうし(解散とははっきり言ってなかった)、ソロとしてステージに立つのですが、ヨロヨロだし、歌詞も覚えられないからカンペを持って歌う有様。廃人一歩手前の状況だ。

 実際にシドがナンシーを刺したのかどうかは不明だし、事件のあった場所がファンの聖地にもなっているらしい。そして釈放されてからの光景がとてもいい。堕落したシドにぴったり合ってたし、瓦礫の中にポツンと立つピザ店と、KC&サンシャインバンドの「ゲット・ダウン・トゥナイト」で踊るスラム街の子どもたち。そして、違和感のあるイエローキャブなど、ジャンキーの妄想も取り入れ余韻を残してくれた。

kossy