半落ちのレビュー・感想・評価
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淡々と描いて欲しかった
警察署内で検事が警官にねつ造だと怒鳴ったり、
被疑者を尋問中に突然他の警官が乱入して争いになったり、
葬儀の場で遺族に不躾な質問攻めをしたり…
話に起伏を持たせるためのこれらの過剰な演出は、
一見ありえそうで、現実では絶対と言っていいレベルで起こらない。
人間ドラマという視点でこの映画を見ると、
リアリティのない大味の演出を多用するものに説得力があるはずもなく。
無駄に警察と検察の対立という大げさな話が盛り込まれているのもそうだし、
単に有名かどうかで選んでいそうなキャスティングもそう。
「大衆にはどうせ映画なんぞわからん。派手にぶちあげればよし」
と言われている気がした。
自分ならどうするだろう…難しい
半落ちの状態であとは空白の2日の自白だけ。ここから2時間大丈夫なのか?
何かとんでもないオチがないともたないぞ?と心配していたのだけど、なるほど!そういう事か!と興奮するほどのオチはなかった。
人としての死は何処からなのか?と問われてる気もしたが、やはり梶ほどの人間がアルツハイマーを患い息子の死を2度経験し壊れていくのを見てられないとし殺すだろうか?
人によって死生観で感じ方が違うのか、僕には到底理解出来なかった。
アルツハイマーで物忘れが多くなり全てを忘れり怖さは計り知れないけど記憶は残ってるのではないか?
子どもの死からは立ち直れないのか?
この物語が提示してるその先の光が見たかった。
溢れる涙
アルツハイマーは決して人事でなく至るところにある現実でいつ自分が身内が思うと辛い。
裁判のシーンは心が張り裂けそうだった
殺人は悪い事。でも分かるような気もする。
見る方も本人も大変だもの。
本当に心が悲しさでいっぱいになった!
肉体と魂と
人は
辛い思いを忘れることで少しづつ悲しみから立ち直れると信じていた。
少しづつ時間をかけて
少しづつ涙が乾き
そして少しづつ笑顔が戻ってくるのだと思っていた
しかし完全に忘れ去るのではない
『ラビット・ホール』の母親のように、ポケットの小石になるのだ
その小石は生涯消えることなくそこにある
もしもその小石さへ忘れ去ってしまったら
その出来事さへ忘れてしまったら
ポケットの小石はとてもとても大切なものなのだとあらためて思う
大切に大切にしまっておかなければならないものなのですね。
アルツハイマーの妻を殺めた警官の、殺害後二日間の行動の謎にせまる。...
アルツハイマーの妻を殺めた警官の、殺害後二日間の行動の謎にせまる。
原作がいいんだろうと感じます。この映画、原作にどこまでせまれているのだろうか?それなりに面白いのですが、どうにも二時間ドラマ的な感じが…豪華俳優陣が映画にしてくれているような気がします。
にしても、正義の裁判官に吉岡秀隆は合わないのでは(笑)
高島礼子の無駄遣いも、ちと許せません。
日々、物忘れが多くなる自分が怖くなりました。
一級品の役者が演じるとこうなるのか。というのが正直な感想。 原作読...
一級品の役者が演じるとこうなるのか。というのが正直な感想。
原作読んで、クライマックスで拍子抜けした印象がある。
が、こちらはその理由に至る過程が、役者たちの演技でとてもよかった。
いくつか原作とは違う展開にしているところもあり、それが映画としてよかった理由でしょうか。
寺尾聰の表情で表現しているところは、さすがといえる。
ただ、51歳で死のうとしている理由がわかりにくい。
原作ではそこに焦点あったが、こちらは二日間を話さなかった理由がメインだった。
そして最後の吉岡秀隆との対峙は、命というものの難しさがあった。
魂はほんとに壊れているのか?吉岡秀隆の家族の穏やかな日常で考えさせられる。
新聞記者に鶴田真由・・
小説も少し前に読んだ。ストーリーを知っていたから観やすかったか!?若年性アルツハイマーに苦しむ妻に対して嘱託殺人を実行した現役警察官に寺尾聡。警察内部の犯行に警察と検察がマスコミを押さえ込む。真相を暴こうとする記者に鶴田真由。「空白の2日間」に容疑者は何をしたのか!?社会派ドラマの展開に息を呑む。警察、検察、弁護士、裁判官、マスコミ、そして家族の問題に真摯に向き合う・・やはりいい映画だった(涙)
梶の優しさが伝わってきた
優秀な警察官として知られていた梶が、アルツハイマー病を患っていた妻に「殺してくれ」と懇願され、ついに手をかけてしまったと警察署に自首してくる。
罪を認めて全てを自白する「全落ち」と思われたが、妻を殺してから自首するまでの2日間について梶が語ろうとしないため、事件の全貌が明らかにならない。
警察はとりあえず「死に場所を探して彷徨っていた」ということにして調書を作りマスコミに発表するが、マスコミは納得せず、世間の注目はこの「空白の2日間」に集中する。
梶はそれでもなお口を閉ざし、裁判が始まっても頑なに黙秘を続ける。
「空白の2日間」に一体何が起こったのか。
なぜ梶は何も語らないのか。
◆「空白の2日間」の謎
夫妻は数年前に、一人息子を白血病で亡くしていた。
発病の際に夫妻揃って骨髄移植のドナー登録をするが、息子に適合するドナーは現れず、亡くなってしまう。
しかし死の翌年、梶の骨髄に適合した患者が現れて、手術は成功。
相手に会うことは許されないが、打ちひしがれていた夫妻は息子が戻ってきたように感じ、寛喜する。
その矢先、妻のアルツハイマー病が発症。
少しずつ自分が壊れていくことを恐れて苦しむ妻と、愛する彼女が不憫で仕方ない梶。
ある日、妻は新聞記事で、梶から骨髄移植を受けた相手と思しき人物の投書を見つける。
14歳で手術を受け、今は新宿の小さなラーメン屋で働いているという少年の、梶への感謝の手紙だった。
妻はその投書を見て興奮し、同時に逡巡する。
会いに行ってはいけない、でも会いたい。
息子を失い、自分もアルツハイマーで先は長くない。
ドナー移植を受けられる年齢制限は50歳。
51歳になったらすぐ、夫は私たちの後を追って自殺するだろう。
なんとしてもそれを阻止したい。
投書のヒントを頼りに妻は何度も新宿に行き少年を探すが、見つけられないまま病状が悪化し、ついに事件が起こる。
妻を殺めた後に自分も死のうとした梶は、妻の日記を見つけた。
そこには、新聞の投書の切り抜きが貼ってあった。
梶は堪えきれず少年に会いに行っていた。
しかし、それを証言すれば、殺人という罪を犯した自分の骨髄を、少年が移植したということが世間に知られてしまう。
少年の身を守るため、梶は「空白の2日間」について絶対に語ろうとしなかったのだった。
愛する人が苦しみ続けている姿を目の当たりにして、どんな行動を取るべきなのか。
大切な人を守るために、自分には何ができるのか。
絶望的な状況の中で梶が下した決断と、どんなに周りから揺さぶられてもそれを貫き通す彼の意志の強さや優しさが沁みる作品でした。
◆感想
文章にしたらすっきりした!
こういう映画って、自分の感想うんぬんより、内容を正確に理解して、布石を回収し尽くすことを重視して観た方が面白い気がする。
観終わってすぐは頭の中がまだちょっと混乱していたけど、こうやって一つ一つ書いてみてやっと、
「そうか、梶は少年の身を守りたくて黙秘していたのか」
と理解できた。
最後少年にも会えたし、きっと自殺はしないだろうし、良かったなー。
・・・だけど、同時進行で進んでいた少女連続暴行事件のくだりは梶事件と何か関係あったんだっけ?(結局回収し尽くせてない
ラストシーンの構成に難有り。
正直、何をどうしたいのか?
守りたいものは何だったのか?
後で段々と、その内容が解るにつれて・・・。
うーん、主人公はもう少し考えて
行動できなかったのかなあ。
警察が殺人を犯す。
その周りで起きる、それぞれの想い。
この発想は意外と面白いが
段々と人間臭さが薄れ、悲劇へと
変わってゆく。
残念でした。
、
妻殺しの経緯を描写するのかと思っていたが
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
重い主題と登場人物たちのしっかりとした演技が目に付いた。反面、何が最も言いたいのかが中途半端になっている。妻を殺さざる得なかった刑事の、人としての苦悩や背景を掘り下げるのか。それとも捜査の裏にある、警察官が殺人を犯したという事実に直面した警察の面子と捜査や検察との葛藤なんかを描きたいのか。もっと妻を殺すにいたる事情が生々しく描かれるのかと思ったが、どちらつかずのままにあっけなく終わってしまった感じがする。
それは、私自身を決して忘れたくないから
映画「半落ち」(佐々部清監督)から。
この作品、横山秀夫さん原作・寺尾聰さん主演で話題になったが、
私は、原田美枝子さん演ずる妻が、ある新聞投稿を読み
日記を書きはじめるシーンが印象に残った。
原作とは違った台詞が、私のアンテナに引っかかったのである。
「今日から私は日記を書きます」に続き、綴られたフレーズで、
どうして書き始めたか・・を丁寧な字で書いてある。
「それは、私自身を決して忘れたくないから」と。
メモしたのは、私も同じことを思っていたからだ。
この「気になる一言」も、毎日続けなくても誰も怒らないし、
たとえ途切れたとしても、誰も気にならないかもしれない。
さらにこのところ、仕事が多いのか、私の仕事が遅いのか、
嫌ってほど残業が続くのに、なぜか書かずにいられない。
どうして寝る時間を惜しんでまで・・と訊ねられたら、
たぶん、冒頭のフレーズを思い出すと思ったからである。
この1年間、今まで仕事をしてきた二十数年間の中でも、
1番忙しかった1年だったかもしれない。
だからこそ、こんな経験は次の人にはさせてはいけないと感ずる。
どんなに忙しくったって、自分の時間を作って書き続ける楽しみ。
これだけは守り続けようとする私は、たぶん誰よりも
自分自身を忘れたくないからなんだと思っている。
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