七年目の浮気のレビュー・感想・評価
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可愛い男と女
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
妻子が避暑に出かけていない間を狙っていたかのように、ここぞとばかり色気むんむんの可愛い女が上の階にやってくる。たったそれだけのことで舞い上がって右往左往してしまう初心な中年男がまた別の意味で可愛い。彼女を意識して彼女と何か起きることを勝手に想像しちゃって、でも倫理観に縛られ妻子のことを思って罪悪感を感じてへこんで、と自己完結。
現在の映画ならばすぐに火遊びを楽しむことに躊躇無かったりするのに、この時代はマリリンが目の前に現れていい雰囲気になったとしても、地下鉄の風でスカートがひらひらと舞い上がったとしても、まだアメリカの家庭は平和でほのぼの。わずか数十年でここまで違うものかという社会の変貌ぶりも意識さらせれる。
観客の視点の転換
地下鉄の通風孔の上で、吹き上がる風にめくれ上がるスカートを押さえるマリリン・モンローの姿態があまりにも有名なこの作品。
妻子が休暇で留守をしているニューヨークのビジネスマン。彼が出会うのはグラマーな金髪の美女。生真面目なくせに妄想だけはとどまるところを知らない彼は、彼女との短い恋の物語を現実化させたい欲望に囚われる。
面白いのは、この魅力的な女性のことを、彼が「マリリン・モンローのような」と表現するシーンである。ここにきて観客たちは、この男が、自分の目の前にいる美女がマリリン・モンローであることにも気付かないほど不器用な人間であることを確認することになる。そして同時に、映画は男の妄想の中を覗いてるのではなく、(マリリン・モンローが「マリリン・モンロー」として生きているという意味で)現実を切り取ったものであるという視点の転換が行われる。
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