七年目の浮気のレビュー・感想・評価
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観客の視点の転換
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地下鉄の通風孔の上で、吹き上がる風にめくれ上がるスカートを押さえるマリリン・モンローの姿態があまりにも有名なこの作品。
妻子が休暇で留守をしているニューヨークのビジネスマン。彼が出会うのはグラマーな金髪の美女。生真面目なくせに妄想だけはとどまるところを知らない彼は、彼女との短い恋の物語を現実化させたい欲望に囚われる。
面白いのは、この魅力的な女性のことを、彼が「マリリン・モンローのような」と表現するシーンである。ここにきて観客たちは、この男が、自分の目の前にいる美女がマリリン・モンローであることにも気付かないほど不器用な人間であることを確認することになる。そして同時に、映画は男の妄想の中を覗いてるのではなく、(マリリン・モンローが「マリリン・モンロー」として生きているという意味で)現実を切り取ったものであるという視点の転換が行われる。
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