七人の侍のレビュー・感想・評価
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3時間をまったく退屈させないストーリーとキャラが魅力
白黒映画なんてつまらない、15年前まではそう思っていた。しかし、高校生のとき映画の授業で観てあまりにも面白くて衝撃を受けた。以来、定期的に鑑賞している。
3時間をまったく退屈させないストーリーとキャラが魅力。話は強力な仲間を集めて悪に立ち向かうという流れでシンプル。今の少年漫画やRPGゲームでもよくある構成で古臭さを感じずとっつきやすい。
当時の百姓の扱いの酷さも描かれ可哀想に思えてくる。野武士狩りをしてた闇の部分もあり、良い所だけでなく悪い一面を見せたことでより人間らしくリアルに感じた。
特に好きなキャラは久蔵と菊千代。
久蔵は無口でクール、やることは黙って済ませるのがかっこいい。特に種子島を1人でささっと取ってくるのはシビれる。勝四郎が惚れる気持ち分かるなぁ。
菊千代は動きが面白い。ぴょんぴょん跳ねたり、奇声を上げたり、人間というよりはまるで動物のようだ。
トリッキーなキャラかと思いきや、カンカン鳴らして百姓を集めたり機転を効かせて活躍する場面もありギャップが良い。
百姓の落武者狩りがバレた時、涙ながらに百姓の気持ちを代弁するシーンは何度見ても感動する。
たまに無償に観たくなるので、これからも何度も見返すことになるだろう。5点じゃ足りない、10点をあげたい傑作。
自分史上最高の日本映画
・3時間半にもかかわらす無駄なシーンが一切無い。
・戦シーン序盤で七人のうちの1人が死んでしまう。これにより残りの侍が死にはしないかとハラハラしながら観ることになる。
・自分は侍を集めるシーンが特に好きだ。1人1人集まる度にワクワクする。
・お荷物的な存在だった菊千代は侍と百姓が団結するうえで重要な存在となっていく。
・七人の侍の中で1番好きなのは片山五郎兵衛。
本当に勝ったのはだれ?
あまりにも有名だからいまさら自分ごときが書くこともない気さえしてしまう。
しちめんどくさいこと抜きにしちゃってもおもしろい。
それは何故か。
スクリーンの中の人間がどれも生き生きとしているからだと思う。
おのおのの事情を抱えながら立ち上がる姿に、現代のわれわれも共感する部分、あります。
最後に勝利を勝ち得たのは農民なのか武士なのか盗賊なのか。
私は何事もなかったかのように戻っていく「日常」を持ってる人たちだろうと思いました。
もう少し短かったらなあ。
善さと不条理みたいなもの
【あらすじ】
戦国時代後期の日本は、士農工商の身分はすでにはっきりと現れかつ戦に負けた武士たちも多く、野武士と呼ばれる盗賊団になる集団も蔓延っていた。野武士が村を襲うことを画作していることを知った農民たちは、村を守るため、下級武士に村の護衛を依頼することを思いつく。十分な報酬を準備できるわけのない仕事であったが、話を聞いた勘兵衛がその話を承諾する。米を作っているはずの農民は稗しか食べられず、その米を食べる武士が農民を守らないのか?という不条理を考えるのである。
こうして仲間探しを始める勘兵衛であるが、彼自身の人柄もあり、村の護衛に必要と思われる7人は次第に揃う。
農民は武士に護衛を依頼をしつつも、抑圧する階級である武士に不信と恐怖を持っており、村に到着した一行をまったく歓迎しない。そこで、一味に加わっていた菊千代は野武士の襲来を装い農民と武士との対面させることに成功すると、野武士の攻撃に備え準備を進めていく中で、この両者の結束が生まれてくる。けれども互いを知るほどに、農民への武士の不信、また逆の武士から農民への無自覚な侮蔑も炙り出された。
いよいよ野武士が襲いかかってくる。勘兵衛の優れた統率力で徐々に野武士は数を減らす。しかし戦況は悪くないながら、農民と武士も痛手を負う。最終決戦を終え、野武士を撃退した村に残ったのは、田植えを始める農民と、3人の侍であった。
【感想】
そのタイトルは聞いたことがありながら、見たことがない名作と呼ばれる映画。こういうものは、結局のところ観た方が良いんだなと、素直に思いました。200分越えの長編ながら、飽きるということがなかった。本当にすごい映画なんですね。すごく面白かったです。
何が面白いのか。登場人物の魅力ということを挙げたいです。勘兵衛を始め、7人の武士たちはそれぞれにはっきりとした個性を持っています。経験豊富で統率力があり、大きな器と線を引く決断力を持った勘兵衛(志村喬)が1人目っていうのが良いんでしょうね。他の武士がその人となりを信頼していくように、こちらもついつい勘兵衛の行動に引き込まれていくんです。その勘兵衛を取り巻く6人についても皆が魅力的で、例えば農民出身の菊千代(三船敏郎)には野蛮でありながら、弱者であったが故の純粋な正義感には心打たれるものがありますし、五郎兵衛(稲葉義男)勘兵衛をサポートする大らかな存在感もそうですし、とにかく農民も含め、それぞれが魅力的。そこに個人単位の交流が描かれるのも微笑ましくて良いんです。
けれど、次第に登場人物だけでなく僕らも驚くような事実が垣間見えてきます。虐げられるだけの存在のように見えた農民の思わぬ強かさと残酷さ、一番若く、若いが故に農民の女との恋沙汰で問題を起こす勝四郎(木村功)など、それぞれの個性でありながら、しかし普遍的に人間が持つ善と悪。常にその両面を持った存在である人間が映画には描かれていきます。途中、戦に備えて旗を作るシーンがあります。武士を表す6つの○と△がひとつ、そして農民全部を表すおおきな「た」の文字。これは、それぞれのキャラクターが持つ善徳と悪徳を表すような象徴性を持っているようにも思えました。
昔の映画ですし、台詞もよく聞き取れなかったり、カツラのクオリティも最初は気になったんです、正直。けれどそんなことは問題ないんでしょうね。
ダイナミックな戦闘シーンもちろんすごいです。けどもっと良かったと思うのは、今の僕たちにも共感できるような人間の善さ醜さが、魅力的な登場人物を通して素朴でリアルに感じられることです。
合間に挟まれる「休憩」のインパクトもすごい、、!
迫力ある映像
今から70年近く前の作品とは思えない躍動感あるシーンが満載。荒野の七人を先に見ていたが、元祖七人の侍は農民の暮らしや、一人一人の描写が細かい。その分長いのだが。侍と農家の娘の禁断の恋、三船敏郎の三枚目ぶり、所々コミカルなシーンもあり、飽きさせない内容になっている。ラスト、野武士を撃退したが、戦いで仲間を失い、戦いの無情さを嘆いている。
傑作
午前10時の映画祭で見た。
3回目ぐらいだったが、こんな最後だったっか?
三船敏郎演じる菊千代が生き残るストーリーの記憶だったんさ。
・とある貧しい村が対野武士に備え飯食わせるからの理由で七人の侍を雇う。
・生き残るのは3人
・三船敏郎は百姓の出で、百姓の自分を皮肉ったセリフが心に残った。
・
リバイバルで観賞したが
モノクロ映画を映画館で観たのは初めてで冒頭の野伏り集団が村を確認するシーンが暗くて見えない…と驚いたが、目が慣れると同時に物語に引き込まれた。
野伏りによる圧倒的な略奪に怯える百姓たちが侍を雇って野伏りを「つっころすだ!」と生きる選択をする所から始まるが
「飯食わせるから、野伏りと戦ってくれ」と無謀なお願いをしに行くとたちまち、百姓も心折れ始める…。ようやく官兵衛に出逢えるが要らぬ心配を始める百姓たち、村長の「首が無くなるのに髭の心配をするやつがあるか?」と(笑)
端々にユーモアも含めて楽しめるこの作品に名作の風格を感じずにはいられない。
多士済々の七人の侍が村人たちと反発し交わりを繰り返していく件は丁寧で分かりやすく、野伏りに怯えながらも強かな百姓とそれを複雑な気持ちで見る侍たちと言う構図、笑うときは笑い、泣くときは泣く百姓の気持ちの表現には時代を感じるものの、生命力を感じる。
侍と百姓のあり方を生々しく、風刺も込めて描かれていて痛快な時代劇でありながらなるほどと納得するところもあり、この作品が単なるチャンバラ時代劇とは一線を画している。
当時の鑑賞で驚いたのはフィルム自体に休憩と文字が出て、文字通り休憩になる事で、何分休憩があるのか分からなかった事だった(笑)
侍たちよ、永遠なれ
第15回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞作。
レーザーディスクで鑑賞。
名匠・黒澤明監督の代表作であり、日本が世界に誇る傑作映画のひとつであり、誰もが称える問答無用の時代劇大作。
あらゆる称賛の言葉を並べても足りないくらいのマスターピース。一言では表せないたくさんの魅力が詰まった映画だ。
3時間27分があっと言う間に感じられるストーリーテリング。マルチカメラ方式を邦画で初採用した、映画史に残る雨中の戦闘。侍と百姓たちの織り成す、濃密なドラマ。…
どこを切り取ってもエンターテインメントの最高峰で、圧倒的なダイナミックさを誇る映画文化の金字塔だな、と…。その面白さは全く色褪せず、きっと永遠不変であろう。
侍たちのキャラクターを紹介する冒頭。百姓たちを調練し準備をする中盤。野武士との激戦が繰り広げられる終盤。…
それぞれのパートが時間的に均等に描かれており、終盤へ向けての盛り上がりは筆舌に尽くし難い高揚感がある。
初鑑賞時からしばらくは個性的なキャラやアクションに夢中だったが、回数を経ると勘兵衛のセリフ―「勝ったのはあの百姓たちだ。我々ではない」が沁みるようになった。
普段は卑屈に見えても、その実したたかに毎日を生きている百姓たちの姿には、現代に生きる私たちにも、ハンパない熱量で語り掛けて来るものがあるように感じたからだ。
特筆すべきは、「東京物語」や「ゴジラ」、そして本作と、世界中から名作・傑作と称される映画が同じ時期(1953年~1954年)に製作・公開されていたこと。
当時の日本の映画産業の勢いを感じると共に、名匠たちの果敢な映画表現への挑戦が最も花開いていた時期なのではないだろうか。まさにゴールデン・エイジである。
これらの作品が今尚日本のみならず、世界の映画監督たちに影響を与えているのは本当にすごい。世界中から愛される作品を持つ国に生まれたことを心の底から誇りに思う。
[余談]
初めて本作を観たのは近所の図書館にあったレーザーディスクでだった。当時大学受験を控えた夏休みで、近くの公立図書館の、エアコンが効いた自習室で勉強していた私は、ちょっと疲れたので気分転換に何か映画でも観ようかなと思い、タイトルを知っていると云う理由だけで本作に手を出したのであったが、それはいい意味で大きな間違いだった。
面白過ぎたために、勉強そっちのけでイッキ観してしまったのだから。昼から観始めて気づけば夕方。本作の魅力にどハマりし、DVDを購入して繰り返し観るようになった。
何度観ても飽きない。むしろどんどん魅力が増して面白くなって来る。それが名作の証しであるように思えた。
それまでの私の映画鑑賞傾向は、ゴジラ・シリーズをはじめとした特撮映画やハリウッドのアクション大作ばかり。
名画と呼ばれる作品は観たことは無かった。古臭いし、面白くないだろうと勝手に決めつけていたのだ。
ところが本作を観たことで、今の映画に負けない迫力や魅力的な登場人物に魅了されて開眼。今まで避けていたことを深く後悔し、未見のものは新作と一緒と云うことを痛感した。
それ以来、今尚語り継がれている名作を片っ端から鑑賞し、好きな映画のジャンルの幅が広がるきっかけとなった。
東宝特撮映画でお馴染みの俳優が出演していることも、本作に親しみを覚えた理由のひとつかもしれないと思う。ゴジラ・ファンには黒澤映画を好きな人が多いらしい。
[追記(2018/07/14)]
4Kデジタルリマスター版を鑑賞して。
初のスクリーン鑑賞。感無量だった。
観客の年齢層高そうだなと思っていたが、私と同年代くらいの人もちらほらいたし、それより下の高校生もいたことに驚いた。幅広い年齢層に魅力が波及する。名作の証だなぁ…
驚いたのは、映像も音声もすこぶる鮮明だったこと。DVDで観る際は字幕が欠かせなかったが、セリフがとても聞き取り易かった。是非ともUHDブルーレイで発売して欲しい。
映画館ならではの迫力があって、本作のダイナミックな世界に引き込まれた。何度も観ているのだが、初めて真の「七人の侍」を観たような心地がして、幸せな体験であった。
[以降の鑑賞記録]
2012/? ?/? ?:DVD
2013/? ?/? ?:DVD
2018/07/14:TOHOシネマズ西宮OS(午前十時の映画祭9,4K)
2019/07/22:DVD(ディスク1)
2019/07/23:DVD(ディスク2)
2020/02/08:TOHOシネマズなんば(午前十時の映画祭10,4K)
2024/10/29:Ultra HD Blu-ray
※修正(2024/10/29)
抜け駆けの功名は、手柄にならん
映画「七人の侍」(黒澤明監督)から。
遠い昔(笑)鑑賞したが、なぜか急に観たくなったのは、
映画「二つ星の料理人」で、主人公がこんな台詞を言う。
「『七人の侍』を観た?、あれは俺の理想だ」。
映画好きであり、好奇心旺盛の私にとって、
どの部分が理想なのか、知りたくなったからである。(汗)
言い争いのシーンにも、うぐいすの鳴き声や琵琶の音が
BGMに使われていて、そのギャップが妙だったが、
作品を貫いているものは、チームワークの大切さ。
仲間集めから始まる、強いチームの作り方も参考になったし、
一人ひとりは個性的だが、自分の与えられた役割を意識し、
たった七人で、40人近い野伏せに立ち向かう設定も面白い。
「抜け駆けの功名は、手柄にならん。
いいか、よく聞け。戦は一人だけでするものではない」
志村喬さん演じる、浪人の野武士が言い放つ。
強い相手に立ち向かっていくとき、必ずと言っていいほど、
個人成績より、チームの勝利が優先される。
それは、戦国時代の戦だけでなく、現代の野球やサッカー、
チームスポーツには欠かせない考え方となっている。
それはまさしく、三つ星の称号を手にいれる料理の世界も同じ。
いい映画を作るのも、やはりお互いを信じあえる団結力。
そして、それをまとめあげる「リーダーの先見性」。
学ぶべきことは、いっぱいあったなぁ。
侍の生き様
志村喬率いる七人の侍のかっこよさたるや
カッコつけてない感じがまたかっこいい
名前は分からなかったけど寡黙な感じの人が好きだった
ずっとコメディチックで進んでたのにラストで負け戦だったとか言うところ、何故か感慨深かった
勝ったのは百姓、我々ではない
そして4人の墓が写される
侍というものがどういうものかを認識した瞬間だった
最高
2020/2/17 T・ジョイ新潟万代で3度目(スクリーンで2度目)
・前回見たのが2年半前だったようなので、所々丁度よく忘れてて、とても楽しめた。前回の印象として、セリフが聞き取れないのと志村喬が坊さんに扮するのと、侍のスカウトで入り口に棒を持たせるドッキリ試験、クライマックスの一騎ずつ袋叩き、三船敏郎めちゃ元気。だった。けど、今回も三船敏郎、めちゃ元気だなぁっていうのが上書きされた感覚だった。特に、宿で集まった時に三船敏郎をみんなでワイワイからかうとこと、百姓の村に着いて誰も歓迎しないので野武士が来たと思わせて全員を外に出させた後の百姓たちへを揶揄する姿が面白かった。あとは、薪割りの苦しい時には頼りになる男のような存在を前見たときにはあんまり印象に残ってなかったけど、今回観ててああいう人も必要だよね、と何となく自分と重なって見えた。
・前回、野武士のアジトが岩をくりぬいたようなトルコだったかにある世界遺産のようなものだと思い込んでたら普通に大掛かりな小屋で驚いた。
・志村喬みたいな人と出会いたいなぁと思った。あんな悪条件の仕事?でも、あんたの頼みならと初対面なのにやってやろうってなるような人ってすごいなぁと。まぁ現実にはいなそうだけど。
・役者全員の顔がとても良かった。
・前見たときはわからなかったフリとオチがテンポよく展開していて、だから感情がぐぐっと入るのかなと思った。妻を野武士にさらわれたリキチが娘を侍に抱かれた父親を一喝するシーンとかよく出来てるなぁと偉そうに感心した。
よかった
昔リバイバル上映で見て以来で、その時はどこか別の世界に連れて行かれるようなくらい鷲掴みにされて大興奮した記憶があるのだが、不思議なくらいあまり感動しなかった。ストーリーを知っていたのと眠かったせいかもしれない。そんな感じが寂しかった。
その分冷静に見れたようにも思う。戦況や戦略をとても丁寧に描いているところがいい。菊千代がすごく魅力的に人間臭くてエネルギッシュで元気が出る。
7人のうち3人がぽっちゃりおじさんでキャラが被っており、見分けがつかない。
若侍の彼女はみんなが見ている中、大声で泣きわめいて、アピール臭さを感じる。父子家庭だから愛着障害があるのかもしれない。菊千代も戦乱孤児だったようで、感情の起伏が激しいのは愛着障害があるのかなと思った。
農民が一筋縄ではいかないしたたか者であるというのもすごくいい。生き残った侍たちによくして上げて欲しい。それにしても農民に竹やりでリンチみたいに刺殺されるのはすごく嫌だ。野武士に同情してしまうほど嫌だ。
野武士が最後の一人になるまで闘い続けたのがすごい。戦力が三分の一、もしくは砦を襲撃された時点で戦意を失っていてもおかしくないのではと思った。それしか生きる術がなかったのかもしれない。だとしたら気の毒だ。
デジタルリマスターでセリフが聞き取りやすくなったとのことだったがさっぱり聞き取れなかった。BSの字幕放送で見返したい。
やっと見た
ずっと敬遠してきた。
凄い映画だと、海外の作品にも影響を与えた黒澤作品の金字塔だと。
数々の伝説と噂が先行して、僕の耳に届いてた。
だから、見るのを躊躇ってた。
当時と今とでは色々違う。
出来る事も出来ない事も。
昔は不可能に限りなく近かったものでも出来てしまう。
昔は革新的だって手法も今では、使い古された手法になってる事だってある。
「なんだ…こんなものか」と思いたくなかったから、ずっと見るのを躊躇ってた。
この作品には原点があった。
技術とか体制とか、予算とかカメラの台数とか、CGとか革新的な機材とか…そういうものじゃない。
いや…そういうものを開発し、またはそういう事に奔走する。
その価値というか報酬というか…情熱が昇華した結果ともいうのであろうか…。
古くさい言い方かもしれないが、映画人の魂を、ずっと4時間見てきたように思う。
広範囲に吹き荒ぶ、雨と風
作り込まれた美術
途切れない役者の心情
三船さんの足裏の皮には神経が通ってないのかと思う。
自然児と断定するのは容易いが、小石や硬い草を踏みしめただけでも痛さはあるのだ。
全くないかのように見える。
山道を川の中を、獣のように疾走する。
あの映画に映り込む何一つを見ても、まがい物はなかった。
映画を創るとは、かくあるべき
そんな圧倒的な狂気にも似た情熱を感じた作品だった。
やっと観た「日本映画の最高傑作」・・・
いつか観なきゃ観なきゃと思っていた半世紀以上前の「日本映画の最高傑作」。確かに古典的な娯楽映画として普通に楽しめましたが、やっぱり古いですね。娯楽映画であり時代をこえて残っている作品なので面白くない事はないのですが、観たらワクワクするというより有名だから一応押さえておくポジション的な映画であって、人に薦めたりするもんではないかなっと思いました。ストーリーは王道中の王道で妙なひっかけや残酷描写はないのである意味安心して観れます。
同じ日本人のハズなのに人が何喋ってるかわからないのにビックリしました。そして作られた時代が時代だけに人が切られても血が出ないので殺られたのかどうか分かりにくく、なんだかリアリティーに欠けます。当時は出血NGだったんですかね?農村の作り込みには力入ってました。戦国時代は実際にあんな感じだったんだろうなと思える描写です。上映時間が長く途中に休憩が入るのは何だか微笑ましかったです。
きっと公開当時はスゴかったんだろうなーと思いつつ観てました。しかし、半世紀以上の前の作品が、観ると確実に古くささを感じる映画が未だに「日本映画の最高傑作」と言われ続けている日本映画はどうなんでしょうね?どんだけ衰退しとんねんっと思ってしまいます。
敵は内にあり、ということなんでしょうか
言うまでもなく名作でキャラクターも抜群に立っているし、
それを纏めるところも最高にうまい。
しかも単なるアクションではなく骨太な社会派で、
士農工商制度や貧困が説得的に描かれている。
ただ、仲間の足を引っ張ってやきもきさせる構成は趣味ではない。
つまらないエゴを押し通したがゆえの悲劇、が多すぎる。
マッチポンプな印象があって、個人的には観ていて気分が晴れない。
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