七人の侍のレビュー・感想・評価
全132件中、21~40件目を表示
本当に勝ったのはだれ?
あまりにも有名だからいまさら自分ごときが書くこともない気さえしてしまう。
しちめんどくさいこと抜きにしちゃってもおもしろい。
それは何故か。
スクリーンの中の人間がどれも生き生きとしているからだと思う。
おのおのの事情を抱えながら立ち上がる姿に、現代のわれわれも共感する部分、あります。
最後に勝利を勝ち得たのは農民なのか武士なのか盗賊なのか。
私は何事もなかったかのように戻っていく「日常」を持ってる人たちだろうと思いました。
もう少し短かったらなあ。
欠点から見れば…
もはや、言うまでもない名作だが、新たな評価をする為に、あえて この作品の欠点を上げよう。 一つ目、侍が7人集まるまでに時間がかかり、7人が村に到達した 時点で、まだ中盤という長い展開に、飽きる人がいる。 二つ目、痛快娯楽エンタテイメントとして見るには、映画のラストが 後味が悪く描かれる。 …だが、それ以外は俳優、映像、演出、音楽、全てにおいて、世界の 映画史に残る名作の金字塔である為、映画好きなら一見の価値はある。 ただし、自分が20歳で初めて見た黒澤明監督映画が、いきなり 「七人の侍」は、ハードルが高過ぎ、よく理解できなかったので、 黒澤明監督作品を見る初心者は、娯楽エンタテイメント的なのは 「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」、文芸的なのは「羅生門」から見る事を お勧めするよ。
世界で一番好きな映画‼️
思い起こせば32年前、1991年に最後の劇場公開を観てからズーッとNo.1の映画です。高校1年生だった私はあまりの面白さにソフト化されていない事も知らず、街中のレンタルビデオ屋巡りをしたものです。毎年野武士の襲撃に悩まされている百姓たちが侍を雇って戦う。ただこれだけのストーリーの中に、人間性や人間社会の全てが込められています。侍と百姓という決して相容れない階級が存在し、そこに百姓生まれの侍・菊千代を配する事で非常に深い物語に なっております。そういう意味で、やはり三船さん。世間では久蔵役の宮口精二さんの評価が高そうですが、やはりキモは三船さん!!侍たちに百姓の愚劣さを訴えるシーンや、燃え盛る風車小屋の前で赤子を抱えるシーンなどは忘れられません。流れてくるだけで胸がワクワクする侍のテーマ、土砂降りのクライマックスに代表されるアクションシーンの素晴らしさ、刀が刺されている墓に旗がなびくシーンなどの印象深い構図などなど、語り出したらキリがありません。とにかくこの作品は最高の時代劇のみならず、映画史上最高のアクション映画‼️こんな素晴らしい名作がわが日本で生まれた事に感謝‼️世界のクロサワ、世界のミフネに超感謝‼️
とうとう観た 「七人の侍」、たしかに面白かったです!
TVでも観たことがなく、これが自分史上ホントに初めての鑑賞だ。それもLIVE ZOUNDの迫力ある音響で。ありがとう、チネチッタ。百周年、おめでとうございます。200年まで頑張ってください! スタッフ、キャストの手書きテロップに続き、「ひづめの音が、庶民(百姓)の恐怖だった頃・・」 という手書きのテロップで始まるオープニング。 さっそく描かれる、野武士たちに毎年収穫を蹂躙される農民たちの嘆き。しかし聞き取れない、何言ってるのか雰囲気だけで聞く。リアリティを出すために、当時の百姓はこんなしゃべり方だったことを忠実にトレースした結果だそうだが、できれば字幕がほしいぞ、というレベル。心して観てください。 あらすじは書くまでもないかもしれないが、そんな百姓が「侍を雇って野武士をやっつけてもらおう。白い飯をたらふく食える、という返礼しかないが、きっと何人かやってくれる侍もいるだろう」 という一縷の望みをかけて街に出る。前半は、集まるまで。ゆうに100分をそこに費やす。それだけ途方もない望みだということが観ているこちらにも痛感。後半は、集まった侍が百姓をしたがえて野武士たちと戦う、ひたすら戦う。 冒頭に書いた手書きテロップのとおり、後半は最初から最後まで、ずっと、大音量の蹄(ひづめ)の音を聞き続ける。それが今回チネチッタがLIVE ZOUND劇場で本作を上映してくれた狙いだろうし、100%満喫した。ありがとう、チネチッタ。 三船さん(敏郎)演じる菊千代。百姓なのに侍になりたくて侍の真似をしている男。彼がこの映画の狂言回し。ある時は百姓の苦悩を当事者側から伝えるともなく伝え、またある時は圧倒的強者に見える侍と圧倒的弱者に見える百姓をそういう風に切り分けない視点を提供してくる。そこらへんがこの映画の脚本のうまいところなんだろうなあ。菊千代、正直うるさいんだけど。 金でなく、かつ(落ち武者狩りの戦果を見せられるので)100%百姓に同情するわけでもなく、それでも彼らのために戦う男たち。う~む。ハードボイルド。そこに、なにも残らず、勝ったのはただ百姓たちばかりだったとしてもいいじゃないか、と思えてしまう俺でした。とうとう観た 「七人の侍」、たしか面白かったです! おまけ1 うわ。本レビューはいつのまにか1,000レビューめだ。いい映画が1,000レビューめで、なんかよかった。 おまけ2 アンディ・ロビンソンさんのレビューが面白かった。この映画、もちろん名作と思うが、その歴史にはいろいろな経緯があったんだなあ。離散していたフィルムをつなぎあわせて作ったのが 207分の本編だとしたら、すばらしい本編にも 「編集の妙」 という点はないのかもしれないなと感じた。同時にいまは観られないらしい 「160分の 海外版、凱旋公開バージョン」 も観てみたいなあ。 おまけ3 とあるホームページで知ったが、なんと、「マルチカメラ方式を初めて採用した映画」 なんだね。それまではカメラ1台だったのか。お金って大切なんだな。そのホームページには 「その効果や迫力は想像を超えるものがあり」 とあるが、そうだろうね。自分たちも比較して観ることができたら、明らかにわかるだろうね。遠景とアップが切り替わるという今では当たり前のことも、シングルカメラじゃ2回撮らない限り実現できないんだものね。1954年ってそういう時代なんだね。(自分も、80年代のMTVを見て、いまとの違いに唖然とした経験からわかる気がする。80年代のMTVではカメラが動く(近づく)はごく少ないんだよね。これは今みたいにジングルが進化していないので、カメラを動かすにはレールが必要だったんだろうな、と想像してます) そして同じホームページでみた 「みなが走る」 という点のすごさ。そうか、言われてみてわかったが、オートフォーカスじゃないんだ。走って動いたら、カメラは焦点をあわせ続けなければいけないんだね。 ちなみに上記で自分が参照したホームページは、「『七人の侍』 を100倍楽しもう」 です。 おまけ4 武士たちの中に一人だけ農民の心の男がいたことによって、「弱い農民を救う強き俺たち」というヒロイック幻想が、主人公たちからも、観ている俺たちからも消し飛び、しかしそれでも、いやそれだからこそ、事を成し遂げようとする主人公たちの姿があらためて清々しく感じられて、とても好きな映画です! 外国人が思う「武士道精神」はこの映画が色濃く影響しているのかもしれないな、と思う。
日本映画を代表する名作
日本を代表する黒澤明監督の名作中の名作。 海外にも轟き、多くの映画そして監督に影響を与えたと聞きます。 ある意味で「七人の侍」は三船敏朗のコメディアン振りに見惚れる映画でもありました。 三船敏朗って本当に、米と味噌汁と塩ジャケをを食べて育ったんでしょうか? 演技がエネルギッシュでバタ臭い・・・ステーキとオムレツ食べてたと思うけど・・・どうでしょうね。 「七人の侍」でも一人ではしゃいで走り回り、褌一丁で川に潜って素手で魚を取ってました。 生でむしゃぶりつくのか?と見てると焚き火で焼いてて一安心(笑) 駄馬を乗り回すかと思えば、振り落とされて馬を必死で追って走って行く。 (落馬シーンは、端折ってました。至宝三船を怪我させては大変、笑) ともかく人間臭い。 農民や仲間が死ぬと落ち込んで、寝食を忘れて嘆きます。 大騒ぎして、はしゃいで、大酒喰らって、ボコっと殴られたり、ぜんぜん三枚目です。 素敵さも美貌も封印ですよ、この映画では。 でも並の身体能力ではないです。 演技の驚くほどの多様性・・・菊千代(三船)と名乗る農民上がりの侍は、 馬小屋だろうと気にも留めずに爆睡します。 菊千代の名前だって借り物! 野武士との戦いは二日二晩続き、敵も味方もヘトヘトになり、野武士たちはほぼ兵糧攻め。 野武士たちにとっても、こんなに手こずった経験はない筈。 そしてラストの雨の中の最終決着へと雪崩れ込んで行きます。 馬の疾走、いななき、雪崩れ落ち落馬する野武士たち。 迫力の映像でした・・・スペクタル時代劇です。 結論的には、農民は底力がある。 農民は虐げられることに慣れている。 だから彼らは打たれ強いのです。 長い歴史の中で、戦時にヘコタレないのは土を耕す農民。 米を作り野菜を栽培する農民。 土と共に生きること・・・侍には敵わないのです。 志村喬の言葉『今度も負け戦だったなあ、勝ったのは農民さ!!」 それが正解でいい。 過去鑑賞
やっぱり凄い
やっぱり凄かった… リマスター版は3回目だが、とにかく「セリフがわかる」。 「以前」は8割何を言ってたかわからなかった三船のがなり声の内容が9割わかるようになった。(いや正味の話、) そうすると何が変わるかって言うと、今まで主に後半の合戦シーンに圧倒されて高評価してたのが、実は前半の密度の濃さ、面白さ、ドラマティックさがもの凄い破壊力であることがわかってくる。 (馬喰が百姓の肩を持つシーンなどは映画史上に残る名場面だと思っている。) 勘兵衛他どのキャラクターも魅力的だが、特に菊千代。 百姓と侍のハイブリットである彼の存在はこのストーリーにおいて不可欠なものだった。 まあ理屈はともあれ3時間を遥かに超える尺があっという間。こんなの見るとホントに「面白さ」に「古い新しい」は直接関係ないと痛感する。 新文芸坐さん、ありがとうございました!
善さと不条理みたいなもの
【あらすじ】
戦国時代後期の日本は、士農工商の身分はすでにはっきりと現れかつ戦に負けた武士たちも多く、野武士と呼ばれる盗賊団になる集団も蔓延っていた。野武士が村を襲うことを画作していることを知った農民たちは、村を守るため、下級武士に村の護衛を依頼することを思いつく。十分な報酬を準備できるわけのない仕事であったが、話を聞いた勘兵衛がその話を承諾する。米を作っているはずの農民は稗しか食べられず、その米を食べる武士が農民を守らないのか?という不条理を考えるのである。
こうして仲間探しを始める勘兵衛であるが、彼自身の人柄もあり、村の護衛に必要と思われる7人は次第に揃う。
農民は武士に護衛を依頼をしつつも、抑圧する階級である武士に不信と恐怖を持っており、村に到着した一行をまったく歓迎しない。そこで、一味に加わっていた菊千代は野武士の襲来を装い農民と武士との対面させることに成功すると、野武士の攻撃に備え準備を進めていく中で、この両者の結束が生まれてくる。けれども互いを知るほどに、農民への武士の不信、また逆の武士から農民への無自覚な侮蔑も炙り出された。
いよいよ野武士が襲いかかってくる。勘兵衛の優れた統率力で徐々に野武士は数を減らす。しかし戦況は悪くないながら、農民と武士も痛手を負う。最終決戦を終え、野武士を撃退した村に残ったのは、田植えを始める農民と、3人の侍であった。
【感想】
そのタイトルは聞いたことがありながら、見たことがない名作と呼ばれる映画。こういうものは、結局のところ観た方が良いんだなと、素直に思いました。200分越えの長編ながら、飽きるということがなかった。本当にすごい映画なんですね。すごく面白かったです。
何が面白いのか。登場人物の魅力ということを挙げたいです。勘兵衛を始め、7人の武士たちはそれぞれにはっきりとした個性を持っています。経験豊富で統率力があり、大きな器と線を引く決断力を持った勘兵衛(志村喬)が1人目っていうのが良いんでしょうね。他の武士がその人となりを信頼していくように、こちらもついつい勘兵衛の行動に引き込まれていくんです。その勘兵衛を取り巻く6人についても皆が魅力的で、例えば農民出身の菊千代(三船敏郎)には野蛮でありながら、弱者であったが故の純粋な正義感には心打たれるものがありますし、五郎兵衛(稲葉義男)勘兵衛をサポートする大らかな存在感もそうですし、とにかく農民も含め、それぞれが魅力的。そこに個人単位の交流が描かれるのも微笑ましくて良いんです。
けれど、次第に登場人物だけでなく僕らも驚くような事実が垣間見えてきます。虐げられるだけの存在のように見えた農民の思わぬ強かさと残酷さ、一番若く、若いが故に農民の女との恋沙汰で問題を起こす勝四郎(木村功)など、それぞれの個性でありながら、しかし普遍的に人間が持つ善と悪。常にその両面を持った存在である人間が映画には描かれていきます。途中、戦に備えて旗を作るシーンがあります。武士を表す6つの○と△がひとつ、そして農民全部を表すおおきな「た」の文字。これは、それぞれのキャラクターが持つ善徳と悪徳を表すような象徴性を持っているようにも思えました。
昔の映画ですし、台詞もよく聞き取れなかったり、カツラのクオリティも最初は気になったんです、正直。けれどそんなことは問題ないんでしょうね。
ダイナミックな戦闘シーンもちろんすごいです。けどもっと良かったと思うのは、今の僕たちにも共感できるような人間の善さ醜さが、魅力的な登場人物を通して素朴でリアルに感じられることです。
合間に挟まれる「休憩」のインパクトもすごい、、!
七人の侍
たしかに長いが面白い。時間はそれほど感じさせない。 「用心棒」を見ていたので、同じくらいすっきりした映画だと思っていた。 が、終わってみると気分は晴れない。 守られるべき被害者だった百姓は、ストーリーが進むに連れ違う描き方をされている。 最後には礼を言うどころか、志村さん御一行と絡む描写も無い。(ここのせいでモヤモヤが深まった気がする。これ以前にも布石はうたれてたけど。) 「勝ったのは百姓」 悪を倒しても、村に平和が戻っても気分は晴れきりませんでした。善人で、か弱い村人と共闘して悪をやっつけ、感謝される話だったらもっと気分楽だったろうけど。笑 (宮口精二さん演じる侍破茶滅茶かっこよかった。侍!) 百姓が侍を探すシーン、探している百姓達の顔付近だけ写してキョロキョロしている描写がある。これが割と長いのだが、用心棒でも同じような描写を観た。注視する先を写さず注視している人達を長い時間写しているのは気になった。
カッコ良すぎて惚れた。
『七人の侍』鑑賞。 *主演* 三船敏郎 志村喬 *感想* 初めて黒沢明監督の作品を見ました。 全編モノクロ。長編作品なので、前編と後編それぞれ見ました。 百姓に雇われた七人の侍が村を守る為に野武士に立ち向かうお話。 前編は百姓が七人の侍をスカウト、野武士の襲撃に備えての準備。 後編は七人の侍+百姓vs野武士の戦いが描かれてました。 勝四郎と志乃の惹かれ合いもありました。でも、あのお父さん、いくらなんでも叩きすぎ(^^; 七人の侍達がかっこ良かった。特に三船敏郎さんが演じる菊池代と志村喬さんが演じる勘兵衛が渋い!足も速い!刀を抜くシーンもカッコいいし、惚れました! 終盤で、雨の中の激しい攻防戦が圧巻!泥まみれになりながら野武士を倒すシーンやカメラワークも迫力があって凄かった!\(^^)/ 普段はあまり時代劇を見ないけど、とても面白かったです!
面白すぎて困惑!
初めて207分ちゃんと観た。古めかしい歴史格闘物かと思っていたがド直球エンタメアトラクションだった!個人的には後半の怒涛の戦闘シーンより、前半のヒューマンドラマの方が心踊って好き。ラストも繊細で日本人らしい風情があるね。志村喬に惚れてしまった。
迫力ある映像
今から70年近く前の作品とは思えない躍動感あるシーンが満載。荒野の七人を先に見ていたが、元祖七人の侍は農民の暮らしや、一人一人の描写が細かい。その分長いのだが。侍と農家の娘の禁断の恋、三船敏郎の三枚目ぶり、所々コミカルなシーンもあり、飽きさせない内容になっている。ラスト、野武士を撃退したが、戦いで仲間を失い、戦いの無情さを嘆いている。
全132件中、21~40件目を表示