七人の侍のレビュー・感想・評価
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こんなにエンタメ作品だったとは! いつか観ようと思いつつずっと見逃...
こんなにエンタメ作品だったとは!
いつか観ようと思いつつずっと見逃してたいたので、映画館で観られて良かったー!
正直、序盤は湿っぽくてこれ面白くなるのか…と少し心配だったけど、志村喬と三船敏郎が出てきてからは徐々に引き込まれて3時間半最後まで楽しめた。
噂に聞いていた通り、確かにセリフが聞き取りづらいところもあるけど、音声も大分クリアになってるようで、状況と話の展開で大体どんなこと言ってるか分かったのでそこは問題なかった。
モノクロでもこんなに迫力のある泥臭いアクションが楽しめるのかと驚いた。
あと、観客がきっと何度も観てるであろう年配の方が多く、そこかしこで笑い声が聞こえてきて、「なるほど、ここは笑うポイントなのか」と思いながら観るのも楽しかった。
でもやっぱり長いは長いので、もし配信で観てたら集中力がもたなかったかもしれない。
映画館で観られて良かった。
世の常
家でしか観たことがなかったが、今回初めて劇場で鑑賞した。デジタルリマスターしたとはいえ、それでも聞き取れない台詞が幾つか私にはあった。実は字幕があった方が良いのかもしれない。
金にも名声にも繋がらない仕事を引き受けようという、その心意気や良し。フィクションなのだから、そんな侍6人も集まらないよ、とは言うまい。
自由が叫ばれる現代社会だが、この作品を見て、自らのテリトリーは自ら守るしかないということ、社会を維持するためにはある程度の統制が必要なのだということを、改めて思い知らされる。
性善説ではこの世は生き残れない、というのが厳然たる事実なのだ。
志乃の「弱虫!武士のくせに!」にいつの世も変わらない女性の強さを感じ。野武士を狩り、武具もどぶろくも隠し持つ、百姓たちのしたたかさに目を見張る。
そして、戦いは終わり、皆で田植えする日常へ。勝ったのは百姓らで、通りすがりの侍たちは、当て所ない旅路へ。地に根を張って生きる者らは強い。
役目を果たし村を去る侍達のある種の諦観、私の心にも確実にあるなと感じた。
黒澤時代劇
DVDでも幾度も観たが映画館では初。
矢張、エンターテイメント。
黒澤時代劇。
40騎の野武士に立ち向かう多士多彩の7人の侍。
あの明るくて、ちょっと抜けてて、頼もしい
そして哀しみも感じられる。
厳しい中にも笑い、涙、仁義、人情、恋
も入る見事な演出。
脚本の凄まじさを痛感する。
相当時間をかけて練りこまれており緻密だ。
カメラを幾つも使用して撮影された
雨の決闘シーンは見応えあり。
画期的なアイデアだったに違いない。
百姓と武士の佇まいの違いの演出も良かった。
そして、あの映画音楽だ。
早坂文雄さんは絶妙な音を映像に当てはめる。
黒澤監督のイメージをより理解してるのだろう。
見事な相乗効果だと思う。
勘兵衛はかなりの人格者だし
菊千代は愛すべき男。
あの水車小屋から子供を抱きかかえて
『俺もこの子と一緒だ』は印象的でぐっとくる。
勘兵衛、菊千代、久蔵、藤四郎、五郎兵衛
平八、七郎次この7人にスクリーンで会いたく
なるんだよね。
70年経過しても色褪せず楽しめる黒澤明監督の
作品は圧倒的である。
1954年の映画がこんな面白いもんかね
午前10時の映画祭で鑑賞(ありがとう!)
見る前は台詞が聞き取れなさすぎと聞いたが全然そんなことない
序盤の百姓達は方言も重なって分かりにくいがしばらく待てばそんなことなくなるので
興味ある人は是非見てほしい名作映画
何よりキャラがいい!
みんなのリーダー優れた老軍師の官兵衛は優しくも強くて憧れる
そんな官兵衛に弟子入りする未熟な若者の勝四郎には感情移入たっぷり
無口で剣の達人、久蔵は男の子はみんな大好きでしょこんなの渋くて格好いい
そしてコメディリリーフの菊千代が本当に魅力的、第二の主人公
ドカベンの岩鬼に桜木花道にNARUTOに通じる馬鹿馬鹿しさと痛快さ、そしてはぐれ物の悲哀が込められてる良キャラ
プロフェッショナル達を集めて困難に立ち向かうストーリーは
本当にエンタメしてて現代人でも楽しみやすい作品なので未見の人にもお勧め
ただ本当に現代人の目から観た素直な感想を言うと…
仲間集め&村での戦争準備パートが120点(これは良すぎる)
戦争パートが80点ってのが正直な感想
むしろこの時代の戦争描写で80点出せるのが異様なんだがどうにも今の目で見るともちゃもちゃしてる
こればかりは仕方ない
じゃあつまんないかっていうと全然そんなことはない
その戦争中もドラマはたくさん詰め込まれてるし
ラストシーンは侍の切なさがたっぷり込められてる
なるほどこれは名作だなぁと感心した
モノクロでも色褪せない名作
午前10時の映画祭にてあの伝説の作品をついに初鑑賞!
なんだこれ!すっごいおもしろかった!
ものすごく古い映画なのに今でも一線級で、
お手本のような面白さだった!
主要キャラが7人もいるので登場人物はけっこう多いが、
どの人物も分かりやすいキャラづけや濃いストーリーがあって印象に残りやすかった。
特に最初はすごくウザかった菊千代も百姓の生まれだと分かるシーンで一気に好きになった。
なので菊千代が戦死したのはかなりショックだった😢
戦さには勝ったのに侍側にとっては負け戦さだったという
勘兵衛の言葉と4人の侍の墓のあの極まった哀愁は当分は忘れられないと思う。
点はつけれませんがそれはできないようなので
三船敏郎 志村喬 と出てくる南がとてもカッコ良い
ただ千代丸が最後死んでしまったのはショックだった
いろんな映画がこの映画を見て参考にしているのだなーと思った良い意味で
最初は言葉が何を言っているのか分からなくてあーこの映画見れないなーと思っていたら途中から耳が慣れたのか聞こえるようになりました
この映画が私が生まれる何年も前に作られとは思わないくらいすごい映画でした
ただ長い とにかく長い ダブルヘッダーやってるような感じだったのでみる時はきちんとした時間が必要かも
あと映画館寒すぎて風邪引く
やっぱ古い映画だよね
何の得にもならない事に取り組む倫理観
戦国時代末期のとある山間の農村で、村人たちは、収穫期になると野武士たちに収穫した穀物を奪われていた。麦の刈り入れが終わった頃に四十騎の野武士達が村を襲う、という話をしてたのを聞いた村人が村に戻り、長老と相談し、侍を雇って野武士と戦うことにした。
侍を探すため宿場町を訪れた4人の村人は白米を腹いっぱい食わせるという条件で侍に声をかけたが、ことごとく断られた。そんな時、近隣の家に盗賊が押し入り、人質をとって立てこもる事件が発生した。通りかかった初老の侍が髪を剃り僧に扮してその家に近づき、握飯を与えて盗賊を油断させ、隙を見て斬り殺した。その侍は勘兵衛という浪人で、村人たちは彼に村に来てくれるよう頼んだが、四十騎もの野武士を相手にするには少なくとも侍が七人は必要だと言われ、断られた。同宿の人足たちが、断った勘兵衛をなじり、勘兵衛は翻意して村人の依頼を引き受けた。
勘兵衛は人を集めるため、通りすがりの侍・五郎兵衛に声をかけ仲間にした。また、過去に何度も同じ戦場で働いてた七郎次と偶然再会し彼も仲間に入れた。一方五郎兵衛は茶店の裏で薪を割っていた平八を誘い入れた。更に、果たしあいで剣術の腕を披露した久蔵も仲間に加わった。若い勝四郎も行動を共にすることとなり、六人となった侍たちは翌日村に向けて出立しようしていた。そこに、勘兵衛につきまとっていた男が現れ、持っていた家系図を見せ、自分は菊千代という侍だと主張した。勘兵衛らはこの男を相手にしないまま村に向かったが、菊千代は勝手について来た。
やがて侍たちが村に着くが村人たちは怯えて家から出てこなかった。すると、突然、急を知らせる板木を打つ音が鳴り響き、野武士が襲ってきたと思った村人たちは一斉に家を飛び出し、侍に助けを求めた。しかしこの板木は菊千代が打ち鳴らしたものであった。侍たちと村人たちとの顔合わせを成立させたことで、菊千代は七人目の侍として認められた。
勘兵衛たちは村の周囲を巡り、村の守るための方策を練り、野武士と対決することになるが、さてどうなる、という話。
午前十時の映画祭15にて鑑賞。
名作と言われていて、観たいと思ってたが、207分もある長い作品だし、なかなか時間も合わず、今回やっと劇場鑑賞出来た。
雨の中での野武士との戦いはなかなかの迫力だった。
ただし、同じ手に何度も引っかかる野武士達はバ○か?とは思ったが。
戦国時代の侍だったら、良い勤め先を見つけ、家来にしてもらい、手柄を立て、褒美や領土をもらう、というのがその時代の目的だったと思うが、勝っても何の得にもならない、飯を食べさせて貰うだけであんな命懸けの戦いを取り組む倫理観はちょっと理解に苦しむが、カッコよかった。
現にラストは百姓の勝ち?
侍は4人も殺されたし、やっぱり合わない戦いだったなぁ、と思った。
志村喬は終始カッコよかった。三船敏郎は何を言ってるのか聞き取りにくかったが、コメディ担当だったのだろう。鬱陶しかったが、重要な役だとは思った。
志乃役の津島恵子は凛々しかったし、島崎雪子は美しかった。
鑑賞できて良かった。
ついに観ました(午前十時の映画祭)
日本人として一度は観ておくべきかなと思い、午前十時の映画祭行きました。
正直、言うほど刺さらなかったのですが、冷静に思い返すと、日本人の気質というか、日本人社会の縮図が上手に描かれていたと思います。現代にも当てはまりますね。
・百姓は、自分では決められず右往左往。長老の意見に、羊のように従う。
・強いものに頼らざるを得ないのに、その侍を異端扱い。
・戦争のように組織として動くときは、優秀な長が必要。
・人が動くのは金だけではない、という状況はある。
・老人ほど頑固。それを助けようとする若者が犠牲になる。
・緊急時、規律を破るものがいるときは、そこから崩れる。
・真面目なようで、裏では何を隠しているかわからない。
・貧乏だけど、働かざる者食うべからず。
貧乏だし、色々と大変だけど、子供もたくさんいて、映画が作られた当時は日本に希望が持てる時代だった気がしました。
人間の描き方の奥深さに感服しました
これだけの名作を実は未鑑賞でした。
劇場公開を機に、この長さを配信で観るのは辛いと思って鑑賞しました。
タイトルバックの筆書きの文字が斬新だなぁ~といきなり冒頭に感服したあと、所々役者さんの日本語が耳慣れなくて聞き取れない部分があるものの淡々と鑑賞。中盤あたりで名作だろうけれど古風な雰囲気は今の作品と比べるとどうなの?とベルイマンの処女の泉を観たときと同じような感想を抱き始めましたが…
ところが中盤以降、人物描写が深々と心に染みてきました。
村人も、武士たちも、大義名分だけではない自分可愛さと自己都合を内に秘めながらもこうありたい自分と葛藤している様が浮かび上がってくるからです。
誰一人として完璧な人は居ない。
けれどこう有りたいと願う姿を持つ人と持たぬ人の差は既に青年、壮年においても歴然たる差を人にもたらすことを今更ながら痛感しました。
群像の心情をここまで深く描きながら、一概に人間の醜さという感想を観客に抱かせない手腕が素晴らしいと感じました。
それもこれも含めて人間なんだよなぁ。
ラストの勘兵衛のセリフがひときわ心に染みました。
劇場で鑑賞できて良かったです。
「この飯、おろそかには食わんぞ」 ジンと来る名台詞。それまでの会話...
「この飯、おろそかには食わんぞ」
ジンと来る名台詞。それまでの会話のやり取りがあってこその、言葉の重みを感じる。
午前10時の映画祭にて。
改めて残酷な映画だと再確認した。
第77回カンヌ国際映画祭でも絶賛されたバージョンを、更に進化した "高音質・高画質・新4Kリマスター版" での上映らしい。
映画館の係りの若者が「ななにんのサムライ、只今開場します」と言っていた(笑)。
「意気地なし、侍のくせに」コレも印象的。
光り輝くお米
午前10時の映画祭で人生で初めて観ました
名作とは聞いていたけど、今まで観れてなく
このタイミングで観れました
3時間30の時間を感じさせない、怒涛の面白さに圧倒されました
極上の映画体験が出来ました
七人みんなそれぞれ良いキャラクターをしてて、それぞれの見せ場がちゃんとある
からみんな好きになる
登場シーンで、そのキャラがどんなキャラかどんな過去があったり、どんな考えをしているのかが、それぞれ会話の中で分かるようになっているため、キャラクターがとても分かりやすく、その後の没入感へと繋がっていました
農民の苦労が分かると言って入ってきた侍のアップになってからの満面の笑みには人柄の良さが溢れ出ていて、その一瞬でもう好きになりました
書くとキリがないのでこのくらいにしときますが、
それぞれのキャラクターの
「カッコよさ」
「優しさ」
「信念」
などがストーリーが進めば進むにつれて分かっていく過程は
人生や、人間というものを学んでいるように感じます
三船敏郎さんの演技も素晴らしかったです
コミカルなシーンではめちゃくちゃ笑えて、
真面目なシーンではこちらの心に訴えかけてくる演技をしていて
本当にカッコよかったです
菊千代がキレるシーンは三船敏郎さんの演技も相まって、もう、真の名シーン‼︎
元農民というバックボーンが分かりることでセリフの重みが増していました
ラストの戦闘シーンも、圧倒されたとしか言いようがないです
泥臭くて、汗臭くて、這いつくばりながら、全力で戦う姿は、
侍、いや、人としての生き様を堂々と観させられたように感じました
師匠の初登場シーン、侍を探してた時に一騎討ちでやりあっている所の侍の構え方、
侍達の全力疾走シーンのカッコよさ、
えいえいおーと百姓達を励ます姿、
種子島を1人でかっさらって帰ってくるシーン、菊千代が百姓達や、子供達を笑わせる姿、
輝いていて美味しそうなお米、師匠の弟子が銭を分け与える姿、
師匠の強すぎる作戦、
それぞれの侍の生き様、
最後の戦への問題提起、
パッと上げるだけでもこれ以上、好きな所が出てきます‼︎
でも1回じゃ全ては吸収出来てないと思うから、もう1回観たい‼︎
痛快活劇
世界の名だたる映画監督たちがリスペクトし、影響を受ける伝説の本作品。
日本映画の原点とも言えるか。
映画館で観てみたいと、やっと初鑑賞となった。
まるでドキュメンタリーと見紛うリアリティ感と臨場感のある映像。
日本国民の大部分が農民だったであろう生活背景のその粗末さ、貧困、無力さ。そんな村民たちの状況打破に七人の侍が結集する。
いち個人では動かぬ物事も、力を合わせれば可能になる。誰もが観ていて心動く痛快活劇だ。
三船敏郎はイケメンでありながら泥臭く野性的な男をのびのびと演じる。
志村喬はその静かな物腰で正義感あふれる理性的なリーダーを。若き武士、ムードメーカー、剣の達人、、、みな個性豊かで魅力的だ。
どうしても考えてしまうのが、現代この作品を制作するとなるとつとまる俳優がいるのかと。とてもこの人たちの代わりが見当たらない。
日本映画の原点である作品だと思う。いや、世界の作品の原点か。
少々上映時間は長く感じたが素晴らしい作品だと思う。
黒澤映画を映画館で観たかった
『七人の侍』─群像劇が映す人間の尊厳と近代の予兆
世界のクロサワの不朽の名作『七人の侍』が4Kリマスターでリバイバル公開中ですね。
この作品は単なる時代劇ではなく、封建的秩序の終焉と、個の自立が芽生える過渡期を描いた日本映画史上最大の人間ドラマだと感じました。
農民が侍を雇うという倒錯した関係構図は、戦国という時代を背景にしながらも、公開当時における戦後日本の社会構造の転換を予見していたものでしょうか。
武士はもはや支配階級ではなく、経済的弱者のために「雇われる存在」となっています。
そこには、かつての権威や理念が空洞化しつつある「職業人」としての侍像が立ち上がります。
黒澤監督は、武士を英雄ではなく“失業した労働者”として描くことで、封建倫理を超えた近代的ヒューマニズムを提示したかったのではないでしょうか。
物語の中心にいる勘兵衛(志村喬)は、旧来の武士道を体現しながらも、人間の尊厳を理解する数少ない人物として描かれています。
彼の行動は「義」ではなく「慈悲」に根ざしていて、まさに近代的人格者としてのリーダー像を提示しているように見えます。
対照的に、菊千代(三船敏郎)は身分制度の犠牲者であり、侍の模倣によってしか自己を確立できない男。
だけど、最も激しく、最も人間らしい叫びをあげるのも彼です。
黒澤監督はこの対比を通して、「人間とは何か」という問いを制度の外に押し広げ、観客に突きつけたかったのではないでしょうか。
農民が勝ち、侍が去るラストカットに至るまで、この作品は「勝者なき勝利」という矛盾を抱え続けています。
墓標の前で勘兵衛が呟く「勝ったのは百姓たち」という台詞は、戦後の民主化とその代償を予見する預言のようでもあります。
結局のところ、『七人の侍』が描いたのは、英雄譚ではなく“共同体の再構築”だったと思います。
黒澤監督は、個と集団、理念と現実、誇りと生存、そのせめぎ合いを、戦国という寓話に託して描ききったのです。
だからこそ、この作品は70年以上の時を経た今も古びることはないのでしょう。
静の勘兵衛 動の菊千代
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