劇場公開日 1954年4月26日

七人の侍のレビュー・感想・評価

全181件中、21~40件目を表示

4.5侍は七人、勝者は一人

2025年10月19日
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午前十時の映画祭にて鑑賞。
斬撃や銃撃の過剰さや、血しぶきやSE音の演出がなくても迫力があるのは、撮影や演技の力か。
襲撃から常に走り続けており息つく暇もないが、その分ラストの余韻がより響く。

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ななな

5.0映画終活シリーズ

2025年10月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

1954年度作品
2017年の「午前十時の映画祭」以来八年振りの鑑賞
4Kリマスター版、めっちゃ綺麗‼︎
技術の進歩に驚き!
何度目の鑑賞かわかりませんが、観るたびに新しい発見
今回は歳のせいか、うるっときたわ(泣)

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あきちゃん

5.0決戦シーンのすごさ

2025年10月19日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

ドキドキ

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ねむぎ

5.0やっぱり最後は百姓が勝つ

2025年10月19日
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『百姓は雨が降っても嘆くし晴れ間続きでも嘆くそして風が吹いても嘆く……そぅいつでも嘆くのだ。。』 日本人は元来農耕民族なので…

この作品は数十年前に大森の映画館でリバイバル放映で観る事が出来た。今回は"午前十時の映画祭15"にて劇場鑑賞。黒澤明監督の原点であり世界の至宝である。この作品を表すには星5つでは全く足りず其れどころか星の数で表す事自体が失礼極りないと言える。

この作品と言えばあの雨の中での合戦シーンが余りにも有名だが、、、実は三船敏郎の役が素晴らしいのである。ある種の狂言まわしの様でもあり主人公の様でもあるそして時にはコメディアンの様でもある変幻自在の役回りを演じている。この役柄が素晴しくこの作品を超一級品へと押し上げている。またこの作品の魔法なのか207分の上映時間を全く感じさせない。

現在"午前十時の映画祭15"で新4Kリマスターによって3週間上映となっています。家のテレビでは無く是非劇場の大画面でこの至宝の作品を観て欲しい。昔同様トイレ休憩もちゃんとあるのでご心配なさらずに。。

【追記】
この作品では昔の白黒35mmフィルムであったので現在のようなワイド版ではありません。なので劇場の席もいつもより前よりの席に座った方が良いです。後方に座ってしまうと画面がいつもより小さく見えます。それではこの映画の迫力が半減してしまいます。少しでも前よりの席での視聴をお勧め致します!

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えーじ

5.0神が作った映画。

2025年10月19日
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いつか劇場で観たいと思ってた、国内外、映画はもちろん、アニメ、ゲーム含めてあらゆるコンテンツに影響を与えまくった日本が誇る世界のクロサワのレジェンド作品。

新宿、日本橋は満席で錦糸町まで行ってきました。

休憩ありで劇場にいたのは4時間くらいですか。最近、長尺な映画も多くなり、終わったあと長すぎるとか思うこともあるのですが、あっという間の4時間でした。休憩前の前半で、どんどん面白くなっていきますし、なんなら後半の体感時間の方が短く感じるくらい。もう、終わり?もう少しこの世界にいたかったと思うほど。

三船敏郎さんとセットで語られる作品なので、なんか重たい感じに思ってる方もいるかもしれませんが、ギャグ担当でビックリ。会場からも笑い起こるほどでした。

冒頭から百姓が野武士に襲われてる集落の用心棒になってくれる侍を探すところから始まります。それだけ読んでもへー何かおもしろいのかな?という感じですよね。はい、「マッドマックス」です。

で、百姓の会話シーンが続くのですが、なに言ってるか全然聞き取れない。言葉自体、殺すということをつっ殺すと言ったり、なじみのない言葉だからというのもありますが、後半まで観ると映像で補完したりもするので、最近だと「宝島」の沖縄言葉みたいに、ワザとわかんなくしてると思いました。このあたり、海外だと全部訳がつくので理解しやすく、だから海外の方が評価高いのかなと思いました。

あとは、キャラクター造形、ワンシーン、ワンカット、どこをとってもどこかで観たことがあると思わせる既視感がすごかった。これは、あらゆるコンテンツでサンプリングされまくってるからだと思います。そして、そのオマージュは現在進行形で続いているのだなと感じました。

このあたり、あとあと調べてみるのも楽しそうです。ボクは志村喬さんがモーガンフリーマンに見えて仕方なかったですし(セブン撮る時に監督が、「セブンスサムライのミスターシムラみたいに演じて欲しい」とか言ってそう)ババアが出た時はジブリアニメの実写きた!と思いました。モブの描き方とか三船さんの衣装、性格付けかもそうで、宮崎駿さんが影響受けてるのは間違いないと思いました。

神が作った映画。どのタイミングで観るかによって楽しみ方も変わるかと思いますが、是非劇場でご覧ください。

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minavo

5.0まごうことなき映画史に燦然と輝く傑作中の大傑作。絶対に映画好きなら一度は観てほしい作品ですね。

2025年10月19日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

驚く

まごうことなき映画史に燦然と輝く傑作中の大傑作。

毎年必ず1回は観たくなりますが、今年は運よく「午前十時の映画祭15」にてなんと!新4Kリマスター版にて3週間限定上映。
グランドシネマサンシャイン池袋さんではありがたいことに19:00の上映回もあり、早速劇場へ。
場内は老若男女幅広いお客様でキャパ150席のスクリーンは満席の大盛況。

『七人の侍』(1954年/207分)
初公開は『ゴジラ』と同じ70年前の1954年。今思うと凄い映画の当たり年ですね。

制作費は当時の通常映画の7倍に匹敵するようですが、戦後わずか9年でこれほどの超大作を撮りあげた当時の映画界の勢いと熱量には敬服の念を禁じ得ません。

視覚的に印象深いのはクライマックスの豪雨の決戦シーンです。「西部劇が砂埃なら時代劇は雨だ」と、とにかく激しい豪雨の中で、今までの歌舞伎のような殺陣を廃し、時代考証に基づいた不格好で泥臭く、人を斬る効果音を使わず、刃こぼれまで表現した実にリアルで迫力のあるアクションは70年経った今でも決して色あせません。

「残る野武士があと何人か」「どのような陣形か」という説明も都度わかりやすくインサートされています。決戦のゲーム性とエンターテインメント性も非常に高いですね。

若いころはクライマックスの決戦シーンに血沸き肉踊りましたが、歳を取ると侍集めや、侍同士、または侍たちと村人の気脈が通じる前半部分に趣を感じるようになります。

とにかく橋本忍、黒澤明、小国英雄の脚本が完璧で飛び抜けていますね。七人の侍をはじめ、一人ひとりの農民に至るまで、個々の登場人物の性格や背景、思想信条が詳細に設定されていて、過度なセリフによる説明ではなく、さらりと彼らのたたずまいのみでしっかりと描かれています。

敗戦続きで歳を重ねた個性豊かな凄腕の浪人たちが、野武士から農民を守る大義のため、まるで自らの死に場所を求めるかのように島田官兵衛(演: 志村喬氏)のもとに集い、出自が農民の菊千代(演: 三船敏郎氏)の不思議な魅力に次第にチームビルディングされる過程は実に見事です。

また農民の描き方も、ただの弱者ではなく、武士の好き勝手な振る舞いのため臆病だけどずる賢く立ち回る存在に描かれているのも秀逸です。その臆病でずる賢い農民を万造(演: 藤原釜足氏)が具現化していますが、きちんとぼけた与平(演: 左卜全氏)が見事に中和しているのは上手い設定です。

最後も生き残った若侍・岡本勝四郎(演: 木村功氏)と万造の娘・志乃(演: 津島恵子氏)の恋模様も、勝四郎が農民となって志乃と夫婦になるような単純なハッピーエンドで終わらせないところは、「最後に勝ったのは百姓だ」という台詞の余韻を残す上で最適解ではないでしょうか。

逆に、敵の野武士に関しては、あまり台詞を喋らせない無個性な点も上手いですね。

個性的な侍たちは誰もが抜群に魅力的ですが、個人的には宮口精二氏が演じた痩身の剣客・久蔵がニヒルでクールで、しびれるぐらいのカッコよさです。強さのみを求道する宮本武蔵がモデルで、当初は三船敏郎氏の配役予定だったらしいのですが、急遽菊千代の役が必要になったのでスライドしたとのことですが、三船氏の久蔵でしたら、また全然違った作品になったでしょう。

特に今年にはいってAI技術が急速に進化。
映像化不可能なことはすでに一切なくなってきており、黒澤映画のようにきちんと奥の方でも誰かが演技をしている、常に雨が降っていることなど造作もなくなってきています。

最終的にはやっぱり脚本。
今まで以上にホンの面白さが映画の成否に関わってきそうです。

絶対に映画好きなら一度は観てほしい作品ですね。

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矢萩久登

5.0「ホンモノ」を見た

2025年10月19日
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鑑賞方法:映画館

興奮

驚く

斬新

 ホンモノ。

 それ以外の感想が浮かんでこない。CGもない1954年当時の映画製作に携わった先人たちに、後の名もない令和の映画ファンの一人として限りのない尊敬と感謝を贈る。正直に言うがこの作品は自宅で衛星放送か何かで見た経験はあるが、劇場で全編通しで見るのは人生初体験だった。午前十時の映画祭ありがとう。

 4Kの最新技術で修復されたゆえ映像はクリアだった。が、音声(セリフ)がところどころ聞き取りづらく如何ともしがたい。ところがセリフが聞こえなくても役者陣の演技でもってスクリーンの状況がどう変化していくのか、どういう感情でいるのかがすべてわかる。これはすごいことだ。たとえば今日のH野圭吾の映画化作品のようにべらべらべらべらと喋る出演者のセリフですべて説明してくれる親切おせっかい極まりない作品とは対極を成す。「映画とはこういうものだ」という哲学を黒澤明をはじめ、現場のスタッフもまた共有している。最近の作品では「宝島」もそうだ。あれもうちなーぐちのセリフがわかりづらいがため低評価を被っている。もしも黒澤組が「宝島」を撮っていたら説明セリフなんか一言も使わずに撮りあげたに違いないのではないか?
 そんなこともふと考えてしまった。感服。これが映画。これこそ映画。まさしく見事。

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ひぐまさん

4.0現在のエンタメの原型

2025年10月19日
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全体の構成で、前半の七人が集まっていく中での
キャラの立て方が素晴らしく、
観客の共感を得るような演出に感銘を受けた。

後半の戦にしても徐々に傷を負っていくというか、
七人の侍が次々と斃れていく様は、
実にせつない。

映像のつくり方も素晴らしい。
特に雨中での戦シーンは一時も見逃せない迫力で
生の汚れ方や痛々しさが伝わる迫力だった。

三船敏郎の菊千代の愛されるキャラクターと
志村喬の島田勘兵衛の凛々しさと
宮口精二の久蔵のいぶし銀がお気に入り。

まさに現在のエンタメの原型とも言え、
マンガや映画に大きな影響を与えていることを
肌身で感じることができた。

今回スクリーンで観賞できる機会があり、
大変感謝している。

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ひでちゃぴん

4.025-119

2025年10月18日
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鑑賞方法:映画館

黒澤明の名作をスクリーンで鑑賞。

200分越えの大作、途中休憩あり。
にもかかわらず、
飽きさせないストーリー展開、
そしてラストの雨中の決戦シーン。
見どころだらけの大傑作でした😁

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佐阪航

4.5マジックナンバー『7』

2025年10月18日
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もう70年以上前の映画なんだ…
それであの長時間を一瞬たりとも飽きさせずに作り込んでるのって本当に凄い。(とか言いながら劇場では仕事の後観たからかちょいちょい寝落ちしてしまったので翌日もう一度観たくなって2日連続鑑賞🌀)

以下、箇条書き👇️
◯エンドロールならぬオープンロール(クレジットが映画の最初)で名前の書かれ方がアッチコッチ色んな方向見ていて読みにくい……

◯野伏←のぶせり、と読むことを初めて知った。しかし、野武士と野伏の違いは分からず。ま、とりあえず知らない言葉を知られるのはいくつになっても面白い。

◯農民与平が志村けんの変なオヂサンにしか見えない

◯菊千代いいねー山犬みたい(←作中でも言われてた)で可愛い。でも後半の戦のシーンでは上半身に比べて圧倒的に下半身の防具が身軽すぎ。山犬といえど、さすがに褌一丁はいかがなもんかと。おかげで後ろ姿はすべてぷりっケツ丸出しで、場合によっては下半身丸出しの変態仕様??と脳がバグる場面もチラホラ。
三船敏郎は羅生門でも何度か乳首出てたと記憶してるんだけど、乳首の綺麗さとかが売りなのかしら?

◯勘兵衛さん、全体を見渡せる戦略家で戦術家。自分も戦う頼りになる軍師。なんならもう神様みたい。あ、マジックナンバー『7』って七福神とか七つの大罪とかお釈迦様が生まれてすぐに歩いた歩数だとか、神様と関係ある数字だゎね。

◯お志乃ちゃん、盛り過ぎ。その上、「お侍のくせに弱虫!」と自分を抱かない男を罵る姿に恐ろしいほどの気の強さを感じました。

◯村の爺は普通に長老味溢れる可愛い爺ちゃん、村の婆はまるで妖怪。というかリアル湯婆婆(髪型はムッシュかまやつ)

◯久蔵さんのニヒルなダンディズム

◯勝四郎がお志乃におにぎり持ってく時に入っちゃう水溜まり、深過ぎてプチ湖ww

と、全体的にコメディ感強いと言うか人間のリアルをそのまま映し出した感じがして、世界のクロサワと言われる巨匠の超長編映画ってどんだけ気張ってるのかと思ってたけどわかりやすいし見易かった。
そしてところどころ、ありえないほど美しいシーン(例えば稲穂が風にそよぐシーン、とか)が出てくるの凄い。

購入した午前十時の映画祭15のパンフに書かれていたけど、3ヶ月で終わると踏んでた撮影が11ヶ月もかかったせいで、キャストの衣装の季節感がおかしくなったとか。菊千代くんはあの軽装で豪雨の中の合戦シーンを真冬に撮ってたとか可哀想すぎる……

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らまんば

5.0なるほど

2025年10月18日
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時間の長さを感じないくらい魅入る感覚ってなんだろう?と最近考えていましたが、それは、次どーなるんだろう?と見たくなることだとこの映画を見てわかりました。

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suzu

5.0人生で大切なことはすべて「七人の侍」が教えてくれた

2025年10月18日
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鑑賞方法:映画館

40年近く前、サンフランシスコにカストロ・シアターという劇場があって(今でもあるのかな?)、緞帳や二階席のあるかつてはオペラでも上演していたような由緒ある劇場でしたが、当時は名画座になっており、「七人の侍」も上映された。海外の映画館で「七人の侍」を観ることができてとても感慨深いものがあった。
なによりも、上映後のロビーで、髭面メガネの人たちが興奮して語り合っているのを見て、日本人であることをあれほど誇りに思ったことはなかった。(上映期間中にきっとルーカスや、当時SFの近くのカーメル市長だったイーストウッドも観にきていたに違いない、と勝手に思ってる)
 仲代さんも通行人の侍で出てたんですよ、
 最初にスローモーションで倒れた盗っ人は黄門さまなん
ですよ、
 最後の決戦のシーンでは雨がよく映るように、水に墨を
混ぜて降らしてたらしいですよ、
 侍を演じた俳優さんたちは、実生活では生き残った方た
ちから亡くなられて、1番最初に死んだ平八役の千秋実さんがもっとも長く存命されてたんですよ、
といったこといっぱい教えてあげたかった。

映画の感想
侍がひとりずつ加わってくるところ、そしてひとりずつ倒れていくところは、何度観ても、クゥーってくる。
泣く。
七人みんながかっこいい。
合戦のシーンは何度観ても興奮して追いつけない。
何度観ても面白いし、その都度発見がある。

早坂文雄の音楽が良い。できることなら、侍のテーマを死んだら葬儀の際に流してほしいくらい好き。
少し前に放送された映画音楽の特番で、葉加瀬太郎が指摘してた良い映画音楽の要素がすべて当てはまってる気がする。

午前十時の映画祭ありがとう。
大きなスクリーンで夜も上映してくれてるTOHOシネマさんありがとう。

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大吉

4.5〇〇〇〇〇〇△た

2025年10月17日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

驚く

「この飯、おろそかには食わんぞ」

午前十時の映画祭15最大の目玉。異例のナイトショーに滑り込む。
通しで観るのはこれが3回目。いやもう、何度観てもめちゃめちゃ面白い。204分という長尺ながら、無駄な展開が一切ない。野武士から村を守るために縁あって集まった侍(自称含む)7名、並の作品であればこの段階で作品がゴチャついて観る気が失せるのだが、本作の7人は言うまでもなく多過ぎず少な過ぎず、そして役割が最適配分されていて非常に観やすい。懸案事項であった音声の聴き取りにくさも許容範囲だったので大変満足した。
名作というものは、何度観ても異なる感情が湧き起こるし新しい視点を得られるものである。3回目の今回は侍たち以外の部分が妙に刺さった。本作の公開年は終戦から10年足らずの1954年。朝鮮戦争による特需景気があったとはいえ経済白書に「もはや戦後ではない」の文言が載るまであと2年かかるタイミングなわけで、そんな中で床に米粒が撒き散らされるシーンはかなり刺激的だったのではなかろうか。同時に中盤、侍たちが村の子供たちにおにぎりを配るシーンでの子供たちの屈託のない笑顔が妙に印象に残る。彼らは戦後生まれなのだろうか?この時代に演技とはいえあれほどの笑顔を引き出せるものなのかと変に感心してしまった。
更に、今回ふと思ったことがある。侍たちの中でも、本作は特に菊千代(演:三船敏郎)なしには語れない。前半のコメディリリーフのような立場から、後半は彼の成長の物語としての側面も持ち合わせる事実上の主役である。彼は基本的に嗅覚で動いている感があるが、注意深く観ていると単なる脳筋とも言い難いのである。断定はできないが、巻物や旗印から識字できているような描写があり、彼の設定から見ると実はかなりの知識層なのでは?という風に見えてくる。もちろん知略では島田勘兵衛(演:志村喬)には到底及ばないが、菊千代の深層に一歩踏み込めた気がして新鮮だった。
そしてリマスターによって浮かび上がった白い吐息。クライマックスの雨の死闘はキャストが凍傷になるほど寒かったというエピソードが残っているが、勝四郎(演:木村功)と志乃(演:津島恵子)の逢瀬の時点で既に息が白い。従来の画質では分からなかった描写が浮かび上がってくるのは、これはやはりリマスターの醍醐味というべきだろう。
毎回毎回「全部を吸収してやろう」という気概をもって臨むが、結局観るたびにこれまで見えていなかった視点が必ず浮かび上がってくる。今回もまた負け戦だったな...。

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ストレンジラヴ

5.0無駄な絵が一枚もない❗️

2025年10月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

斬新

なんという画面!キャメラで映し出される画面、映像、絵にこれっぽっちも無駄がない。無駄な表情も無駄な動きもない。目の前に繰り広げられる絵にただただ圧倒された。セリフも素晴らしい(三船敏郎は滑舌悪いのでよく聞き取れない箇所あった)。志村喬の言葉の一つ一つ聞き漏らさないようにした。加東大介の頼もしさと千秋実の「中の下」だけれど居てくれるだけで有り難い存在感にやさしい気持ちになった。絶対死なないと思っていた、精悍な顔と鋭い腕前の宮口精二に思わず声がでてしまった。まだ前髪のある木村功のなんという清らかさと誠実。花の中に寝転ぶ姿はまだ子どもの顔だ。そして菊千代(三船敏郎)が前半では出たり消えたりなのが後半になるにつれて光り輝く。小動物みたいにしなやかな肉体といたずらっぽい眼差しの子ども好きの男。左ト全が殺された時、親に死なれた赤ん坊を抱いた時、「これは俺だ」と号泣する菊千代の姿は哀しかった。

「七人の侍」を初めて見ることができた。我慢強くしたたかで小狡くて偏狭で卑屈な百姓の人生。学問を修め剣や弓や乗馬の鍛錬を行い己を律する侍、弱い存在に横暴と暴力を振るう侍。人間の複雑さをも描き込む作品に、監督らの個性が強烈に表れていた昔の多くの邦画の豊穣さにうっとりしつつ呆然とした。
「午前十時の映画祭」ありがとう。

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talisman

4.0ななにんのさむらい、じゃないよ

2025年10月17日
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鑑賞方法:映画館

1954年にモノクロ、スタンダードサイズ、モノラル音声で公開された。1975年の劇場リバイバル時にはステレオ音声での上映。物の本によると、撮影時はモノラルで同録されたが、光学トラックだけでなく、磁気テープでのバックアップ音源が存在するとのこと。ステレオ化はこの音源がもととなった。このサイトのトップページにあるカラーのポスターには「4チャンネルステレオ音声」と表示されているので75年版のポスターなのだろう。この作品にはいろいろな版があり、三船敏郎出演部分のみアフレコして斬殺音(バサッバサッていう奴ね)を加えた音声ヴァージョンもあるらしいし、テレビ上映ではアスペクト比を変えてヴィスタサイズにしたものも観たことがある気がする。いずれにせよ207分もあるのでTVではカットされているシーンもあり、侍たちが相手の根城を逆に襲うシーン(平八が討死する)は久しぶりに観たかもしれない。攫われていた利助の女房が焼死する割と陰惨な部分なのでカットしたくなるかも。
今回の4Kリストア版は、ノーカット(フィルム劣化で失われかけていたカットも回復)、音声は75年版準拠で、モノクロ映像はコントラクトも美しく再現された。ベストの状態だと思う。観るべし、です。
さて今回、改めて発見した点は勝四郎(木村功)の重要性。やっぱり菊千代がどうしても目立っているものの(彼は単なる野生児ではなく「聖と俗」をシンボライズしているかにみえる)勝四郎が伝令として動くことによって黒澤明が意図したジョン・フォードの西部劇的な空間表現ができているところがある。このあたりが「荒野の七人」と違うところであちらさんの劇空間がどうしても薄っぺらいのは本家の勝四郎の役割をきちんと理解できていなかったからだと思う。
最後に、たまに「ななにんのさむらい」と言ってしまう人がいて嫌ですね。純粋な数詞として音読みの「にん」につながるのでやっぱり「しちにんのさむらい」が正しい。
と思ったら、劇中、志村喬さんが「七名(ななめい)」とセリフを言っているのでビックリ。昔から誤用っていうのはあるんですね。聞き取りやすくしようと言う配慮があったのかもしれないが。

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あんちゃん

5.0刮目して大局を見よ

2025年9月11日
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KIDOLOHKEN

5.0これが星五つなのは当たり前

2025年8月23日
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鑑賞方法:その他、映画館、TV地上波

泣ける

興奮

ドキドキ

子供の時見て、テレビでオヤジが観てたがつまらないから見なかった。十代後半で観て、よくできた娯楽作品だとは思ったが、何しろ新しいものか旧作でも作風が斬新なのを追い求めていて、評価が定まらず。
羅生門、生きる、白痴、どですかでん、赤ひげとか娯楽作品ではない作品は評価したのですが。本作を凄いと思ったのは30歳以降かな。
登場人物が沢山いますがその心中を理解する範囲が増えるほど、エピソードの意味を感じると共に、評価が修正されました。
菊千代を演じた三船は難しい役だと思います。
浪人が集まって報酬もなく村人を助けるために野武士を撃退するなんてある得ないですが、なんかリアリティーがあります。日本の武士、侍の印象を海外に知らしめた作品です。
もう片方は用心棒の桑畑三十郎ですね。
こんな作品は作ろうと思って作れないと思います。作ったのですね。評価は年齢と共に時には激変します。

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Kenku

5.0是非見てほしい

2025年6月30日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

癒される

 言わずと知れた傑作なので細部についてコメントしませんが、二点だけ書きます。

 ひとつ目、古いし長い映画ですが見ていない人はぜひ見てください。

 ふたつ目、音割れが激しく聞き取り難い部分が多々あるので配給会社さんは最新技術で音声のリマスターをしてください。

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クネーゴ

4.5完璧すぎる理想

2025年6月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

黒澤明ほど自分の理念を追求し、それを映像として表現できる監督は他にいないだろう。
『七人の侍』は黒澤明の内面を見事に映像化した、集大成とも言うべき作品である。

七人の侍はそれぞれが社会の内にある
①知恵 ②実務力 ③ユーモア ④優しさ(弱さ) ⑤武士道 ⑥理想 △本能
を象徴している。

特に三船敏郎演じる菊千代は、農民出身でありながら侍を名乗り、理性と情念のはざまで揺れ動く人間の矛盾や葛藤を体現している。
彼が水車小屋の赤ん坊を見て涙する場面は、その象徴的な瞬間だろう。

本作全体にも、理性と情動の対比構造が流れている。
武士たちは秩序と統御の象徴であり、農民たちは日常の不安定さや生存欲求を抱える存在として描かれる。
黒澤は、この両者の緊張と共存のバランスの中に共同体の在り方を探ろうとしているように見える。

また、本作は戦後の日本社会のメタファーとしても読むことができる。
農民たちは当時の一般国民、侍たちは外部から秩序を提供したアメリカ、野武士たちは戦前の軍部を象徴しているとも解釈できる。
黒澤はこうした外部から与えられる秩序(統治・保護・支配)が共同体を救うという一つの理想モデルを描きたかったのだろう。

本作で特に評価されているのは、その映画技法である。
屋外撮影の自然光を活かし、カメラ位置・構図・役者の動きが一体化した立体的な画面構成は驚異的。
4Kリマスターで鑑賞したが、立体感はまるで3D映像のように感じられた。

戦闘描写のリアリズムも秀逸で、CGでは決して描けない「馬と人間の泥まみれの混沌」が展開される。
その中で描かれる必要な死。そして最後に生き残るのは知恵・ユーモア・理想である。

私がこの映画を観るたびに感じる腑に落ちない感覚──それは黒澤明が理性を少し信じすぎているのではないか?という違和感だった。
今回再見して気づいたのは、完璧に構成された作品ゆえの、その「完璧性」が持つ限界(ある種の矛盾)である。

4K UHD Blu-ray (クラリテリオン版)で鑑賞

92点

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neonrg

2.5三船が明るいw

2025年5月31日
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三船は演技がワンパターンで暗い演技しかできないと思ったら
よくしゃべる明るい武士を演じてた
時間が長いので前半百姓の話でリタイアするかもしれない
そこを超えれば見どころあり

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joker4444
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